第4話:イブの夜の誕生日のサプライズ。
自殺をとどまった
熟女の天使の言うことを信じて次の日はなんとか会社に行った。
なるべく元カノと鉢合わせになることを避けて淡々と業務を終えて疲れた体で
マンションに帰ってきた。
今日はイブだし自分の誕生日だって分かってたけど、お祝いをしようって気には
ならなかった。
熟女天使のが言った・・・僕の誕生日にプレゼントが届くって。
そのことが気になっていて、なにが届くんだろうと思いながら時間を過ごした。
夕方になって熟女天使が言ってたように裕太の部屋に荷物が届いた。
宅配の人も大汗をかくくらいの大きさの段ボール箱。
裕太も手伝って部屋までズルズル引っ張って運びこんだ。
「こんな大きな箱、なにが入ってるんだよ?」
そう思って裕太はとりあえず版ボールを開けてみることにした。
ガムテープを剥がして、蓋をカパッと開けてみた。
そしたらいきなりだった。
「お待たせ!!裕太・・・お誕生日おめでとう」
そう言って箱から上半身を起こしたのは、見ず知らずの少女だった。
「はい、裕太、お誕生日の花束〜」
「あ、ありがとう・・・って?誰なんですか?」
「裕太の誕生日にプレゼントが届くって私、言ったでしょ?」
「私?・・・私って?・・・うそ、まさかあの熟女さん?」
「もう、熟女じゃないから・・・裕太のために若がえったの私」
「どういうことなんですか?」
「こう言ういうこと・・・裕太に新しい彼女と恋を提供しようと思って」
「あ、私の名前教えてなかったよね」
「私の名前は「ウィリエル」当年とって17歳って設定。
「今日から私は裕太と一緒に暮らすからね、裕太の心の中から悲しみが
払拭されるまで・・・」
悲しみが払拭するまで・・・。
「ウィリエル?」
「熟女の天使さんがそウィリエルさんに成りすましてるの?」
「成りすますって言わない・・・あのねモノは考えよう・・・このさい
熟女の私は忘れましょ・・・私は私、ただ若がえっただけ・・・聖水を飲んでね」
だから、裕太は自分に新しい彼女ができたんだって思えばなんの問題もないでしょ?」
「イブのサプライズなんですね、これが?」
「なんだか一方的すぎる気がするんですけど・・・」
「なに贅沢言ってるの・・・こんなに若くて可愛い天使が彼女なんだよ?」
「あのね、私ははなんとかして君に生きる勇気を与えたいの?」
「今は迷惑って思うかもしれないけど、あとで絶対私に感謝するから」
「なにより私は君の悲しみをよく知ってるからね」
「いきなり現れた天使とこれから一緒に暮らせって言うんですか?」
「すぐに慣れるよ」
「なんだか怖いからもう・・・」
「とりあえずこのまましばらく私と暮らしてみない?騙されたと思って・・・」
「あ、私ね、家事全般得意だからね、料理も掃除も洗濯も甲斐甲斐しくするから」
「裕太はなにもしなくても全部、私がやるから・・・それでどう?」
「そりゃ、家事してもらえるなら助かりますけど・・・」
「あ私のパンツ洗いたいってのなら、洗濯は裕太に任せるけど・・・」
「いいですよ、そんなこと」
裕太は家事全般自分でしなくてもいいってことで、ちょっと近欲になって
鞠音の申し出を不承不承、承知した。
知らない人と一緒に暮らすって無理って思ったけど、ウィリエールは自分で
自慢するとおりかなり可愛いい・・おちゃめなところもいい。
裕太はウィリエルとは少しづつ慣れていけばいいと思った。
もし生理的にダメってなったら断ればいい。
まあ、ウィリエルはあのまま熟女であっても充分魅力的には違いなかった。
「あの、君のことウィリエルって呼び捨てでもいいですか?」
「うん、呼んで呼んで・・・だって私、裕太の彼女なんだもん」
「でも名前はフランクなのに敬語は似合わないでしょ裕太」
「普通に話そうよ・・・あと私は最初っから裕太の彼女のつもりでいるから、
裕太はいつでも私のことを好きになってね」
「ああ、それは・・・少しづつ慣れて行きます、あ、行くよ」
「実は私ね、
好きになったの・・・だからこのまま橋からダイブさせる訳にはいかないと
思って・・・」
「僕のこと?一目惚れしちゃったんですか?・・・あ、惚れたの?」
「うん、天使だって人を好きになる時あるんだよ」
こうして天使ウィリエルと裕太とのぎこちない同棲がはじまった。
そのおかげなのか裕太に生きる目的が生まれた。
天使と同棲なんて夢みたいだ・・・裕太の胸は期待に膨らんだ。
だけどそれは裕太のぬか喜びだったかもしれない。
つづく。
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