第2話 繋がりの嘘
その後俺はなんとか高校を卒業した。
進路も決まらないまま卒業した俺は、また適当な日々を送っていた。
周りの奴らが大学だったり、就職だったりで新しい出会いや環境に馴染んでるのを見て焦った俺は、親父が働いている会社のグループ会社で雇ってもらうことになった。
社会人1年目、初めての就職先は機械加工や金属加工をしている小規模な製造会社だった。
歳の近い人も居なく、周りの従業員は親と同じくらいの人ばかりだった。
最初はみんな親父の息子ということもあって良く接してくれていた。
働き始めて半年くらいが経った頃だった。
親父と同じ歳の人から冷たくあたられるようになった。
理由はよく分からないが俺の何かが気に食わなかったのだろう。
仕事も全部押し付けられ、まだやったこともないような仕事を全部与えられ
今日中にやっとけ。なんて言われることが当たり前だった。
今思うと俺にも原因があったのだろう。
ただ、その時の俺はまだまだガキだった。
目上の人に辛口を叩くことをかっこいいと思っていたのかもしれない、親父の息子って言うのをいいことに粋がっていたのかもしれない。
そいつに反発してその日から仕事に行かなくなった。
仕事に行っていない期間は親には仕事に行く振りをしてパチンコばかり行っていた。
仕事に行かなくなってから少し経って、社長から呼び出された。
仕事に来ない理由を聞かれた。
俺はあったことをそのままに話した。
ただ、俺が嘘をついていると言われ、結局俺が悪者になり俺が仕事を辞めることになった。
俺は会社をクビになったことよりも何一つ嘘をついていないのに嘘をついていると言われたことに苛立ちを感じた。
職場以外でもあいつは噓つきだ。なんて言いふらされた。
それから俺は仕事もせず、毎日パチンコ屋に朝から晩まで通った。
そんな堕落した生活を送っていたある日、俺はこじんまりとした居酒屋に行った。
そこで中学の頃に学校に行かず悪さばかりしていた時に世話になっていた先輩と再会した。そこで今の状況を聞かれ、ありのまま話した。
先輩は俺がお前の面倒をみてやると言ってくれた。
その再会が俺をさらに堕としていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます