武器屋
「……何ボーっとしてるのよ」
「ん? あぁ、すまない」
「これが報酬になります」
俺、疲れてるのかな。
いつの間にか、過去の思い出が頭の中を巡っていた。
あのクソ親父が何処に行ったかなんて今はどうでも良い事だし、大事なのは弟の方だってのに。
「お腹すいた〜」
「そうだな。飯だ飯……ついでに宿も探すか」
俺達は報酬を受け取り、夕焼けの街へと繰り出した。
一日というのは早いものだな。
この街に着いて、冒険者ギルド行って、依頼受けて、遺跡行って帰る。
これだけで、もう夕飯の時間だぞ?
「あ、そうだ。シルクは先に飯食べててくれ。後で合流するから」
「? 分かった」
よくよく考えたら、剣の刀身剥き出し街中歩くというのもな……武器屋あるって話だし、鞘も売ってるだろ。
(お、武器屋行くか? それなら……あそこだな)
俺は武器屋に訪れた。
見た感じ他の建物より年季があるな。
老舗って感じがする。
「お邪魔します」
「いらっしゃい」
中はその名の通り武器がズラリと並べられてある。
店員は筋骨隆々な爺さんだけだな。
年老いてるはずなのに、弱さを全く感じさせない程の筋肉量……引退した軍人か何かか?
「この剣に合う鞘を探してる」
「…………それをどこで見つけた」
「霊峰の麓にある遺跡だよ。清掃の任務やってたんだが、途中で遺物拾って良いらしかったから勝手に頂戴したんだ」
やっぱり、勇者って有名だったのか?
聞いた感じ故人っぽいが、まさかこんな爺さんにまで反応されるとはな。
相当名声があったに違いない。
「……いいだろう。そいつに合う鞘を作ってやる」
「費用は? 言っとくが今手持ちが寂しいから後払いが良いんだが……」
「
「……ん?」
タダ?
どういう事だ、費用が……タダだと?
この爺さん一体何を知ってるんだ?
「昔、そいつの持ち主に助けられたんだよ。だが、そいつは死んじまった。
「そ、そこまで言うなら……」
なんだ……ファントムもこの爺さんも、勇者に関する事を知った途端懐かしさと悲しみの表情をしやがる。
「爺さん、聞きたい事がある。勇者って、何だ?」
俺は自分が異世界からやってきた事を伝えた。
これまでの違和感、勿論ファントムの事はボヤかしたが、これまでの全てを伝えた。
「そうか……あの
勇者、お前は一体何なんだ?
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