仲間をすぐ切り替えする俺だが、切り替えられても俺に懐いてくれるモンスター達が可愛いので、仲間が沢山出来ました。
ノマテラ鉢巻き石火ハッサム
第1話 え?仲間になりたい?…いや、君達はいいよ。僕には、仲間がいるからね。
仲間とは、冒険をするに置いて掛け替えのない存在であり、身を任せ敵を倒し合うような存在である。
そんな仲間を決める時は、とても慎重に選ばなければならない。なので、俺は強い仲間を選びます。
どうも、俺の名前はクリム・ロージ。
どこにでも居るただのテイマー。
得意なことは、【モンスター・フレンズアイ】。モンスターを鎮め仲間にする固有スキルなのさ。
そう、俺のスキルはみんなが一度は考えたことがある、モンスターを従える事が出来るスキルなのだ。
どんなに強いモンスターでも仲間に出来る、それがスライムでもアンデットでもドラゴンでも。
そんな最高の能力が詰まったスキルだが、一つだけ問題が…
「ねぇ…二人共そろそろ離してくれない?」
いや~増やし過ぎた。
今現在、キング・キャンディーウールのキンウーとカブキドラのカブの、フサモフコンビニに抱き着かれている状態である。
そうその問題というのは、仲間にしたモンスター達が全員懐き過ぎてかわいいのだ。
そして懐き過ぎているが故に、こういう時に時間がかかってしまうのだ。
他のモンスター達も同様、パーティーの入れ替えの時に離れしまうのが嫌なので、こうやって駄々をこねる。
別に見捨てたりしないのに…
何だかんだ言ってキンウーもカブもクエストレベルだけで見ると、6以上だからな。
力も強いし体力も高く自分よりもレベルが圧倒的に上なので、離してもらえるようにするまで骨が折れる。
ま、そんなとこが可愛いからいいのだが。
最初は強いモンスターを味方にして、無双しようとそんなこと考えてたけど、勿論仲間になったモンスターは、人間同じように心を持ち一緒に戦ってくれる存在だから、そんな扱いは出来ないよね。
なんやかんやあって、無事二人を離すことができたので、仲間を呼ぶ。
ピュゥイ!
指笛を鳴らすと何処からともなく、モンスターご現れた。
「ラワー、ツイスケ、スペマ、行くよ。」
仲間も揃ったのでこれから冒険者ギルドに出陣するのであった。
―――冒険者ギルド―――
「えーっと、とりあえず落ち着いてみんな。」
ギルドについてから早々、みんなはとある冒険者達を睨みつけていた。
同様にその冒険者達も、俺の仲間を睨みつけていた。
「フラワーイーターめ、また私の目の間に現れたな。今日という今日は、決着を付けるべきだ!」
モシャァァァァァ!!!
「ラワー、触手しまって。」
「アンデットがこのような場所にいてはいけません。やはり神の力で浄化すべきかと、」
カタカタカタカタカタカタ!!!
「レイヤ、杖をしまいなさい。」
「機械型のモンスターがよ、人間様の技術で作られた物が人間を襲うモンスターになっている。いっちょここでぶち壊してやろうか!」
ミョーンミョーンピポピピピーン!!!
わーお、スペマめっちゃ怒ってんじゃん。
いつも少し怒る時はミョーンしかならないのに、ピーンてなってるよ。
「本当にすまない。うちのメンバーがいつも。」
この純白の鎧を身にまとった、赤髪の女性はこの宣戦布告をしている、チーム・五の力の冒険者達のリーダーのリンベタル・マイ。
役職はパラディン。
剣士職だが、彼女のスキル【武器を極め過ぎた者】という固有スキルのお陰で、大剣や短剣・ロングソード・刀・ダガー・ランス等の、剣系統の武器は勿論。
スピアーやクロウ、薙刀・鎖鎌・アクス等といった、武器も然り。
アローや、ナイフ・ライフル・クロスボウといった、遠距離武器等も扱える。
剣で戦ってくると思ったら、槍で攻撃してきたり、アローで遠くから牽制したりと、その場の状況により戦い方を変えてることができる。
明るくお人好しな性格で、意志が強く努力家。
ただここ最近は、『目標が出来た!すごく大きな目標がね!』と俺に言ってからずっと、俺の家に遊びに来たり、自分のお気に入りの場所に俺連れてったりと、目標を忘れてるんじゃないのか?と思う程、努力家の面が見られていない。
どうしちゃったんだろうな…
マイとは幼馴染で、子供の頃はいつも遊んでいた。
マイは俺の仲間達と何匹か面識があり、仲が良いモンスターもいる。
役職パラディンなのにそれ大丈夫か?と思うが、別にパラディンだからといって、モンスターと仲良くしちゃいけないとは無いから、別に問題は無いと思う。
「いいよ、マイ。俺もモンスター達がいないと何も出来なくってさー、こうやって連れてきちゃってる訳だし。」
一応言っておくが、俺の仲間達は何があっても一般人を傷付けたりしないようにしている。
どうやってかって?一般人を襲ったら金輪際縁を切ると脅しているからだ。
まぁその脅しをした後、仲間達全員が泣きながら抱きつかれたけど。
そういえば、スペマとマイは初対面の筈なのにマイに全く敵意を向けていないな。
マイはモンスターに好かれる体質なのかな?
「まじでさークリムさー、俺達のパーティに入らないか?そいつら置いてって。」
「ガーヴァン、僕の役職はテイマーだからモンスター達を置いてったら、僕はお荷物となるだけだよ。」
今僕を誘っている、ガタイの良い男はガーヴァン・ノエール
役職はタンク職だが、巨大なハンマーを素早く振り回し、攻撃をするうえ全体攻撃かつ3回攻撃を繰り出す、攻撃力も防御力も兼ね備える有能タンク。
大胆かつ豪快な性格で、少しズボラな面もある。
ちなみに、スペマにクソキレられているやつだ。
何故かオートマトンが、嫌いでこの前に寺院の探索時に、オートマトンがいて『なんで寺院に機械があんだよ、教えはどうなってんだ教えは!』と、意味のわからないキレ方をしてたらしい。
「あなたを含めて、五の力というパーティ名にしたのですよ。いつでも良いので…今からでもいいのでメンバー入りしませんか?」
「いやいや、入るとか一言も言ってないが?」
黒を基調とした衣で見を纏った、光が反射する程の金色の長髪の女性はレイヤ・マラパスク
役職クレリック。
回復・攻撃・耐久性のバランスが取れた性能をしていて、神力と魔力を強化する杖を使い、アンデットや魔法耐性のない相手にはめっぽう強い。
要領が良く気長で冷静…かと思いきや、裏の面は嫉妬深く独占欲が強い。
そのためかわからないが、俺をチームにしようとする独占欲からか、他のパーティからのお誘いを受けた時に、そのパーティを鞭を片手に一人で潰したとか何だとか。
「なんでクリムは、フラワーイーター何かを連れて来るわけ!?スケルトンとオートマトンだけで良いじゃん!!」
「ラワーは今回のクエストにおいて、必須なんだ。後、ラワーの触手や花粉は人以外にもモンスターにも効くからね。」
銀色の短めの髪に、犬の様な立ち耳が特徴的なこの女の子はクレリー・タングス
役職は元々はシーフで、今はアサシン。
彼女はシルバービーストであり、人間種と亜人種のハーフ。
そのためか固有スキルが【ビーストスタイル】とおって、鳥をイメージすれば羽が生え、サイをイメージすれば角が生える。
カメレオンをイメージすれば透明になることができ、アサシンのステルス能力で音も影も姿もない、完全な刺客となる事が出来る。
人懐っこい性格だがツンデレ、最初は優しく接してくれてたのに急にツンツンしだして、最初は驚いた。
けど、相手の気持ちを理解する共感性がとても優れていて、相手が悲しんでいたら自分も悲しんでくれる、心優しい子だ。
「まぁまぁ、今はパーティの加入は諦めよう。どちらにせよ今回は、お互いの力を頼る仲間なんだから。」
マイがそう言うと、渋々俺の勧誘を諦めた。
「ありがとうマイ。」
「うん。大丈夫だよ…」
ん?少しマイの様子が変になった気がする。まぁ良いか
「とりあえず今回のクエストは、カルヴァンの森の奥地にある植物系モンスターの討伐だ。
ボスモンスターもいるかもしれないし、奥地にいる植物系モンスターの殆どは毒持ちだ。
毒耐性のある装備と解毒薬や、状態異常無効のアクセサリー等を用意しているか。」
「嗚呼、滞りなく。」
「よし。では、カルヴァンの森のクエストへ出発だ!」
これは一人のテイマーと、その仲間のモンスター達の、悠々自適の冒険者生活の物語である。
仲間をすぐ切り替えする俺だが、切り替えられても俺に懐いてくれるモンスター達が可愛いので、仲間が沢山出来ました。 ノマテラ鉢巻き石火ハッサム @Oduranod
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