第8話 特訓

そして、地獄の訓練が始まった。

イリスの闇魔法『ファントムエリア』という仮想空間に送られ僕は自分と同じかそれ以上の敵をまずは剣技だけで倒す。そして剣技の次は魔法だけで倒すと言う今までに無いキツイ特訓が始まった。


「ほら、ミナトよ。がんばれw」


イリスは笑いながら応援する。


「ミナト、攻撃を避けてるばかりじゃ倒せんぞw」


「わかってるよ!」


僕はこんな訓練を毎晩行っている。そのため、


「お、おい」

「お前やけに疲れてないか?」

「大丈夫か?」


たまに海斗にそう言われる。


イリスはこの言葉を聞くたびに僕に隠れてクスクス笑っている。


腹立つ。


そしてついに僕はミスを犯した。

イリスとの訓練が始まって1ヶ月が過ぎた頃、


「よし、今日は20階層だ」

「気合い入れて行くぞ」

「「おぉー」」


今日は皆とダンジョンに潜って20階層に行くことになっている。

初めは中型の蜘蛛が大量に出てきて全部倒すときりが無く、ボスの部屋に向かいながら倒していかないと行けない。


戦闘が始まる。


皆が自分の得意とする魔法、剣術をを使って戦う。僕はいつものように後ろで取り逃がした敵を倒すために先生と待っている。


「大丈夫ですか?」

先生が僕を心配している。


「大丈夫です。少し疲れているだけですから」


僕はは必死でごまかす


「そうですか、あまり無理しないでください」


そう言われた時、


前から3匹ほど敵がやってきた。僕は思わず、片手を前に出し栞の付いている雷の範囲魔法『紫電万雷』を使った。すると、周りの蜘蛛はほとんど全滅した。


「ミ、ミナトよ」


イリスにそう言われるまで僕は気づかなかった。


「え?」


顔を上げるとみんなが後ろを向いている。


やってしまった。


僕はごまかすために、


「せ、先生さすがです!!」


と大きな声でいった。

皆は僕を跳ねのけ先生のところへ行く。


「「先生すごい!」」

「「いつの間にそんな魔法を!」」

「「さすがですね!」」


と皆は先生を褒めた。


先生は『?』を浮かべていたが、皆に圧倒されて何も言えなかった。


そして、無事20階層のボスを倒した。


しかし、その日の夜


「あれはだめだな」

イリスが言った。僕はその言葉を理解した。そう、今日みたいな戦闘をしていては1日1、2階層しか進めない。そして僕が負けかけた50階層までいけば確実に全滅するだろう。


「結構いい線いってる人もいるんだがな」


イリスが珍しく褒めた。


「それは誰なんだ?」

「一番前のパーティの奴らだ」

「彼らだけならば多分50階層まではじき行けるだろう」


一番前のパーティ、それは赤羽くん達だ。


「そうか」


僕はそこまで良い反応はしなかった。

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