読書感想文2『ノルウェイの森』

第11話 直子の手紙

　多少温かい人間関係が感じられるようになったのかと思いきや、二人は離れてしまった。このシーンに共感できるかどうかは、他の人にも訊いてみたい気もする。

　僕はそれほど抵抗なく読めた。ワタナベは直子との関係に長い時間をかけたし、まるで恋人のような雰囲気もあってそのような流れになったのだから、直子がうまく受け止められなかったにせよそれでも良いのではないかと思った。一人になったその後のワタナベについても、その心境は理解できる。

　直子の手紙についてはどうだろうか。言いたいことはわかるし、なんなら僕の人生でこれに近い内容を考えた(あるいは本当に誰かに送った)ことがあるような気がする。まだシンクロ率が上がるのか。僕は恐ろしくて文体を意識する余裕が無くなっていた。

※ハルキ文体を摂取したい方は、ぬりや是々さまの『彼女がそうすると分かっていて』をぜひお読みください……。大会に参加していらっしゃいますので……！