八章:私の居場所はどこに?
「ねぇ〜。もう諦めな〜い?」
「誰が諦めるものですか...!」
同時刻、研究所のあちらこちらを破壊し尽くし、警報という警報を鳴らしたイニティカは囲まれていた。
「店長が言ってたんです。『押してダメなら押してみろ』と」
「脳筋すぎるし絶対今使う言葉じゃないでしょ」
そう言いつつも女は包囲網を縮める。
「私『ペノム』って言うんだけど、キミを留めておけって言われてるんだよね〜。今カプセルに戻ってくれるなら、イタいことはしないよ」
「絶対イヤです。魔素を吸い上げられる気持ち悪さ分かりません?」
「チョー分かる〜」
包囲網が縮まると見えた矢先、大地が割れた。
「それ以上近づいたら攻撃します。道を開けて下さい」
「おぉ〜怖い怖い。でもそろそろキツいんじゃない?」
「何の話--ッ!?」
足を動かそうとした時、足の感覚は既に消え失せていた。
「なに...これ...!動かない...!」
「私は空気を麻痺毒に『変容』させるのが得意なんだ〜。ほら」
周りを見ると、包囲を作っていた者達も倒れていた。初めから「駒」だったという訳か。
「さあ、元に戻りましょうか〜」
「わたしは...!帰るんだ...!」
ーーーーー「いったいどこに帰るっていうんだい?」
「ーーーぁ」
それは遠い記憶。とうに忘れていたと思っていたのに。
「おばあ様...」
「...誰に向かって言ってるの?」
「還りたくなったときはお唱えなさい。ーーー『
「......................『
瞬間、光がありとあらゆるモノを染め、
「ははッ、ナニコレ」
巨大な龍が大気を震わせる咆哮を放った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます