第14話 緑の再登場

 出来事だけ並べれば、直子に手紙を書き、講義が始まり、緑が来て、ヘルメットの二人組がきて、緑とランチを食べに行く6ページだ。


 出だしの直子への手紙を書いているところだけ空気感が違う。ものまね大会のおかげで、何度か作品冒頭も読み直していたが、冒頭では「恋をしていて」とあるから、直子に恋をしながら手紙を書いている、ということでよいだろう。恋とは相手を知りたいという願望であり、手紙の内容まんまである。


 ヘルメットの二人組に対して、「内容に特に異論はなかったが、文章に説得力がなかった。信頼性もなければ、人の心を借り立てる力もなかった」「この連中の真の敵は、国家権力ではなく、想像力の欠如だろうと僕は思った」とあるが、殺意の高い読書感想文に使えそうだと思った。


 緑のセリフ、雨にうたれた猿のように疲れているの、も汎用性が高そうだ。

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