鶏串
「……なぁ、トム」
(どうした?)
「鶏串って旨いんだな」
一本100ゼノの鶏串、香ばしい匂いに釣られて買ってみたけど本当に旨いな……もう一本頼んじゃ駄目……だよな、宿代の方が無くなる。
「あ、ラーク〜この鶏串美味しいよ!!」
「シルクもこれ頼んでたのか……いや、確かに旨いもんな」
「そう言って貰えて嬉しいけど、立ち食いは辞めて下さいね。他のお客様の迷惑になりますので」
「あ、すみません」
立ち話してたら定員に怒られてしまった……。
俺達は場所を移動して、今後について話し合う事にしよう。
まずは宿がどこにあるのかと、宿代がいくらかだな。
「宿はもう見つけてるよ。一晩200ゼノだって」
「鶏串2本分か……」
「一旦鶏串から離れようか」
少なくとも毎日200ゼノは確保しておかないとって感じだが、依頼やってたら自然に貯まるし、そこまで問題にはならないな。
「この世界は元の世界より賃金良いし、お金貯まったら良いとこのご飯食べたいよね〜ハンバーグ食べたい」
「ハンバーグか……良いな」
そういえば、異世界来る直前は弟とハンバーグ弁当食べようとしてたんだっけ。
それなら、住処に着くや否や食べとけば良かった。
あれ、結構高かったんだぞ?
「何をやるにしても、資金調達が最優先だな」
「そうだね〜お金稼いだ後は……せっかく異世界来たんだから色んな所見て回りたい」
「分かる。きっと、他の場所も綺麗なんだろうな」
霊峰に世界樹、見える範囲でさえ凄そうな場所なのに他の地域は一体どんな場所なんだろうな。
楽しみで仕方ない。
「そろそろ日も落ちてきたから、宿屋行くか」
「そうだね」
明日はどんな依頼受けようかな。
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