ジャージ
かわいすぎな妹ちゃんは、オレのジャージをまとって可愛くおててフリフリしてからのペコリとお辞儀をして、自分のクラスへと去っていった。
かわよ♡
てか、めっちゃかわいいんですけどーー‼︎
そんなかわいい妹ちゃんの美乃さんは、体育が終わるとオレのクラスにやってきて、息をハアハアしながら、
「ジャージお洗濯してお返しいたしますね」
と、畳んだジャージをギュッと抱きしめた。
あのっ…
オレのジャージをそんなに大事そうにされると…なんかさ、なんかオレのハートをギュッとされてるみたいで、オレキュンキュンして、キュン死してしまいそうなのでおやめください。
と、心で申し出た。
でも、実際には
「あー、洗濯とかいいよ。オレ放課後部活でジャージ着るし」
と、まともに返すのであります。
「えっ、でも…お洗濯しないとせっかくの柔軟剤の香りが美乃臭になってしまっておりますので」
なんて申し訳ない顔をしていた。
美乃臭ウェルカムだ。
てか、美乃風味香るジャージなんてプレミアもんじゃねーかい‼︎と、喜ぶオレなのです。
今こそ、飼い主さまのにおいが大好物な犬の気持ちがよく分かってしまった。
あ〜ぁっ、ワンコになりてぇ‼︎
そのジャージかっさらってハムハムして、そこでゴロンゴロンしてー‼︎
と、ワンコ希望を申し出たのですが…まぁなれるわけがないんですけどね。
なのでオレは誠実さを保ち、
「大丈夫だよ。てか、むしろありがたい。」
と、ジャージを受け取った。
これほどにも、ジャージを抱きしめたい‼︎って思ったのは、ジャージを買って以来初でした‼︎
ジャージぃ♡
誰もいなければオレは確実にジャージを抱きしめていたに違いない。
でも、ここは誠実にきちんとロッカーへとしまった。
そしてそっとジャージに、
「ここで待ってろよ。放課後たっぷり抱きしめてやるからな♡」
と、テレパシーを送るのでありました。
あー毎日美乃さん、ジャージ忘れないかなぁー。
てか、オレもジャージ忘れて美乃さんに借りに行っちゃう⁉︎
あ、ダメだ。
オレが美乃さんのジャージ着たら、ツンツルテンになる…
しかも、小さなジャージを伸び伸びのデロンデロンにしてしまう危険性もあり得る…。
うん、やっぱりそれは速攻で却下となるのです。
とある日
真輝斗が、オレと瀬山さんと三人で談笑していたらいきなり、
美乃さんって、慶太のこと好きなんじゃね?節を突然唱えた。
すると、美乃さんの姉である瀬山さんがいきなりパッとオレをみて、
どうなんですか‼︎みたいなお顔をいたしました。
えと…これは…
…
突然の真輝斗の言葉に、オレは…マジか⁉︎マジなんか⁉︎と、喜んだ。
でも…なんか瀬山さんの眼力がすごくてつい、
「それは…どうだろう?」
と、なぜか姉の瀬山さんに聞いてしまった。
瀬山さんをじっと見るオレに、瀬山さんも一瞬固まった。
…これは、なんの時間なのです⁇そしてその答えは⁉︎と、じっと待っておりましたら…なんといきなり真輝斗が、
「おいコラ…見つめ合うなや…」
と仲裁に入ってきました。
⁉︎
真輝斗からふった話題なのに、真輝斗が中断した。
…
この時間、なんだったん⁈
そして瀬山さんの無言って…いったい…
これは、オレと真輝斗の勘違いだったってことですかね…。
なんか…なんか悲しいです‼︎
最近いい感じじゃね⁉︎って思い上がっていた自分にセルフビンタでもおみまいしてやろうか⁉︎ってくらいな感じです。
あーあー…
なんて落ち込んでいたらちょうどのタイミングで美乃さんがやってきました。
「今日まえあしが不調なんです…」
と、前髪をサワサワしながら登場した美乃さん。
前足とは?
オレと真輝斗は、美乃さんの足をみたよね…。
「あ、捻挫したところ?まだ痛むんだね。大丈夫?」
とオレが保健室まで連れて行ってあげようとしたら、瀬山さんが
「まえあしじゃなくて前髪ね」
と笑った。
そしたら美乃さんが、
「あー、それだよ!」
と、クイズにでも正解したのかってくらい二人で盛り上がっていた。
二人って…いつもこうなのかな?
なんだか、家でも楽しそうな風景が思い浮かんだ。
いいなぁってほっこりしていたら美乃さんがいきなりオレをみて、
「うちきません?」
っていきなりのお誘いをされたんですよ。
えっ⁉︎
いま、美乃さん…オレの心よんだん⁇
「えと…いきなりだなぁ」
ってオレは、返した。
そりゃ行きたいけど…ね。
でも、心よまれてたなら…ってか、そんなわけないか。
「美乃、お礼がしたいんだって。よかったら真輝斗くんも一緒にどうかな?」
真輝斗は、そりゃ行きたいに決まっている‼︎
瀬山さんのナイスフォローでオレたちは、瀬山家におじゃますることとなりました‼︎
ところで…お礼ってなんだろう⁇
続く。
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