第8話 はたらくおいしみ

おいしみちゃんことあかりは今日もおつまみメイドとしてメイドバーで働いてます。

お店の食べ物をつまみ食いをして、そのおいしさをアピールして、お客様に食べ物を頼んでもらうお仕事です。おいしみを味わっておいしみを伝えて仕事になる。最高のおいしみだね。お腹いっぱい苦しくなるまでいっぱい食べられるあたしにとっては天職!


「これもおいしいよ。ぱくりっ!おいしみもぐもぐもぐ!」


こうして何日間か働いて、お給料でこの町での生活もできるぐらい。

おいしみを売りに働いてる分、食費も多少は節約できるのもいいよね。おいしみ。

それでも、おいしいものをいっぱい必要なあたしにとってはまだまだ食べなきゃいけないんだけど。


「わぁ、あのお客様、めっちゃ強そう」


あたしほどチートじゃないけど、いくつかのチートギフトとか持ってそうな雰囲気をした冒険者を見かけた。

茶色かかった黒髪を後ろで1つで縛り、30代ぐらいのおっさん冒険者っぽい。

メイドたちにやらしい目線を見せているけど、男の人ってみんなそうですよねなので問題ないと思うよ!


「そこの食いしん坊メイド、俺に何かようか?」


「えっ、きずかれてしまったの!?」


「そうだ。しっかり見られてたからな・・・」


「なんだが色々強そうって思ってね?」


「そうか、俺はただのおっさんだよ、メイドバーでうまい料理を食いに来ただけの。おすすめのメニューは何かあるか?」


「特製焼酎とブラッドフィッシュ丼がおすすめだよ」


「そうか、それを頂こう」


特製焼酎はこの町でたまにしか出回ってないお酒。質がとてもよく、高級。

ブラッドフィッシュはマグロのようなお魚だよ。大切りで10切れ以上をドーンっとどんぶりに乗せて、醤油をふんだんにかけてわさびを乗せた絶品。

多くのお客様の舌を唸らせた一品だよ。すごくおいしみだよ。おすすめだよ。


* * *

俺は10年以上前にこの世界に転移した男だ。

危険予知ギフトなど、いくつかのギフトを持っており、大きな危険を起こさずに地道に実力を隠して冒険者をやってきた。

一度貴族に騙されて殺されかけたから、その後は用心してC級冒険者として、活動している。

今回は中央都市巡り。中央都市は世界の物流が一挙に集まる場所。

そこでは旨い物もたくさん見つかるだろう。数か月に1回の旅行がてら、やってきた。


果たして、良いお店とか見つかるかな?

と歩いていると、一角にメイドバーがあった。

このメイドバーは1回も行ったことがない。可愛らしいメイドさんとか居るといいなって思った。


「頼もう!」


「おかえりなさい!ご主人様!」


何人かのメイドが俺を出迎えてくれた。

ピンクツインテのメイドさんが可愛らしいな。黒髪ロングのメイドさんも色っぽくて好きだな。

と俺はメイドさんたちを見てきて、何か恐ろしい目線に背筋が凍ってしまった。


これは凄い霊力だ。俺の何十倍も強者の気を感じる・・・

銀髪の長髪を2つの三つ編みおさげで結わえている巨乳で小柄なメイドの少女からそのオーラが溢れている。


「そこの食いしん坊メイド、俺に何かようか?」


「えっ、きずかれてしまったの!?」


「そうだ。しっかり見られてたからな・・・」


「なんだが色々強そうって思ってね?」


「そうか、俺はただのおっさんだよ、メイドバーでうまい料理を食いに来ただけの。おすすめのメニューは何かあるか?」


「特製焼酎とブラッドフィッシュ丼がおすすめだよ」


「そうか、それを頂こう」


ぷぱー、うめえ、この焼酎は本物だな。これだけうめえ物を飲んだのは久しぶりだぜ!

ブラッドフィッシュもすげえうめえ。大切りに切られていて1つ1つのボリュームも大きく、脂も程よくうまい。わさびも混ぜてつーんとくる辛さがおつと言えるな。

このメイドバーは本物だな。好きな店の一つに加えて、また今度来るとしよう。


俺は満足して、風俗店へと向かっていった。

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