第21話 転生したらゴブリンでした〜ユニークスキル『暴食』で私を虐めてたクラスメイトは全員私の糧となる!〜 12

 私のユニークスキル「暴食」。


 それは七つの大罪のひとつ。

 今は骸骨さんのおかげで、大人しくなっている。


 このスキルのおかげで私はまだ生きているし、このスキルのせいで私はまだ生きている。


 このスキルが無かったなら、もっと早く死ねただろう。

 このスキルが無かったなら、もっと長く生きれただろう。


 骸骨さん。

 私を心配そうな顔で見下ろしている。


 ごめんなさい。

 私のせいで身体がちょっとなくなっちゃった。


 ごちそうさまでした。

 右手、優しい味がしました。

 顔、意外に冷たくてヒヤッとしました。

 右足、刺激的でちょっと辛かったです。



 私の部屋で、たくさんお喋りしました。

 あんなにいっぱい、1日中喋ったのは久しぶりで、少しドキドキしました。

 と言っても、私は指差しでしたけど。

 上手くできてたかな?


 骸骨さんは嫌な顔せず、しっかりと私の目を見て話を聞いてくれました。


 嬉しかったぁ。

 あんなに真剣に、私の話を聞いてくれたのは、骸骨さんが初めてです。

 

「暴食」のせいで、もう思い出せない事もあったけど、骸骨さんと同じなら全然平気です。


 骸骨さんは何も言わなかったけど、私と同じように大罪スキルを持っているのかな?

 だから、そんな……。

 いえ、骸骨さんが何も言わないなら、私も何も言いません。


 最後に、骸骨さんのおかげで「暴食」の支配が緩んだ隙に、骸骨さんのおかげで思い出せた私の全てを伝えました。


 骸骨さんはずっと、ずっと、同じように、私の話を聞いてくれました。

 目を見て、心で聞いてくれました。


 時々冗談を言って笑わせてくれたのも助かりました。

 骸骨さんは「暴食」の気配がわかるのかな?

 いつも支配が強まりそうなタイミングで、私の心を優しく包んでくれます。


 私は、最後だけは、「暴食」に負けずに、私として死にたい。


 クラスメイトに、酷いことをしちゃったけど。

 大切な友達を、食べちゃったけど。


 そんな私を、あなたは……。


 私は、あなたが、……







《個体名:六車 夏鈴 死亡》

《ユニークスキル「暴食」の所持者が死亡した為、個体名:■■■■■■へ、ユニークスキル「暴食」が譲渡されます》

《…………Error》

《個体名:■■■■■■からの妨害を確認》

《…………Error》

《ユニークスキル「暴食」が消失しました》





《個体名:六車 夏鈴 蘇生》

《トロフィー:黄泉がえり 獲得》

《トロフィー:いま、あいにいきます 獲得》

《トロフィー:それは私のものだ 獲得》

《トロフィー:真実の愛 獲得》

《トロフィー:………………》

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