九章:「魔法」を君に!
「そんなにボーッとしてていいのかぁ!?」
賊達がマキナ目掛けて殺到。白光りする凶刃はマキナを刻むと思われたが、
「F‐17ー
マキナの瞳がギアを刻み、突き出した掌から数多もの尖った石片が渦を描く。
「がァ!?」
「ぐッ!?」
必殺には至らないと見えた、それは、
「なん...だこれ!!」
付いた傷口の先から、炎が燃え盛りあっと言う間に焦がしてしまった。
十もいた賊は、一人を残して倒れ伏している。
「灼くのは表面だけに留めてやる。良かったな、ハゲが確定だ」
「おおお前...『魔法は使えない』のではなかったのか!?」
「おっなんだお前。アタシのこと知ってンのか。
ということはお前は『セプテン』で確定だな」
震えていた男が立ち上がった。立ち振る舞いから見て、少しは鍛えているようだ。
男が刃を振り上げた瞬間、ガラ空きの胴から銃身が飛び出し、火を噴いた。
「ハッハー!!油断したな!これこそ我が『セプテン流』奥義-吃驚玉手銃!粋がるなよゴミ共め!」
「ご高説ありがとう、クズ」
マキナは何事も無かったように一歩踏み込んだ。
「G‐12一
唱えたマキナの腕には幾重もの樹氷が、あたかも盾のように顕現している。
「
途端、氷の盾は解氷し、内側の枝が成長。澄んだ刃となった。
「クソッ!南の猿共が...よくのうのうと嘘を吐けるものだな!」
「猿は猿でも話は聞けよ。アタシは『魔素を感じない』としか言ってないぜ?」
「...は?」
事実、彼女は「魔素を感じられない」故に普段、魔法を使えない。ただし、彼女自身が開発したアヴィスの「魔合モジュール」を使うことにより、一時的「魔導書」を行使することができる。
「さよならだ」
マキナが迫り、セプテンと鍔迫り合い、殺陣を演じる。
剣の切っ先がセプテンの喉へ届くかと思われた時、
「う、おおおお!!
セプテンの吐息が火焔へと変化し、枝を焼いた。しかしマキナは怯むことなく、瞳のギアを更に一段上げる。
「燃えるのはお前だ」
勢いのまま枝を振り上げると、溶けていた水が男へとせり上った。否、それは油へと「変容」しており男ごと通りを燃やした。
「在庫本の処理しねえとな…」
燃え上がる篝火を見て、マキナはポツリと呟いた。
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