第9話 やせいの おさななじみが あらわれた!
フィーナ司祭に魔法を教えてもらおうとしたら幼馴染がカットインしてきた。なんなんだ一体。
「フィーナさん!私も良いですか?」
「さっき振りですねルミさん。私は構いませんけど〜、如何ですか?ルクスくん。」
「なんで俺に振るんです…?そりゃあかまいませんけど…ルミは急にどうしたんだよ?」
「ルクスくんにはおしえてあげない!」
えぇ〜…
何かしてしまったんだろうか?なにも思い当たる節がないので改善しようがない。
ぷんぷん怒るルミを見てうんうん悩んでいると知らぬうちに話は進んでいたようで、このまま村長宅をお借りして勉強会となった。
両親は既に司祭様に挨拶を終え帰っており、この部屋には司祭様と幼馴染、そして俺である。
「では軽くではありますが私の知っている魔法について教えますね。」
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…ということです。」
フィーナさんの話をかい摘むとこういう話だった。
・各属性の精霊に愛されることで魔法を取得できる。
・基本的に1種族の精霊からしか愛されない。
・精霊に愛されやすいものは2種扱えることがある。(エルフ族や魔法職)
・属性には相性がある。
・属性によって
・各属性の魔法は使い続けることで使える魔法が増えるのではなく、教えてもらう必要がある。
・魔法教育が盛んな国がある。(魔導国アルクマギア)
・光属性に関しては教会に所属する必要がある。(稀に光属性精霊に生まれつき愛されているものもいる)
そのほか色々喋ってもらえたが、歴史的観点が強いため割愛だ。
特筆するとすれば教会の話題でルミが興味津々だったのが印象的だっただろうか?
魔法師になるために魔導国に向かう人が多いらしい。アカデミーがあり、各属性で著名な魔法師が多く在籍しているという。ここでは闇魔法も嫌われているということはなく、闇魔法学、としてしっかりと教育が行われているそうだ。
ただ、その事実から聖国には若干睨まれているそうで、公に争っている訳ではないが、水面下での対立があるそうだ。
ちなみに余談だが聖国はサインツィアというらしい。
「もう日も暮れてきますし、お開きにしましょうか。」
「「フィーナ先生、教えていただきありがとうございました!」」
「先生と呼ばれるのはこそばゆいですね…私もお二人の力になれて嬉しいですよ」
優しくはにかむフィーナ先生
「お二人はどの属性に興味があるのですか?」
「俺はまだ決めかねてますね…」
「私もー…まだ分かんないかな、?」
チラチラこっちを伺いながら疑問系のルミ。
「一度決めたら適性がないと選んだ属性と一生の付き合いですからね、悩むことは良いことです。」
と、うんうん納得したように頷く先生。
「あ、最後に先生に聞きたいことがあるんですけど、2人だけで話したくって…」
「構いませんよ、それではルクスくん?ここからは女の子の世界ですので今日はこの辺で。」
唐突な女子会の開催を告げられ追い出されるかのように村長宅を出る。
なんの話だろう?俺には関係なさそうか。と軽い気持ちで今日聞いた話を忘れないように反芻しながら家路に着いた。
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side ルミ
幼馴染のルクスくんが将来は冒険者になるって聞いた。
魔物を相手にするのは危険だし怖い。
私じゃ絶対考えられない選択肢。
でもルクスくんならなっちゃうんだろうな。
昔ゴブリンの群れが襲ってきた時に、私たち村のみんなは戦う力がある人以外は家で隠れてることしかできなかった。
ルクスくんのパパさんやシュルクさん、若めの男の人たちは農具や武器を手に村を守るために頑張ってた。
私たちまだ小さいから守られてて当然なのに、ルクスくん、すごく悔しそうな顔してた。
守られるだけじゃだめだ、って。
誰かのためになりたい。って思うことが素敵だな、ってそのとき思ったの。
今の私じゃなにもできない。
魔物に立ち向かう勇気も。魔法も。頑張ろうとするルクスくんの隣に立つ資格もない。
あるとき下の階からルクスくんの声が聞こえた。魔法を知りたい、ってフィーナさんと話してた。
なんだかルクスくんが1人で遠くに行っちゃうような気がして、慌てて声をかけちゃった。
話を聞いて、戦うだけがルクスくんの力になるわけじゃない。って思えた。
教会で光魔法を学べる。
私はルクスくんの力になりたい。
「あのね?フィーナ先生。教会って誰でも入れるのかな…」
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