六章:頭痛い現状を打開に!

「と、思ったんだけどなあ!」

マキナが忙しなく携帯に向けた手を動かす。

ここはパン屋『モリス』店内。イニティカはパンをもきゅもきゅ食ってる。

「もぐっ...アレどういうことなんですか!?はむっ...完全に殺す気でしたよね!?」

「ああ、そうだな。ちょっとこれ見てくれ」

イニティカの携帯の画面には、懸賞金とともに人物が描かれているようだった。丁寧に名前まで。

「私達じゃないですかぁ!?」

「深層ウェブのサイトだ。アタシは国が回したと思ってる。でも、金掛けてんのが匿名じゃないんだよ」

「誰なんです?」

「アタシも知らねえ。『セプテン』だとよ。ただあの変態共がこんなこと見逃すとも思えねえ」

「つまり....?」

「アタシ達を餌に賊徒を炙り出そうとしてんだろう」

イニティカが放心して崩れ落ちた。

「まあ逆に考えよう、国軍はたぶん見てくれてる。

殺されそうになったら助けてくれるさ」

「その後にボコボコにされるんですね分かります!」

地団駄を踏むイニティカ。良く考えれば、八方塞がりである。インテリ脳筋とは恐れ入った。

しかし意外にも、イニティカは瞳に光を瞬かせ、宣言した。

「私決めましたから!絶対に就職してやるって!

そのためなら国賊の一人や二人、ぶっ飛ばしてやります!」

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