四章:素敵な講義を君に!
リンゴーン...
「へいイニティカ君!ヒストリーの講義を始めるよ!レディーはオッケー?」
着替えたマキナがウキウキで入室する。
先程とは打って変わっておちゃらけた雰囲気にイニティカはコケそうになった。ここはネモフィラ書庫、出発前である。
「へ?講義?」
「イエス!分からないかもしれないが、研究者やってると説明したい欲が溢れてくるんだよ!ということで...」
マキナはイニティカに一冊の本をひょいと投げた。
表紙には「ネモフィラ書庫完全解剖!丸分かりブック!」と書かれており、四角い謎の施設とおそらく女性でありそうな絵が併せて描かれている。
「...なんですかこれ?」
「見ての通り私自作の本だ!表紙の書庫と私の絵には時間かけたんだよな...上手かろう?」
「すごい美的センスだと思います」
「良かった...!ゆくゆくは宣伝本として出版しようと思ってたんだ!」
もしや私は取り返しのつかないことをしたのでは、とイニティカは思った。
「ともかく講義だ!ページ2を開け!」
店長がウキウキしてるからまあいっか、とイニティカは思った。
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