八章:シークレットは怒りを元に!
「アヴィス、最大範囲でイニティカを探してくれ!
アタシは届かないとこを探してみる!」
「了」
イニティカが消えた。まさかあの攻撃で死んでしまったとは思えない。あの変態共が保護しているかもしれない。だが、もしも死んでしまったのなら。生きているのなら。
その思いがマキナを急かす。
入り組んだ路地裏の先でマキナは見つけた。痣や傷を作り息も絶え絶えの子供達、その子供を縛り上げる男達、そして、自動車を持ち上げているイニティカを。
「その子らを解放しろ...!」
「ひいぃ...!!?」
イニティカは大きな帽子を放っており、禍々しい角を現していた。それは、物語にある龍のような...
「...イニティカ?」
「マキナさん!?」
こちらを向いたイニティカの瞳には始め、嬉しさが表れていたが、
「...!!??」
自分の「角」が出ていると理解すると、怯えと恐怖が張り付いた瞳を見せ、先程まで場を支配していた鬼気は霧散していた。
「すみません違うんです違うんです.....」
「落ち着けイニティカ。『それ』は...」
アタシがそう言った瞬間、イニティカはより一層怯えた目をこちらに向け、男がイニティカを殴った。
「ッ!?」
「ハッ、話にうつつ抜かす方が悪いんだよな〜」
「こんな禍々しい角...!悪魔の生まれ変わりか!
ここで成敗してやるぜ!」
そう言うと男らはイニティカを蹴り殴りし、イニティカの顔や肌に痣ができてゆく。
その様子を見て、ただ、呆然としていて、動けなかったアタシは、
カチンときた。
イニティカを寄ってたかって虐める男ら、子供が誘拐されそうだった
「おい」
「あぁ?ーーブッ」
気づいたら、殴っていた。一人を思いっきり殴った。殴るだけでは足りない。
「コイツやんのか!?」
「許可は出てんだ!殺しちまえ!」
そう言う彼らを睨む。胸には「鷲」の紋章が綴られている。そんなことはどうでもいい。
「アヴィス。周りにあの『アホ共』いる?」
「いえ、現在地からして、居る確率はほぼゼロでしょう」
憂いは消えた。胸元の「籠」を掴む。
「アホ共ーってのは俺らのことかぁ!?俺らはインヴィディア王国のーー」
「もういい。黙れ屑野郎。
アヴィス、『魔合モジュール』起動」
「籠」が輝く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます