第8話 お前も山賊にならないか
プレイヤーに襲われ、すべてが終わる頃には朝日がのぼり始めていた。
「さて、なにをしようか。」
まずあの街には近づかない。称号でジャイアントキリングが獲得できたということは
あの街にはLv10以上のプレイヤーがごまんといるわけだ。袋叩きにされる。
それなら…
俺は森の中からぐるっと回って街の周囲を探索することにした――
日が落ち始めた頃MPが心もとないので戦闘は避けつつ元いた洞窟まで戻ってきた。
ついでに新スキル【隠密】を獲得した
一周して気付いたがここはいわゆる始まりの街ってやつだろう。
門は4箇所にあるがちゃんとした道は一箇所にしか無かった。
モンスターも5Lvくらいだし。
そして俺が出てきた洞窟、それがいくつかあった。
まぁ人間サイドが街の中、モンスターサイドは洞窟でスポーンといった感じだろう
そろそろ浮遊するMPも無いので俺は最初の洞窟で休憩しようと思っていた、が
洞窟から出てくる服を着た杖持ちスケルトンに会った。マークは緑、プレイヤーだ。
「こーんにーちはー」
「あ、ああ、こんにちは」
思わず返事してしまった。これは自分に向けられた挨拶ではないのに。
「えっ、も、モンスター!? あ、いや、緑だからプレイヤーだ!」
「こんにちは。今始めたばかりですか?」
「うん! はじめまして! 僕はスケルトンメイジの”ホネホネ”だよ」
「俺はゴーストウェポンの”ヤタガラス”だ。 よろしく」
どうやら始めたばかりのようだ。
「スケルトンメイジってことは魔法を使うのか」
「うん、火の魔法を使うよ」
火魔法か、あの魔法にかすっただけで40くらいHP削れたからな。
「あのいきなりだけどカラスさん、パーティー組んでください!僕、友達といっしょにやる予定だったんだけど友達遅れるみたいで」
「いいよそれくらいなら あとヤタガラスだから」
「やったー ありがとカラスさん」
「もうそれでいいよ」
「見た目も黒いしぴったりだね」
…ん?
そういえば乗り移った双剣の詳細見てなかったな。
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黒の双剣:ただ鋭く、よく切れる、ただそれだけの双剣
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そんな双剣だったとは、ということは…
黒の大剣 黒の杖 黒の本 黒の中盾
やっぱり。説明も一部に突出しているもののようだな。
ということは
「おーい、ホネホネ、これやるよ」
そう言って黒の杖を渡す。
「えっ、いいの?ありがとう!」
あとそういえばSP残ってたな、どのスキルを取ろう。
最終的に 【HP自動回復・小】 【MP自動回復・小】 【索敵】 を取った。
「あ、来たー、おーい」
どうやら友達が来たみたいだ。
「どうも、ホネホネが世話になった。 リビングアーマーの”アルマ”だ。」
剣と盾を持った鎧が洞窟の中から出てきた。
「こちらこそ、ゴーストウェポンのヤタガラスだ」
「ホネホネの子守をしてくれてありがとうな」
「ちょっと、子守って何だよう。僕子供じゃないよ!」
「目離したらすぐどっか行くくせに」
「気になるものがいっぱいあるんだよ!」
「はいはい」
どうやら相当仲が良いみたいだ。
「ヤタガラスさん、早速なんだが情報交換といかないか?」
「俺は盾を使って、剣でチクチクダメージを与えるタイプだな。」
「僕は魔法を使って、大きなダメージを与えるタイプだよ!」
「ん、じゃあ。俺は攻撃を回避してダメージを与えるタイプだな」
「丁度良く、攻・守・魔揃ってっていい感じだな。」
「そうだね。」
「確かに。」
「じゃあ、もうパーティー組んじゃうか」
「そうしよー」
俺はアルマたちとパーティーを組み直した
「そういや、パーティーリーダーはどうする。」
「特にそうゆう機能はないんだろ。」
「いや、何かしらに迷ったときにビシッと決められる人がいてもいいんじゃないかなって」
「確かにな」
「賛成ー、てことで僕はカラスさんにいっぴょう!」
「俺も賛成だ。」
「おいおい、いいのか?」
「いいよいいよ、この中でカラスさんが一番強いし」
「そうだな、少なくとも俺達よりはこのゲームの知識があるな」
「じゃあ、わかった。やらさせてもらうぜ。」
「うん、じゃあ始まりの街にしゅっぱ~つ」
「そうし「ちょっと待った!」
「どうしたの、え、この洞窟にまだなんかあるの?」
「いや、よく聞いてくれ」
俺はプレイヤーに襲われたこと、俺達は人類の敵なのだということを話した。
「えーっ、なにそれー、それじゃあ僕たち人外プレイヤーには人権ないじゃん。」
「しかもプレイヤーを殺しても経験値が入るのか。」
「だが大半のプレイヤーがLv10以上だ。そこら辺のモンスターより手強い。」
「プレイヤーと戦うのはあまり得策ではないな」
「じゃあ今後の方針はどうする?」
「…お前も山賊にならないか。」
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第8話 お前も山賊にならないか
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