五章:素晴らしい事実を君に!
「ーーー『60年程前、我々人類は『魔素』と呼ばれるエネルギーを発見した。それは文明を大きく発展させ、もはや魔素無しでは生きられない社会となるほど普及した。しかし、それは相対的に『電気』を激しく廃らせ、取って代わられるような現状となった。』ここまでは聞いたことあるかな?」
イニティカが椅子に座りながらコクコクと頷く。
「かくいう我が国、アウステラ公国も魔素によって二十年前に興された国だ。だがな...」
マキナは黒板に逆接の矢印を書いた。
「ウチにあるモンは全部、電気製だ」
「え!?」
イニティカが驚くのも無理はない。もはや、『電気製』を見た事が無い者は多い。
「何故ですか…?」
「幾つか理由があるんだが...一つはアタシが魔素を感じられない体質だからだな。ココにちょうど良いだろ?」
イニティカは更に少し驚き、
「そうですね!適任だと思います!」
と肯定的に受け取ってくれた。あのクソボケ大臣とは違うね!
「そして『書庫』の管理をしてるのが、自称完璧AIこと〈アヴィス〉」
「訂正して下さい。『自他共に認めるスーパーAI』と」
「AIなんて初めて見ました...!」
イニティカの表情はコロコロ変わるなあ...
「で、この『書庫』って実は国立の研究施設でもあるんだよね」
「へえ〜....えっ」
その表情が今、固まった。
「で、君は今、国のイカれた奴らからの採用試験を受けることが決まっちゃったんだよね!」
「ええええええええええ!?」
茶化しているように見えるが、内心冷や汗ダラダラである。
私の国へのイメージは「闘争大好きな変態」だ。
考えなんて分かりたくもない。さらに言えば、今もどこからか覗かれている可能性がある。
あいつらからの「お使い」なんて無事に済むはずがない。ならばせめてもの反抗をしてやろうと思い今、講義をしているのであった。
(アタシの処分はどうなることやら.....)
「逃げようとしてもあのアホ共はどこまでも追ってくるぞ。生きたかったら講義を聞け!」
「はいぃ...」
「アタシの考えはこうだ。国軍の部隊が直接じゃないけど攻撃してくる。とはいえ警棒とかゴム弾とかで、だ。ボコボコにされたら試験は終わり、帰ることが出来たら試験はクリアになる....」
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