龍神の契り

#### 第一章: 新たな生活の始まり

朧との戦いが終わり、蒼牙と美羽は新たな日常

へと戻っていた。蒼牙は人間の姿を取り戻し、

彼の龍としての力も、朧を倒したことで完全に

解き放たれていた。美羽と共に日々を過ごす中

で、二人の間には以前とは比べものにならない

ほどの強い絆が芽生えていた。

＊

ある朝、美羽は蒼牙と手を繋いで、故郷の村へ

と戻る道を歩いていた。穏やかな風が二人の頬

を撫で、遠くには青い空が広がっていた。

「美羽、この平穏な時間があるのは、君のおか

げだ。」

蒼牙はふと歩みを止めて、美羽を見つめた。

「私一人の力じゃない。蒼牙がいたからこそ、

私も頑張れたのよ。」

美羽は微笑みながら答え、彼の手をぎゅっと握

りしめた。

＊

二人は朧との戦いを乗り越え、お互いをより深

く理解し合うようになっていた。そして、これ

からは共に未来を歩んでいくことが二人の間で

自然と決まっていた。

「美羽、僕たちはすでに多くの困難を乗り越え

てきた。君と一緒なら、どんな未来でも乗り越

えられると信じている。だから…」

蒼牙は少し緊張した様子で、美羽の前に立ち止

まると、真剣な表情で彼女を見つめた。

「これからもずっと、僕のそばにいてほしい。

結婚して、僕と共に生きてくれないか？」

美羽はその言葉に驚き、しばらくの間、彼の顔

を見つめていた。蒼牙の瞳には真剣な想いが込

められており、彼女もまた、彼に対する気持ち

が溢れてきた。

「蒼牙…私もずっと一緒にいたいと思っていた

の。だから…もちろん、結婚しましょう。」

美羽の答えに、蒼牙の顔には大きな笑みが浮か

び、彼は彼女を優しく抱きしめた。二人は互い

の温もりを感じながら、これからの人生を共に

歩んでいくことを強く誓った。