第4話【ご縁】
僕「あっ、フライトでご一緒だった方ですよね。」
男性「そうなんです。なんだか見覚えがある気がしたので、思わず声を掛けちゃいました。申し遅れました、わたくしは、アルン グレインと申します。」
僕「僕は酒井と申します。連れの男性は山田君といいます。」
アルン「なんだか機内でお二人のオーラというか空気感がすごく気になっていたんですよね。シンガポールへ入国の際もイミグレーションでお会いしていました。」
僕「存じておりました。」
アルン「あの時に声をかけようかと思っていたんですが、シンガポールで人と待ち合わせをしており、急いでおりましたので、お声もかけずじまいでした。」
僕「そうなんですね。アルンさんはシンガポール在住ですか。」
アルン「そうなんです。」
山田「すごいですね。」
アルン「仕事で日本へ滞在しており、その帰国時に同じフライトだったんですよね。」
僕「シンガポールのこのマーライオンの場所で出会うなんて奇遇ですよね。お仕事か何かだったんですか。」
アルン「そうなんです。この近くのホテルで打ち合わせだったんです。僕もマーライオンが好きなので、近くに寄ったときはつい立ち寄っちゃうんですよね。」
僕「アルンさん、ところでシンガポールでおすすめの食事がとれる場所ってありますか。」
アルン「そうですね。この近くのラオパサというフードコートがあるんですよね。いわゆるシンガポールで有名なホーカーの一つなんですよ。僕のお気に入りのスポットでもあるんです。」
山田「酒井さん、僕たちがちょうど食事をとろうとしていた場所なんじゃないですか。」
僕「そうそう。」
アルン「そうなんですね。それでは僕もこの後、ラオパサへ向かおうと思っているので、ご一緒させていただいてもよろしいですか。」
僕「もちろん、よろしくお願いします。」
山田「もちろんです。」
アルン「マーライオンをバックに三人で写真でも撮りますか。折角なので。」
山田「そうですよ。撮りましょう。」
僕と山田君とアルンさんとで三人でマーライオンをバックに写真を撮ることになった。その写真が、この後に意味がありつながってくるとは思ってもなかったんですよね。本当、未来ってわからないものですよね。
僕と山田君とアルンさんと三人でアルンさんのナビでシンガポールでも有名なフードコートへ向かいました。途中、それぞれの自己紹介をしつつ、取り留めない会話をし、異国の地シンガポールを散策したんですよね。
アルン「それはそうと、自己紹介がまだでしたね。名前は先ほどお伝えしたので、友人たちは皆、アルンと呼んでいます。シンガポールは風水を基盤とし人工的に作られてきている国なんですよね。酒井さんも山田君もご存知だと思いますが、シンガポールは世界で有数の物価の高い国なんですよね。ちなみにわたくしの仕事はスピ的な仕事で風水師をしております。」
僕「続いて僕の自己紹介をしますね。名前は酒井拾膳といいます。僕も奇遇なんですがアルンさんと同業者です。日本を起点に講演会や風水を基盤のインテリアのコンサルティングもしているんです。連れの山田君は僕の同じ仕事場のアシスタントの方なんです。すごく力強い存在なんですよ。」
アルン「そうだったんですね。だから、機内で同じ空気感というかわたくしの興味を引き付けたんでしょうね。」
山田「俺は山田優也といいます。酒井さんのお供をしているんです。よろしくお願いします。」
アルン「お二人ともなんだか同じ空気感というか雰囲気をお持ちですよね。」
僕「そうなんですよね。アルンさんならわかっていただけるとおもいますが、山田君とバリ島へ行ったときに現地の有名がバリアンの方に鑑定していただいたところ、二人とも過去でも縁があるってわかったんですよね。」
アルン「そうなんですね。バリアンってバリ島のシャーマン的な存在ですよね。僕も何度かバリ島へは仕事も兼ねて行っています。いいところですね。なんだか落ち着きますよね。」
山田「そうですよね。俺もバリアンに鑑定していただき、初めて知ったんですけどね。ご縁ってあるもんだなって感心しちゃいました。」
そうこうするうちにホーカーのラオパサへ到着しました。
アルン「こちらがラオパサです。到着しました。」
僕「こちらですか。YouTubeでみたとおりです。なんだか感動しちゃいます。」
山田「酒井さん、ホントYouTube通りの景色です。感動です。」
アルンさんと三人でラオパサを一通り周り、テーブルをアルンさんがキープしてくれました。僕たちは代わる代わる交代でそれぞれ食べたい食事を買ってきたんですよね。僕はもちろんココナッツジュースとシンガポールのご当地グルメのチキンライスにした。山田君も僕と同じものだったんですよ。アルンさんはサテとマンゴジュース、ナシゴレンを買ってきていました。テーブルを囲い会話に華が咲きましたね。お互いのLineを交換し、本日はそのまま別れちゃいました。
僕と山田君はMRTでホテルの最寄駅まで向かっていた。するとアルンさんからLineが送られてきたんです。
アルン「僕は明日、休みなのでご一緒にシンガポールを満喫しませんか」
僕と山田君は即答で「お願します」と即返信しちゃいました。すぐに既読になったんです。少々ビックって感じでしたんですけどね。これもまた何かのご縁なんでしょうね。今回もシンガポールでの滞在で面白いことがおきそうな予感がしてきました。おそらく、山田君もおなじ感覚だったとおもいますよ。
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