大文字伝子が行く302
クライングフリーマン
奸計
====== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダー(平和への案内人)または行動隊長と呼ばれている。。
大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのエーアイ(アナザー・インテリジェンス)と呼ばれている。
一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。愛宕の妻。EITO副隊長。降格中だったが、再び副隊長になった。現在、産休中だが・・・。
愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。通称『片づけ隊』班長をしている。
斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
久保田嘉三管理官・・・EITO前司令官。警察とEITOのパイプ役もするが、『交渉人』が必要な場合は、柴田管理官と交替で交渉人も行う。
久保田誠警部補・・・警視庁警部補。あつこの夫。通称『片づけ隊』を手伝うこともある。
西部警部補・・・高速エリア署生活安全課の刑事だが、。通称『片づけ隊』
を手伝うこともある。早乙女愛と結婚した。
草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。
河野事務官・・・警視庁から出向の事務官。警察、自衛隊、都庁などの連絡も受け持つ。
増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。
馬場(金森)和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。副隊長補佐。
結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
青山(江南)美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
工藤由香・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向の巡査部長。。
西部(早乙女)愛・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向だったが退職。EITO準隊員。
小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
筒井隆昭警部・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
田尾美緒子・・・白バイ隊隊長。
新里あやめ警視・・・あつこの後輩。警視庁テロ対策室勤務。
中津敬一警部・・警視庁テロ対策室所属。
蛭田玲於奈・・・池上病院。泌尿器科医師。薬学に通じており、『毒』の専門家。
天童(須藤)桃子医官・・・EITO東京本部勤務の医官、陸自からのEITO出向。
高坂一郎看護官・・・陸自からのEITO出向。
窪内真二郎・・・窪内組組長。
窪内由紀恵・・・窪内の娘。高校教師。生徒からは『親しみ』を込めて、『テキセン』と呼ばれている。
高畑彰・・・新厚労省大臣。
市橋早苗・・・内閣総理大臣。
物部一朗太・・・伝子の大学の同級生。翻訳部の副部長。
物部(逢坂)栞・・・伝子の大学の同級生。
依田俊介・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。あだ名は「ヨーダ」。名付けたのは伝子。今は、やすらぎほのかホテル東京支配人。
依田(小田)慶子・・・依田の妻。やすらぎほのかホテル東京副支配人。
福本英二・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。大学は中退して演劇の道に進む。
福本(鈴木)祥子・・・福本が「かつていた」劇団の仲間。福本と結婚する。
南原龍之介・・・伝子の高校のコーラス部の後輩。学習塾を開いている。
南原(大田原(文子・・・南原の妻。学習塾を開いている。
山城順・・・伝子の中学の書道部後輩。海自の臨時事務官。
山城(南原)蘭・・・南原の妹。美容師。山城と結婚した。
服部源一郎・・・南原と同様、伝子の高校のコーラス部後輩。シンガーソングライター。音楽塾を開いている。
服部(麻宮)コウ・・・服部の妻。音楽塾を開いている。
青木新一・・・Linen他SNSを使いこなす大学生。
中山ひかる・・・愛宕の元お隣さん。アナグラムが得意な大学生。伝子らの大学の後輩になった。
=================================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
==EITOガーディアンズとは、エマージェンシーガールズの支援部隊である。==
午後3時。西部家。
久しぶりに、のんびりしていた西部と早乙女だったが、早乙女のスマホが鳴動した。
総理からだ。
「早乙女さん。大文字さんに連絡取れないんだけど、何か事情があるのかしら?」
「さあ。緊急ですか?」早乙女はスピーカーをオンにした。
「厚労大臣の高畑さんから、『ヘンな食中毒事件』が起っているのかも知れない、って言って来たの。」総理は、食中毒事件のあらましを説明した。
西部は、早乙女に自分のスマホを差し出した。
「ちょっと、待って下さい。EITOに確認します。」
早乙女が電話すると、斉藤理事官が出た。
「何ですって?」早乙女は、このスマホもスピーカーをオンにした。
「大文字君は誘拐されたらしい。夏目君の身内が拘束されている恐れがある。大文字君のことだ。上手く脱出するだろう。久保田管理官の方にも何か起っているらしいが、早乙女君の方は?」
「理事官。不審な『食中毒』事件が起っているそうです。ある高校で、限られた生徒だけが食中毒にかかり、保健所では原因が分からないそうです。」
「分かった。君は念の為、工藤君と一緒に高畑大臣を守れ。国賓館のSP隊も応援に行って貰う。食中毒事件については、池上病院に『毒の専門家』がいるから、行って貰おう。」
「早乙女君。保健所には、私も向かおう。こっちは任せて。」と、横から須藤医官が発言した。
午後4時。高畑大臣の家。
工藤が到着すると、何人かの男が家の外を見張っている。
「先を越されたか。」工藤は、田尾に連絡し、白バイ隊の応援を要請した。
午後4時。保健所。
窪内美由紀が待っていると、池上病院の蛭田玲於奈と須藤桃子医官が到着した。
職員が、3人を検査室に案内した。
午後4時。夏目リサーチ。
社員達をロープで縛っていた一団を、リーダーを除いて、社員達を監禁していた部屋に、伝子は押し込んだ。
「朱美。社員達に事務室で待機させてくれ。大文字君。こちらへ。」
夏目は、リーダーを社長室に『連行』した。このリーダーが『バイト代理』のスパイだ。
「さて。持久戦かな?」と夏目はリーダーを睨んだ。
伝子は、戻って来たバッグからスマホを取りだし、廊下でEITOに連絡した。
午後4時。EITO本部。司令室。
「おお、大文字君。無事だったか。夏目君は?」
理事官は、大まかに、時系列で事件の進行を説明した。「保健所には,須藤先生と一緒に一佐を向かわせた。」
「成程。明後日までに『下拵え』して、私達を料理しようということですか。レシピは、ドリフト・アイスが書いたのかな?」と、伝子は冗談交じりに言った。
午後4時。警視庁テロ対策室。
警視庁にいた、敵の一団が床に転がっている。
新里警視、筒井、結城、あつこが見下ろしているのは、女子事務員の制服を着た女達だった。「肝心のスパイの、偽女性警察官には、逃げられたな。」筒井は、歯ぎしりした。
「久保田のおじ様。健太郎を誘拐されたのね。」
「健太郎も、追跡用ガラケーとDDバッジを持っている。本人は知らないが、ね。」
久保田管理官は、唇を歪ませた。
「渡君に追跡させましょう。」あつこは、EITOに連絡をした。
午後4時15分。EITO本部。司令室。
「おお。警視か。渡に追わせよう。実はな。」理事官は、事件の推移を説明した。
午後4時45分。
「理事官。健太郎君のDDバッジの位置が固定しました。葛飾区新小岩です。」と、渡が言うと、
「理事官。我々が行きます。」と、あかり、下條、小坂が進み出た。
「よし。警察官の制服で行け。なるべくEITOの武器は使うな。」と、理事官は命じた。
「了解しました。」3人は、揃って敬礼した。
午後5時半。保健所。
「ウイルスだな。プラス感染促進剤。」と、蛭田教授は言った。
「ワクチンか。宮田先生が言っていた、ワクチンかも知れない。MO3,0だ。」と、須藤医官が言った。
「窪内先生。コロニーのワクチン接種は?」「3日前です。じゃあ、この10人は・・・確認します。」
窪内美由紀は、学校で待機している校長に確認を取った。
「間違いありません。食中毒にかかったのは、13回目のワクチン接種をした者ばかりです。コロニーは収束しましたが、親の頭が堅い人だと、子供に『念の為』接種をしたがるんです。」
「成程。他の学校での被害者は?」と、なぎさが保健所の職員に尋ねた。
「聞いていません。だが、食材に原因がある場合もあるのでは?」
「では、同じ給食を食べた学校を調べて下さい。金森、馬場。父兄の振りして、学校内のスパイをあぶり出せ。青山と江南も向かわせる。」
なぎさは、ニヤリと笑った。
午後5時半。葛飾区。新小岩。新小岩インポータントビル2階。
「私も、子供産みたかったなあ、乳がんでなきゃ。」そう言って、女はミルクを赤ん坊に飲ませた。
「仏心出すなよ。大事な人質だからな。」「幾ら、貰えるの?」
「国家予算さ。」と、男は女に笑った。
「ボスの方が、仏心出しそうだが。」
※男の心配は杞憂に終らなかったことが、後に判明する。
午後5時半。インポータントビルの外。
外の様子を伺っていた、あかり達に声をかける者がいた。
「張り込みかい?下手な張り込みだなあ。」「中津警部?」
あかりは、驚いた。「大文字さんは、無事脱出したよ。俺の部下の振りしてくれ。」
あかりは、伝子の先読みの能力、いや、慧眼に感謝して中津に従うことにした。
ビル3階の部屋に到着すると、中津はノックをした。
「発砲音がしたということで、やって来ましたが、ヤクザの事務所じゃなさそうですね。」
「刑事さん。表の看板にある通り、ウチは不動産屋ですよ。」「じゃ、何か異常な
音が聞こえたら・・・。」
「警部。赤ん坊の声が。」と、あかりが言った。
あかり達が強引に、奥の部屋に踏み込むと、赤ん坊がいた。あつこの息子、健太郎だった。
窓が開いていた。男が話している内に逃げたのだ。
あかりは、窓から外に飛び出た。
下條と小坂は、中津を止めようとした男を逮捕、捕縛した。
下條のスマホにあかりから電話があった。
「逃げられたわ。」
午後5時半。渋谷区。スクランブル高校。
到着した、金森達に警備員は言った。
「栄養士さんなら、生徒達が心配だって言って、救急車が出た後、帰りましたよ。」
金森は校長に会い、話を聞いた。
「いつもは、栄養士さんは2人でしたけどね、今日は1人でした。給食センターも、いつも通り給食を運んで、栄養士さんもいつも通りチェックして・・・。」
「それだな、和子。」と、馬場は言った。
午後7時。窪内家。
「なんで、お前の学校が狙われるんだろう?この前は、遠山の若い衆が、えらい目に遭うし。」「それだわ、お父さん。管理官に連絡つくようになったらしいから、連絡して。」
窪内は、ただなならぬ由紀恵の剣幕に、久保田管理官に連絡した。」
「遠山の・・・ああ、花火大会のダイナマイトか。そうか。お前達がEITOの協力者だってばれてるってことか。分かった。小堺には、私から連絡しておこう。」
午後7時。伝子のマンション。
高遠は、珍しくLinen会議をしていた。
「そりゃあ、災難だな。大文字が無事で何よりだ。」と、物部が言った。
「決戦は明後日なんだろう?何か焦っているのかな?強硬手段に出るって。」と、福本が言った。
「俺は、なんで夏目リサーチが狙われたのか分からない。」と、依田が言った。
「高遠さん、直感だけどいい?一昨日の、増田隊員のお見合いの日、大きな火事が3件、同時にあったよね。それって、関係していないのかな?」と、青木が言った。
「僕も、同じこと考えていた。健太郎君の誘拐は陽動だよ、きっと。」と、服部が言った。
「何らかの追跡装置があることは分かってるとしたら、ね。」と、南原が言った。
「じゃ、夏目さんと先輩が誘拐、って言うか拉致されたのは、夏目リサーチのデータに触れさせる為?」と、蘭が言った。
「いや、逆だよ、蘭。データの改ざんに気づかせない為だな。」と、山城が言った。
「青木君が言った、3つの強盗殺人火災事件、なんか夏目リサーチに漏れた、って考えたのかも。」と、栞が言った。
「じゃあ、夏目さんが先輩を迎えに行った隙に、改ざんしたんだ。」と祥子が言った。
「うん。久保田管理官の話によると、EITOが連絡付かない状況で、夏目さんが迎えに来るのはおかしい、と思って尋ねたら、健太郎君誘拐犯に、そう言えって、言われたらしい。電話は、使い捨ての電話で、健太郎君の声みたいな赤ん坊の声だと思ったって。」
高遠が説明すると、「流石の管理官も、パニクっちゃったか。結局、健太郎君だったけど。」と、コウが言った。
「それで、先輩はどうしてるの?」と、慶子が尋ねたので、「EITO。まだ全容が掴めていないからね。」と、高遠が言った。
「明後日どいね、決戦は。あ、『ハムカツサンド』は?」と、文子が疑問を口にした。
「それなら、分かったよ。『掴むはドサン』。道産子ファイヤーズって球団、北海道に移るその前は、元の球団東栄フライングズだった。その本拠地が、今オリンピック記念公園にある、駒沢球場。」と、ひかるが得意げに言った。
―完―
大文字伝子が行く302 クライングフリーマン @dansan01
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
今年になって学んだこと/クライングフリーマン
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます