ぐちゃぐちゃ
ずっと瀬山さんの笑顔が気になっていたのは、やっぱり気のせいではなかった。
妹さんのおかげでオレの心のキレイな川は、サラサラと以前のように流れ出した。
あの子だったんだ。
そっかー、あの子かぁ〜。
瀬山さんの言っていたこともようやく分かりましたとも。
会ったことありますって‼︎
冬ね‼︎
ばあちゃんちに行ってたときのアレですね!
と。
一人スッキリしていると瀬山さんが妹さんと入れ違いでやってきた。
あー、瀬山さん‼︎
オレ瀬山さんの笑顔みてドキッとしたわけがわかったさ!
これは瀬山さんに向けての恋じゃなかったと安心した。
まぁ、妹さんも瀬山さんだけどさ。
とにかくスッキリしたオレは、登校してきたばかりの姉の瀬山さんに
「妹さん思い出したよ‼︎ぬいぐるみだ‼︎オレ冬に妹さんのぬいぐるみ拾ったんだ」
とお伝えした。
そしたら、よかった〜と安心したようにみえた。
?なぜそんな安心した?
と不思議そうに瀬山さんをみると…その視線の先に真輝斗⁉︎
こえー…
「…おい、真輝斗‼︎一瞬心霊現象かと思ったわ‼︎」
と話しかけると、真輝斗がヌルッとこちらへやってきた。
「お二人さんは、いつもおしゃべりしていて楽しそうですねー。」
と、とても不服そうな真輝斗。
ヤキモチってやつでしょうかね?
まぁ、オレには美乃さんがいるのでそんなヤキモチやかんでもって思ったんですよね。
そんな一人ウキウキなオレに瀬山さんは、
「助けられると、わたしってすぐ好きになっちゃうんだよね」
と言いだした。
⁉︎
「「んっ?」」
オレと真輝斗は、思わず瀬山さんの言葉に食いついたよね…。
どういうこと⁉︎
さっきオレと話していた内容だと…
妹さんのぬいぐるみ拾ったこと思い出したって言って…それからの…その言い方って…
⁇
え、待って…
それって瀬山さん…オレにもしかして遠回しに…好きになっちゃいましたって言ってたりする⁉︎
直接瀬山さんを助けたわけじゃないけど、妹さんを助けたオレがよかった的な?と、嬉しい反面戸惑うオレがいたのでした。
どうすんだよ⁉︎
それは、非常に困ります‼︎
気持ちは、ありがたい。
…でも、真輝斗の好きな人は瀬山さんだし…オレが好きな人も瀬山さんじゃなくて瀬山さんの妹さんだし…。
…
これは、三角関係じゃおさまらないッスね…。
あ、もう三角も平行四辺形もひし形も微妙だから、丸にしちゃえばよくね⁉︎って思った。
…ただ丸になってなんなん⁉︎ってことですよね。
つい脳内暴走していたオレ…
そんな脳内暴走なオレをおいて、瀬山さんと真輝斗はひとだすけばなしで盛り上がっていた。
困っていた時に差し伸べられる手は、偉大みたいなね。
てか、なんなら助けられた人が助けた人に惚れるのもあるけど、助けた人が助けられた人を好きになったりもするとかなんとか話していた。
…
ややこしいな…
でも、どうやら真輝斗は気づいていないらしい。
瀬山さんがオレを好きだと言うことに。
よかった〜…。
…
でもさ、いつかバレるんじゃね⁉︎
その時、間違いなく修羅場になるだろう…。
なんなら、オレたちの友情にもヒビが入りかねない…。
ここは、あまり瀬山さんに気を持たせないように気をつけなければだ。
でも…
どうやってそんなことしたらいいか、わからないけどさ…。
そんなモタモタしたオレにいきなりの試練がやってきてしまった…。
なんとオレ…今、瀬山さんのお宅におります…。
どうしてそうなったかと言いますと、放課後部活終わりに帰宅していたら、偶然瀬山さんの妹さんがおりまして、いきなり妹さんがオレの目の前で足をグキッとやってしまいましてね…。
オレが抱き抱えてお宅までお連れしたというわけなんですわ。
もうさ、あの時間は…ほんとうに幸せでしたよ。
好きな人がオレにしがみついててさ…
なんかあったかかったし…。
それでさ、部屋までお連れしたんだけどね…美乃さんの部屋がおさるだらけでした。
もう、びっくりしたよね…
サルの布団カバーとかカーテンあるんだ?ってね。
あとさ、瀬山さんも帰ってたんだけど…
「王子さまみたーい」
ってはしゃいでおりました…。
で、なんか流れで
ペットの小鳥を紹介されたんだよね…
やっぱり鳥飼ってて鳥好きなんだって再確認した。
さるは、飼ってなくて少しホッとしたオレがいました。
真輝斗…オレは姉の瀬山さんとイチャイチャしたわけじゃありませんからね。
オレが好きなのは、妹さんですからね?と、心で言い訳するのであります。
てか、真輝斗に明日きちんと話せばいいんだ。
オレが好きなのは、妹さんだって。
そしたら、これからぐちゃぐちゃになることないもんね!と、名案が浮かんでオレはなんだかスッキリとしたのでありました。
続く。
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