お宅訪問

 オレと真輝斗は、待ち合わせをして瀬山さんのお宅にやってきた。

 

 

「すげーキレイで大きい家だなー」

 と、オレが瀬山さん宅をみて感動していたら、真輝斗が

「えっ?だって一回来たことあるんだよね?いまさらなにを感動してんだよ?」

 と、不思議顔をした。

 

 

「あー、この前はそれどころじゃなかったからさ。」

「なるほどねー。今回は、余裕がありますね。慶太氏」

「ええ、まぁ」

「ってか、早くインターフォン鳴らしてよ」

 と真輝斗に促された。

 

 

 インターフォン、それはなぜか押す時緊張する。そして、ドキドキとワクワクも入り混じる不思議な感覚に陥る機械です。

 

 

 それを真輝斗は、あっさり鳴らしてなんておっしゃるの?

 

 てか、オレが押していいんだ?

 

 まぁ、なんて心の広いお方なのでしょう。

 

 

 あなたが兄だったら、兄弟喧嘩なんてものも起きないはずです。

 と、いきなりオレは真輝斗の弟を希望出たが…来世でなるしかないと悟った。

 

 

 今世は…だって親友だから♡

 

 

 って、そんなことしている場合ではない‼︎

 

 オレは意を決してインターフォンを鳴らした。

 

 

 それと同時にオレの心臓もバクバクとはしゃいだ!

 

 なんでインターフォンって、こんなにも胸が高鳴るんだ‼︎

 

 

 あ、もしかして好きな人の家だから?

 

 

 ‼︎

 

 オレはいいことを閃いた‼︎

 

 からだの中心にインターフォン埋め込んで、好きな人にピンポン押してもらったら、もしかしたら好きな人が恋に落ちてくれるんじゃね⁉︎と。

 

 

 早速インターフォンを埋め込む決意をするオレ‼︎

 

 

 てかさ、あれって…たしか電池じゃなくて電気で動いているやつだ。

 

 

 …

 

 残念。

 

 

 オレのはかない恋実験は、するまでもなく幕を閉じた。

 

 

 そして、そうこうしている間に玄関のインターフォンから、

「はぁーい!」

 と、元気な声が聞こえてきた。

 

 きっとこの声は、美乃さんだ。

 

 

 まったく、オレってば声でわかっちゃうんだもんなぁーっ、すげーよって自分を褒め称えていると、玄関がガチャリと開きました。

 

 

 …

 

 

 そしてオレと真輝斗は、驚きの光景に固まりましたよ。

 

 

 …

 

 

 え?

 

 

「「いらっしゃいませ♡♡」」

 

 

 玄関でお出迎えしてくださったのは、まさかのかわいいエプロンをした、メイドさん風の瀬山姉妹だったのです‼︎

 

 

 オレと真輝斗は、フリーズしたあとすぐにデロ〜ンって笑顔になって、

 

「「最高じゃん」」

 と、声を被らせたよね。

 

 もうさ、ウホウホがとまらない。

 

 あ、間違えた。

 

 ウハウハだった。

 

 

 そんなウハウハなオレたちが案内されたのは、明るいリビングでした。

 

 

「今日、両親夕方まで仕事だからゆっくりしていってね!後でイチャイチャもしていいからねん♡」

 との、瀬山姉からのお言葉…

 

 イチャイチャとは…⁉︎

 

 

 あのイチャイチャですか⁉︎

 

 

 それとも…ペットとの別のイチャイチャ…の可能性が高いけど、まぁオレはとにかく美乃ちゃんのかわいいお姿がみられただけで、大満足なんよね〜。

 

 

 そんなオレたちの目の前に美味しそうなお料理が運ばれていらっしゃった。

 

 

「えっ、なんかオレまでこんなお料理いただいていいのかな…」

 と、申し訳なさそうな真輝斗。

 

 すると瀬山姉さんが

「もちろんだよ‼︎なんなら、あーんする?」

 

 なんて言い出したんですよ‼︎

 

 

 真輝斗は、そりゃウホウホ…あ、ウハウハでしたよ‼︎

 

 

「え、マジ⁉︎なんて…そんなあつかましいことできないっすよ」

 なんていい、自分でいただこうとしていた。

 

 まぁ、ね。

 

 付き合ってるとかでもないからね…

 

 

 なんて思い、オレもいただきます‼︎しようとしたら、

「あ〜ん♡」

 っていきなり美乃さんがしてきたわけなんですわ。

 

 

 み、みのさん⁉︎

 

 

 二人きりだったら、オレは美乃ちゅわぁん♡っていってあーんっしてもらってたかもなぁ。

 

 

 でも…姉がみてるし…オレたち付き合ってないし…。

 

 

 …

 

 でもさ、せっかくあーんを差し出してくれたなら、そりゃね?そりゃあ、ね?

 

 

 ってわけでパクリといただいた。

 

 

 ‼︎

 

 

「うまい‼︎めっちゃ美味しいよ‼︎」

 もう、幸せいっぱいって感じで…オレは夢でもみてるんかな?って感じになったよね。

 

 

 そしたら、いきなり姉がパシャリと写真を撮りだしたんよ。

 

 

 ⁉︎

 

 え?

 

 なぜに写真…⁉︎

 

 証拠は押さえました‼︎的な⁉︎

 

 

 なんでっ⁉︎

 

 

「あのー…、そのお写真は…」

 

「記念撮影だよ♡」

 と、姉はサラリとこたえました。

 

 あー…、ね?

 

 

 …

 

 

 消してとも言えないし…

 

 そもそも…あーんしてもらったのは、事実だもんね…。

 

 

 記念撮影くらいどうってことありませんよ…。

 

 

 で、それからも姉はみんなの記念撮影を撮り続けておりましたね。

 

 

 だから、あの写真も記念撮影の一部なのですから、気軽に考えようと脳に説得するのでありました。

 

 

 続く。

 

 

 

 

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