第2話:別の時代か別の世界。

「ってことで今日から幸太郎は私の彼氏ね」


「え〜なんでですか・・・そんな勝手な・・・願ってもないですけど・・・」


「で?あなたは?どこから来たの?幸太郎」


「いや〜どこからって・・・こことはちょっと違ったところだと思いますけど」


「それじゃ分かんないでしょ?」


「まあいいわ・・・幸太郎・・・仲良くしようね」


「はあ、よろしくお願いします」

「で、この部屋は?・・・ここはどこなんでしょう?」


「ここは「紗蘭宮しゃらんきゅう」って遊郭だよ、幸太郎」


「ゆ?遊郭?」

「遊郭って・・・あの遊郭?・・・エロいおネエさんが、わんさかいる?」


「エロいってなに?」


「ああ、言い方マズかったですね、ごめんなさい」

「遊女さんって言うんですか?」

「え?じゃ〜月鈴ユーリンさんも遊女さん?」


「そう私はこの「紗蘭宮しゃらんきゅう」の遊女だよ・・・」


「はあ、そうなんだ・・・じゃ〜月鈴ユーリンさんもお客を取るんだ」


「だね」

「女性を相手にすることが多いね」


「え?男の客の方が多いんじゃないの?」


「そんなことないよ女性が8割いってるね」


「あ〜そんなもんなんだ・・・知らなかった」

「そうか俺はどうやら別の世界か別の時代に来ちゃったみたいですね」

「ここで目覚める前のことはまったく記憶にないんです」


「まあ、いいんじゃない?」

「この部屋は私の部屋だから、いつまでいてくれてもいいよ、ダーリン」


「ダ、ダーリン?・・・ダーリンって?」

「今日から幸太郎のことダーリンって呼ぶから」


「この国はね「蓮乗国れんじょうこく」って言うところなの」

「ここは島国になっていて空に浮いてるの」

「天界とは違うけど、まあ天界や黄泉の国のようなものかな」

「この国から抜け出すには背中に羽が生えるか、龍の背中にでも乗らないと

下界には降りられないの」


へえ・・・そんな空中に浮かんでる国なんかあるんだ。

俺は今、そこにいるんだな。


幸太郎は昼間、月鈴ユーリンに連れられて街を歩いたが和洋折衷、

日本家屋もあれば中華もあるし洋館もある、いろんな国がごちゃまぜになった

って感じの街並みで賑やかで多種雑多・・・そんな印象だった。


「なんだか色々入り混じってどこの国だか分かんないね」


「そうね、ダーリンの生きてた世界にはないかもね、こんなユニークな場所」


「今、生きてたって言った?」


「ダーリンがいた世界では、あなたはもう亡くなってるからここにいるんだよ」


「なにそれ・・・ここは死後の世界?」


「とも言えない・・・」


「え〜」


「そんな難しいこと、私にも分かんない・・・」

「いいじゃん・・・もうダーリンはダーリンの世界には帰れないんだから」

「ここにいたら、あくせく働かなくてもいいし私が面倒みてあげるから・・・ね」


そう言って月鈴ユーリンは俺のアソコを手のひらで撫でた。


「お〜ほほほ・・・なにしてんの月鈴ユーリン


「ダーリンの大事なところにおまじないをかけたの」

「他の子に取られないようにって」

「紗蘭宮は、可愛い子だらけだからね」


「ダーリンも私以外、よそ見しちゃダメだよ・・・浮気はダメだよ」

「私はダーリンの命の恩人なんだからね」


幸太郎は遊女、月鈴ユーリンにすっかり惚れられてしまったようだ。

だから彼女は昼間と自分の仕事がない時は幸太郎にべったり。

そんな経験ない幸太郎はタジタジ、でも嬉しいやら楽しいやら・・・。


月鈴ユーリンは遊女ってだけあって、色気はあるわエロいわいい匂いはするわ

幸太郎が夢に描いたエロくて綺麗な女の子そのままだった。


つづく。



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