閑話 うんちく その1

 うんちく その1


 サーベルタイガー    脅威度 中

 一言で評するなら毛の一切無い虎。獰猛な肉食魔獣。

 主に森、および山岳地帯などの標高の高いところに生息する。

 虎の近縁種にあたるが、虎よりも一回りも二回りも大きい。完全に魔属性地域出身の種である。


 脅威度は中となっているが限りなく大に近い中と言えよう。

 非常に強力な魔獣ではあるが、凄腕の冒険者であれば一人でも駆逐せしめることが可能なことから、中と認定されている。


 主な攻撃手段は噛みつきと引っ掻き攻撃。但し侮るなかれ。

 熊をも越える巨体から繰り出される打ち下ろし薙ぎ払いの一撃は、当然ながら熊のそれを遙かに凌駕する。

 並の防具であればそれごと、頑丈な物であっても防具はひしゃげる程度で済んだが体のほうが耐えられなかったなんてことも。

 多くの冒険者及び旅人たちを屠ってきた、まさに殺し屋の呼び声に相応しい強力な魔獣である。


 反面、その特徴である下向きに伸びた大きな二本の牙は希少性、実用性ともに価値が高く、それを元にして錬成されるナイフはネコのツメと呼ばれ、武器としては非常に高価な値段で取引されることから、サーベルタイガーを専門に狩る冒険者パーティーがいたほどである。


 現在ではその危険性、凶暴性、また牙目的の乱獲に遭い、徹底的に駆逐されたことから絶滅危惧種に指定されている。

 一九七〇年以降、野生のサーベルタイガーはユグドラシル高原森林公園以外では確認されていない。

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