第2話:その熟女さんは天使。
その熟女さんは金髪のショートにフリルのついた白いワンピースを着ていた。
「
「そ、そうですけど・・・あなたは?」
「ごめんなさい、いきなりシャツ引っ張っちゃって・・・」
「手遅れになっちゃうと困るからね」
「すいません、どこかでお会いしてます?」
「裕太くんとは今日が初対面」
「そうね・・・・私のこと天使って言ったら信じてくれる?」
「天使?熟女さんが?・・・天使ってもっと若いって言うイメージなんですけど・・・ただの暇な熟女さんにしか見えないんですけど・・・」
「ただのって・・・失礼よ裕太くん」
「あのね、私も昔はキャピキャピしてたんだよ・・・でも天使だって歳は
取るからね」
「熟女って言っても私まだまだ現役だから・・・エッチだって普通に
できちゃうから・・・って言うか若い子より熟練してるし感度だっていいのよ」
「どうでもいいです、そんなこと・・・興味ないですから」
「本当にあなたが天使だって証拠ないでしょ?・・・つうか僕、暇な熟女さんに
構ってる暇ないんです」
「今から死のうと思ってるから?」
「もういいですからどこかへ行ってください、僕に構わないください」
「そうはいかないの・・・これから死のうってしてる人を目の前にして
放ってなんかおけないでしょ?・・・人を救済する天使としては・・・」
「だいたいなんでこんなタイミングで天使なんかいるんですか?」
「あなたが天使だったとしてですけどね」
「あのね、天界にいるとね、毎日誰が死んだかって情報が逐一入って来るの
・・・救えなかった人たちの情報も一緒にね」
「いい、自分で命を絶った人の魂はね、天国へも行けず混沌とした闇の世界を
永久に彷徨うんだよ、転生することもなく・・・お盆にも現世に帰って来れないの」
「だから、ひとりでもそう言う魂が増えないよう私たちが監視してるの」
「だけどね、全員を助けられないのが現状」
「今の世の中、自ら命を絶つ人が多すぎるからね」
「その中でも運がよかった人だけが助かるんだよ・・・まあ死のうかって
人にとっては助かるってことは逆に不運かもしれないけどね」
「でも今夜の裕太くんは、私から見たら運が良かったんだよ」
「私が君を見つけたからね・・・」
「で、天界からこの
「僕を助けるためにですか?」
「それって余計な御世話なんじゃないんですか?」
「そう言っちゃうと身も蓋もないでしょ?」
「だださ、裕太くんに何があったか私、知らないからね、もしここからどうしても
ダイブするって言うのなら、その前にせめて裕太くんに何があったか、
私に話して聞かせてくれないかな?」
つづく。
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