ムニちゃん
「やぁムニちゃん」
「
「こんにちは、俺の名前はラークって言います」
ムニダエルと呼ばれたその人はメガネを掛けた、実に品行方正な男性だった。
彼の腰には剣が添えられている。
もしかして、剣士なのかな。
「この人が剣の指導をして貰うムニちゃんで〜す」
「「えっ」」
突然連れられたと思ったら、そう言う意味だったのかよ!!
ほら、ムニちゃ――ムニダエルも困惑してるじゃないか。
「サーディ……無理矢理連れて来るのはどうかと思うぞ」
「いやいや、この子強くなりたいって言ってたから!!」
「……それはそうだな。宜しくお願いします」
「いやいや、俺はまだ良いとは――」
「――確か貴方、女の子に「実は俺は剣の師範代なんだ……良かったら話を聞こうか」ってナンパしてたよね?」
「ゴッファァァァ!!」
「ナンパしてたの?!」
前言撤回、品行崩壊してたわ。
お前、そのナリでナンパしてるのかよ!!
もしや、真面目ぶってるだけだな!!
「こんな駄目人間だけど、剣の腕は一流だから……」
「駄目人間とは何だ。俺は日々切磋琢磨してるんだぞ」
「モテるために頑張ってるんだよね」
「違っ……くはないが、言い方というものがな!!」
何となく人となりは分かった。
この人はあれだな、モテるためならなんでも頑張るタイプの人だな。
逆に信頼出来るかもしれん。
「それに……最近サフル先生が結婚したんだよね」
「けっ……?! マジ?」
「もし、貴方が本当に師範代になれば……」
「なるほど、なるほどな!!」
何の話か全く分からんが、凄く単純なのは分かった。
よし、何か強請る時はモテ話を引っ張り出すとしよう。
「と、言うわけでだから、お前の師匠となるムニダエルだ!! バシバシ鍛えてやるからな!!」
「よ、宜しくお願いします?」
ここから、俺とムニダエルとの奇妙な師弟関係が始まったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます