第4話 スキル

チームも組み終わり自由時間に入った。

僕は少し気になることがあるためレオン教官に本のあるところを聞き城の中にある大図書館に行くことにした。


「どこか行くのか?」


そう言われ振り向くと、そこにいたのは海斗だった。


「うん、本のあるところにね」


「そうなのか」


「海斗はいいのか俺なんかといて」

「さっき赤羽くんたちと何処かに行くって言ってなかったか?」


「あー、いいよ」

「あっちは静香と諏訪さんがしるから」


海斗は興味なさそうに返事をする。


「ほんとかよ」


僕がそう言いそのあと少し沈黙が続く


「さっきは悪かったな」


海斗が謝る。


「別に海斗が悪いわけじゃ無いじゃん」


「そうなんだけど」


「湊に悪い気がしてさ」


「別に良いって」


「多分、僕がいると諏訪さんと組めないから外したかったんだとおもうし」


「やっぱ、そうだよな」


そう、赤羽くんは諏訪さんが好きなのである。初めは三谷さんと諏訪さんの両方が気になっていたらしいが三谷さんが海斗と付き合っているのがわかった途端、諏訪にたいしてのアタックがすごいのだ。彼女もとてもモテるため、僕はお似合いだと思うが彼女にはその気がないらしい。


「まじ、ひでーな」


「そうだな」


そんな会話をしていると


「着いた」

「ここらしい」


レオン教官の説明の通りに来たがあっているのか?

ここの扉はやけにデカいぞ。


扉を開けようとした瞬間、扉が開き中から人が出てきた。


「あら?どちらさま?」


「僕たち少し本を読みたくて...」


そう答える。


「あ!もしかして異世界から来たって言う子達?」


「そうです」


「なるほど」

「いいよ、入って」


素直に入らせてくれる。


「ありがとうございます」


お礼を言うと、


「ちょっと私用事があるからここを離れるの」

「今図書館には君たちしかいないけどいい?」


「はい、大丈夫です。」


とても優しい人だ。


「それと、ここには国の本が沢山あるからルールがあるの」

「図書館のルールだけど『本を傷つけてはいけない』、『汚してはいけない』、『許可なく勝手に持ち出してはいけない』あとは奥にある扉には入ってはダメね」


「もし破ったら私何するかわからないから」


そう彼女は言う。


「は、はい」


「わかりました」


僕らは素直に返事をした。

そして僕らは中に入る。


「す、すごいな」


海斗が圧倒される。


中に入るとそこは見たこともない広い空間に僕よりも大きな本棚がズラッと並んでいるここまでの図書館は元の世界には無いだろう。


僕は当初の目的を達成するためにさっさと準備に取り掛かる。


棚から本を取り、読書スペースに本を置く。


「なぁ、何をするんだ?」


「さっき僕のステータス見たろ?」


「うん」

「まさかスキルを使うのか?」


「そう」


「初めてだから海斗は少し離れてみてて」


そう言い僕は本を前にして


「読破!」


そう言った。すると前が暗くなり文字が出てくる。


『全ての本をよみますか』

「はい」


すると、

2,3秒して僕の足元が光る。


棚にしまってある本がすべて棚からでた。


全ての本が同時に開きページがめくられる。すごい速さで。


そして全ての本のページがめくられたあと何事もなかったかのように本棚に戻った。


僕はここで鼻血を出して気絶をしてしまい、医務室に運ばれた。

海斗は事情を聞かれたが、僕が勝手に転んで気絶したことにしておいてくれたらしい。

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