第9話


「ごめん、圭ちゃん!真礼まあやに私達が家族になったのバレちゃった」


「うぇ、そ、そうかぁ~」



 まあ、いずれは、何処どこかしらから知られるだろうとは思っていたけど、思っていたより早かったなぁ〜。



「でもでも、私達が恋人になってるのはバレてないはずだから」


「あ~、うん。……ちなみにバレたのって、真礼まあやにだけ?」



 あれから中間試験前に、何時いつもの面子メンツで勉強会的なものをしたりして、中間試験を乗り越え、その結果に悲喜交交ひきこもごもしたりした季節を越え、梅雨つゆ明けを目の前にした6月後半。


 唐突とうとつに美弥からの告白を受けた。



「一応は。ただ、真礼が若干、にごしてたから多分…美樹と和紗には話いってるかも」


「ああ、まあ、そうなるだろうな。でも何処からバレたんだ?ママ友ラインとかか?それとも、保護者会経由とか?」



「それが、この間、家族で外食行ったじゃん?」


「ああ、親と待ち合わせて行った、お高めのレストランの?」



「そう。それで、なんか同じお店に居たらしいんだよね。真礼ファミリー」


「嘘だろ?どんな偶然だよ。…でも、店入る時、店内チラ見したけど、真礼なんか見なかったぞ?だいたい気付いてたんなら、何故なぜ声をかけてこなかったんだ?あいつの性格なら空気読まずに声ぐらいかけるだろ?」



「あ~、そうか、圭ちゃんは知らないんだっけ。真礼は、親の前とその関係者の前では、何重なんじゅうにもにゃんこ被るよ?」


「は?どういう事?」



「真礼は、永嶋製薬のご令嬢なのです」


「……は?いや、ただのギャルだろ?」



「はい。ですが、あれは真礼の仮の姿、真の姿は…ん?いや、何時いつものが真実ほんらいの姿なのかなぁ?ねぇ、どう思う圭ちゃん?」


「いや、僕に聞くなよ、知らんがな。いったいなんの話だよ?話の要点が、良くわかんないんだけど」



「ええと、真礼は、永嶋家のご令嬢なんだけど、親の前だと、めっちゃご令嬢で、それで学校ではそのストレスを払拭する為に、ギャルやってんの」


「意味がわからん。なにそれ?それって学校側から真礼の親にその情報流れたりせんの?」



「んー、何か、あんまり関心示されないらしいよ?素行と成績さえ問題なければ、干渉されないてきな事いってたなぁ〜」


「…ギャルは素行に問題ないのか?まあ、それで?親にあまり干渉も、関心もしめされない真礼は、たまたま、その日のその場所に、これまた偶然に僕と同じ時間帯に、その親と食事をしに居合わせたって?」



「うん。まあ、ぶっちゃけるとそうとしか言いようがないんだけどね。あ、ちなみに真礼達は個室で食事会だったんだって。そこに向かう最中に私達を見かけたらしいよ?何か医療関係者との会合という名の汚職じ会お食事会だったらしい」


「……なんだろう、物凄くひねくれて、こじれまくった印象を受けるお食事会だな。大体、何でそんな食事会に真礼まあやが参加してんだ?そういうのは普通つうじょう、大人だけでするもんだろ?」



「え?あ〜、何か、相手方とお見合ぃ~…ハッ!そう言えば、これ内緒ヒミツだった!ま、まあ、そんな事はどうでもいいんだよっ!」


「いや、いいのかよ!?どう考えても将来、美弥おまえの友達が、路頭に迷う未来さきしか見えてこないんだが!?」



「でも、圭ちゃんの友達でもあるでしょ?」


「まあ、そうな」



「なら、なんとでもなるでしょ?」


「え?僕が、この件に首突っ込むの?」



「え?圭ちゃんなら、友達の事をほおって置いたりしないよね?」


「マジですか。美弥の僕への過大評価期待が重い」



「私の圭ちゃんへの愛と一緒だね☆」


「これが、プレッシャーというものか!?」



「話、進まないぃ〜」


「いや、話ったの美弥じゃん。まあ、バレたこと経緯けいいは分かったけど。ん〜、これは、ひょっしたらひょっとするかもなぁ~」



「何が?」


「このピンチをチャンスにつなげられるかもって事」



「ほ、ほほう?なるほど?」



 無理に分かってる風な態度をとる美弥は、今日も可愛かったマル


 …いや、まる、じゃねぇよ!



「真礼達には、僕達は家族になったから、恋人同士になる関係を躊躇ためらってる的な事情に話をシフトさせられれば、僕達の事にいちいち深入りして、関係にさぐり入れられたり、手も顔も頭も突っ込んで来ないだろ?」


「ああっ!なるほどっ!流石は、クラスの参謀フィクサー、圭吾様っ!!」



「だからっ!フィクサー言うなって、このネタいつまで使う気だよ。あと、圭吾様とか言うなし、襲っちゃうぞ?」


「ええ?圭ちゃんってば、圭吾様ぁ~。とか言われて詰め寄られたいタイプなの~?」



美弥と場合による」


「もう、圭ちゃんのエッチ」



 マジで、ほんのり染めたほほと、そのうるんだでの上目遣い、めて?


 本気で自制、効かなくなっちゃいたくなるから。






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