誤解
オレは早速次の日、真輝斗に妹さんが好きとお伝えしようと、真輝斗を朝イチ昇降口で待っていた。
そして現れた真輝斗。
「おっす、真輝斗!」
「おー、慶太おはよー」
と挨拶を交わすといきなり後ろから姉の瀬山さんが現れた。
そして…
「昨日は、わざわざ部屋まで送ってくれてありがとうね〜。また遊びに来てね!お礼もしたいからっ!チュンチュン♡」
と言い残し瀬山さんは、早々教室へと先に行ってしまった。
…
めっちゃ誤解されるー…と、恐る恐る真輝斗をみると、真輝斗はやっぱりすごいお顔でオレをみていらっしゃった。
…
「いや、あの…違くて…」
「はいはい。なんですか?たいがい浮気するやつって、はじめに違うんだって言うらしいぞ。」
と、冷たい視線をオレに送ってきた。
…浮気って
…
「それは…ってかね、昨日美乃さんがねんざしてさ、で家まで送ったわけよ。てかさ、オレ…」
と言いかけたところで真輝斗の部活の先輩がやってきて
「真輝斗ー、今日の放課後練習なんだけど少しいいかな?」
と真輝斗に用事があるようだった。
「あー、先輩…オレ今…あ、やっぱり大丈夫です。慶太、あとでたっぷりチュンチュン話聞かせてよねっ」
と言い残し行ってしまった。
…
真輝斗は、完全に誤解してるんだろうなー…。
ヨロヨロと教室に向かうと瀬山さんがにっこりしながら、
「そういえば昨日は、とてもありがとうって美乃が言ってたよー。伝言ね、今日美乃学校お休みだからさ」
と伝言をお伝えしてくれた。
…
それをさ、さっき言って欲しかったー…
「あー、今日妹さんおやすみなんだ?」
「うん。足は大丈夫そうなんだけど一応様子見って感じでね」
「そっか。また挫いだら大変だもんね」
「ね♡」
…
なんか…なんか瀬山さんがオレをみてやたらとニヤニヤしています…。
な、なんでしょうか…
…
…
「あの、瀬山さん?」
「んー?なあに?」
「なぜ…そんなにニヤニヤと…」
「だって〜、だってぇ〜、フフッ」
と一人で笑って、なんだかとても楽しそうでした。
フフッって何ーー⁉︎
答えになっておりませんけど⁇
わからない…
瀬山さんがよくわからなかったけど、なにやらとっても楽しそうなことだけは、伝わった。
いいなー、瀬山さんは楽しそうでさ。
オレは真輝斗に誤解されたままなんだよなー…。
早く誤解とかなきゃだな。
…
「あ、瀬山さんって鳥の写真とかある?」
「えー、あるよ〜。欲しい?」
「うん!ぜひ‼︎」
オレはこれで真輝斗に証拠が見せれるって閃いちゃったんですよ‼︎
で、携帯をぴこぴこしてとりあえず連絡先交換してー…って‼︎
真輝斗ーーー‼︎
真輝斗が教室の入り口でオレたちのやりとりをみていらっしゃった…。
「あっ!」
オレが立ちあがろうとしたその時、チャイムがなってしまった。
…
こ、これはもう…
真輝斗…怒ってらっしゃるよね?
好きな相手とイチャイチャまがいなことしてさ…
オレなら…怒るよ…。
だって、真輝斗…ずっと瀬山さんのこと好きなんだもんな…。
真輝斗を慌てて追いかけたものの、もう真輝斗は教室へと入ってしまった。
…
そしてオレは先生に、
「おーい、遅刻かー?」
と、危うく遅刻扱いされるところでした…。
続く。
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