第4話 誕生日プレゼント

俺と渚はクラスが違う。

クラスの紙が張り出されたとき渚がこの世の終わりの顔をしていて思わず笑ってしまった。

クラスは違うといっても3クラスしかないのでそこまで離れてはいない。


「いい?ほかの女の子に話しかけられても優しくしないでね?」

「はいはい。わかってますよ」

「とくに神在さんとかいう女の子絶対君に話しかけてくるからね」

「ほいほい」

「ボクの話しをちゃんと聞けー!」


毎日のようにしている会話をし渚と分かれて自分のクラスに入る。

クラスは全体で40人。男女比も半々といったところだ。


俺の席は一列目の一番後ろだ。

カバンを机の横にある取っ手に引っ掛ける。

すると横から


「おはよう、遥斗くん。朝から藤崎さんとイチャイチャするなんて大胆だね」


そう話しかけてきたのは俺の席の隣にいる荒川蒼葉。

髪型はショート、二重で大きい目、色白で透明感のある肌、中性的な顔立ちをしていて初めて見たときは思わず女の子と勘違いしてしまった。

なにせ声まで中性なんだ。勘違いしないほうが無理だろう。


「あれは全くもってイチャイチャではない。毎日毎日いわれるからめんどいよ」

「藤崎さんは遥斗くんのことを思って言ってるんだ。そんなことをいうと悲しんじゃうよ?」

「ふーんだそんなこと知るか」

「僕からするとうらやましいけどね~。あんなに美人な人と毎日学校に来れて毎日イチャイチャできるだなんて。あれで付き合ってないだなんて信じられないよ」

「俺たちは恋人とかそういう関係じゃないしお互いにはそういう気持ちはないよ。」

「はぁ。遥斗くんは何というか鈍いね....」

「ん?どういうことだ?」

「そういうとこだよ」

「??????」

「これは藤崎さんも大変だね」


なんか勝手に呆れられてるんだけど?

なんで?


「俺と渚はただの幼馴染だよ」

「ただの幼馴染には見えないけどなぁ」


まぁ実際同じ家に暮らしてるしただの幼馴染ではないのかもしれない。

お互いのプライベートは筒抜けだしもう幼馴染という域を超えて家族というほうがしっくりくる。


そんなことを考えながらスマホを開く。

とそこでとあることに気が付いた。


今は7月9日。

渚の誕生日は7月19日。あと10日後には渚の誕生日だ。


渚の誕生日の日は俺と渚の家族全員が集まってパーティーをしていた。

俺の両親が亡くなってからは俺と渚の家族だけになってしまったが。


毎年日々の感謝という形で渚にプレゼントを贈っている。

去年はネックレス、一昨年は靴をプレゼントした。

でもどれも本人から要望を聞いてプレゼントをしていた。


うーん今年は何を送ろうか。

毎年のように本人に聞くのが一番手っ取り早いのだろうがそれはそれでなにかサプライズ感がなくて寂しい気もする。


「なぁ蒼葉」

「ん?どうしたんだい?」

「渚の誕生日がもうそろそろなんだよ。日々のお礼としてなにか送りたいんだけど何かいいものはないかな?」

「誕生日プレゼントか~。僕なら何をもらってもうれしいけどね」

「それはそうかもだけど。」

「今までは何を送ったの?」

「欲しいって言ってたものをプレゼントしたよ。ネックレスとか靴とか化粧用品とかだな」

「じゃあ本人に聞くのが一番いいんじゃないの?」

「でもそれだとなんかドキドキ感がないだろ?やっぱ何が来るかわからないドキドキ感を渚には味わってもらいたいんだよ」

「うーん......僕は誕生日プレゼントを異性になんて送ったことないからわからないな~」


二人して頭を悩ませている。

ぬいぐるみか?いやさすがに高校生に送るものではないか。

花?いや花なんて恋人同士が送りあいそうなものだしなによりも世話をするのがめんどそうだ。


顔を下にして色んなことを考えていると横から


「なにか悩み事?」

「......ん?」


顔を上げるとそこには今朝会った神在さんがいた。


「神在さん?」

「おはよ!遥斗くん!今朝ぶりだね!」

「おはよう。ほんとに朝から元気だね」

「もちろん!私の取り柄は元気なところですから!蒼葉くんもおはよう!相変わらず可愛いね!!」

「おはよう神在さん。僕にもその元気を分けてほしいよ。それと可愛いじゃなくてかっこいいの方が嬉しいかな」


蒼葉と話しているとこうやって神在さんが混ざってくることがある。

少し俺らと話すとまた別のグループに入って話しをする。

ほんとに誰とても仲良く話せる彼女には尊敬だ。


「それで?遥斗くんと蒼葉くんは何に悩んでいたの?」

「渚がもう少しで誕生日なんだけど何をプレゼントすればいいのかなって」

「異性へのプレゼントなら私に任せてください!同じ異性としてなにが欲しいかなんてもうばっちり理解しています!」

「おぉ!神在さんは頼りがいがあるね!」

「ふふん!蒼葉くん!もっと褒めてもいいんですよ!」

「それで具体的にはなにをプレゼントすればいいんだ?」

「二人とも今日の放課後は空いてる?」

「空いてるけど」

「僕も空いてるよ」


そうすると神在さんは笑って


「んじゃ今日の放課後ショッピングモールに行きましょう!」

「は?」


彼女はそう提案するのだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あとがき


更新が遅くなってすみません。

授業中書くはずか友達と雀魂をやりすぎておろそかにしていました。


それとついに100フォロワー超えました!

PVも1000を超えててほんとに感謝です!


これからも更新を続けていくので応援よろしくお願いします!

いいねとフォロー、星をお願いします!











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る