第8話
正樹とは、僕の苗字と
「お前、
「へぇ、まさき、何?」
「
「ああ、名前の方なんだ」
「そゆこと。なんでお前の事は圭吾って名前呼びさせて貰うな。苗字呼びだと自分の事、名前呼びしてる女児みたいで、なんだかむず痒いからよ」
「
「そこは黒部じゃないのかよw」
「はは、まあ、お互い名前呼びじゃない方が、何だかむず痒いだろ?」
「なんじゃそりゃw。お前って、オモロいのなっ。まあ、これからよろしくな!」
「こちらこそ、よろしく」
高一の初日に、そんなやり取りをしたのを機に、正樹と
「なぁ、圭吾。お前、
「そうだねぇ〜。どう見てもイチャカップルにしか見えないのに、まだ付き合っていないとか言ってる方がおかしいよね?マイブラザー?」
「うるせぇよ。こっちにも色々あんだよ。色々と」
「そんな事、言って何時までも現状維持ってのも、アレだろ?」
「おやおや?もしかして、告白したら断られるとか思っているのかい?ブラザー!誰がどう見たって、
「やかましいわ!分かってんだよ、そんな事は」
「なら、ちゃんとした方がいいんじゃねぇ?金谷の事、狙ってる奴とか別クラスに何人かいるぞ?」
「まあ、その辺は問題ないんだ」
「おや?おやおやおやおや?まさかブラザーは
「んなわけあるかっ!」
全く、
僕だって、大っぴらに公言出来るものなら、大声で叫びたいよ!
美弥は僕の彼女だ!って。
それでも、何処からその情報が両親に届くか分からないんだ。
慎重に慎重を重ねたくもなる。
そういう意味では美弥に精神的負担を掛けてしまっているけれど、今は仕方が無いのだと、無理やり思いを胸にしまい込む。
はぁ〜と深くため息を吐く。
「なんだいなんだい、マイブラザー!仕方ないねぇ~。この俺が橋渡しを…」
「いや、そう言うのいいから」
「本当に大丈夫か?圭吾」
「まあ、色々と手は打つさ」
「おお!それでこそマイブラザー!我がクラスの
「フィクサーじゃねえ!」
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