第23話

111話 矛盾

・マリー「嗚呼!!こんなの初めて!!こんなに死に近づくことができるなんて!!どちらが先に死ぬか実験しましょ!!」

マリーは再びアルテミシアに突っ込む。

だがアルテミシアには当たらない。

アルテミシアはマリーの攻撃をかわしながらマリーに触れた。

ドロッ…ドロッ…ドロッ

マリーの皮膚はどんどん溶けていく。

・アルテミシア「もうこれ以上やっても無駄なの。降参するなの。」

・マリー「あら?優しいのね。集落をこんなにしたのに。」

・アルテミシア「勘違いしないでなの。償いはしてもらうなの。ただボクは別に殺しがしたい訳じゃないなの。」

・マリー「残念。私はあなたに殺して欲しいのに。」

・アルテミシア「不老不死になりたいって言ったり死にたいって言ったり、さっきから矛盾してるなの。」

・マリー「矛盾?確かにそうかもしれないわ。でも私はただどちらも解明したいだけ。どちらかだけを選ぶなんて科学者のすることじゃないわ。失敗も成功もどうでもいいのそこにあるのは結果だけ。そう答えを明かしたいだけなのだから。」

・アルテミシア「何言ってるのかわからないなの。」

・マリー「あなたなら理解してくれると思ったのだけれど、……これも一つの答えね。」

・マリー「陽光吸収アポロン

ポワァ。

マリーは陽の光を吸収しだした。

マリーの剥き出しになった骨は成長していき皮膚から突き出た。骨はさらに強固になった。

・アルテミシア「研究者の末路なの。」

・マリー「頭蓋砕スカル

マリーは高く飛び上がりアルテミシアに拳を振り下ろした。

ドゴンッ!!!

アルテミシアはヒラリと拳をかわす。

地面は大きくえぐれた。

・マリー「待って。逃げないで!!」

マリーはすかさず追撃。

サッ…

アルテミシアはマリーの拳をいなしてそっと後ろから首に手をまわした。

そして耳元で囁いた。

・アルテミシア「確か痛いのが好きだったなの。」

・アルテミシア「過剰摂取オーバードーズ

ドロッドロ……

マリーの体はどんどん溶け落ちていく。

・マリー「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……」

マリーの断末魔が途絶えた。

・マリー「はぁはぁ。もう痛みさえ感じなくなったわ。これが死とういものなのね。嗚呼なんて心地いいのかしら。」

ドロッ!!!

マリーはそう言い残して跡形もなく消え去った。

・アルテミシア「ボクも矛盾ばかりなの……何が正解かもうわからないなの……」


112話 魔女

アルテミシアは蜜柑の元に歩み寄る。

蜜柑は呆然としていた。

・アルテミシア「終わったなの。」

・蜜柑「……」

・アルテミシア「ごめんなの。これがボクの本当の姿なの。やっぱり嫌と思うなの。」

・蜜柑「そんな…こと…」

・アルテミシア「??」

・蜜柑「そんなことないのじゃ!!!」

・蜜柑「ねぇたま、いや、姉様!!美しいのじゃ!その綺麗な灰色の髪!!そして色っぽい体!!」

・アルテミシア「あ、ありがとうなの。」

アルテミシアは少し戸惑っていた。

・蜜柑「わっ、わっちを足蹴にしても構わんのじゃ、むしろ踏みつけて欲しいのじゃ!!何か新しい扉が開きそうなのじゃ!!」

蜜柑はアルテミシアにしがみつきながら言った。

・アルテミシア「なっ、何を言ってるのなの!!そんなことする訳ないなの!!」

するとそこに、

・トリカ「蜜柑さん?」

トリカが戻って来た。

・トリカ「……」

トリカは不思議そうに見ていた。

・アルテミシア「ボクなの。アルテミシアなの。」

・トリカ「アルテさん?これはびっくりです。」

・アルテミシア「これがボクの本来の姿なの。」

・トリカ「とてもお綺麗ですよ。」

アルテミシアは照れた顔をした。

・蜜柑「そうなのじゃ!!そうなのじゃ!!だがトリカよ!!余りにも綺麗だからといって姉様に手を出すんじゃないぞ!!この美貌!世の男共が黙っておらんだろう。だが!!姉様はわっちのものなのじゃ!!!しゃー!!」

蜜柑は威嚇するように言った。

トリカはクスッと笑う。

・アルテミシア「めっ!なの!ボクは蜜柑のものでもないなの!!」

アルテミシアは注意した。

・蜜柑「うぅ。」

蜜柑はしょんぼりとした。

そして急にアルテミシアの体が小さくなっていった。

フワァ…

賢者の霊灰エリクサーと魔術の効果が切れたのであった。

・蜜柑「あっ。もとのねぇたまに戻ったじゃ。いつものねぇたまもめんこいでありんす!!」

蜜柑はアルテミシアをぎゅうっと抱きしめた。

するとそこにハーブがやってきた。

・ハーブ「おかえりなね、アルテミシア。」

・アルテミシア「ただいまなの!!おばあちゃん、傷は大丈夫なの?」

・ハーブ「大丈夫なね。アルテミシア、色技の腕上げたなね。」

・トリカ「アルテさん集落の皆さんも全員無事です。」

・アルテミシア「本当なの?!!良かったなの。」

アルテミシアは安堵した。

・ハーブ「長旅疲れたなね。家でゆっくり休むといいなね。お友達も一緒においでなね。」

・アルテミシア「おばあちゃんありがとうなの。でもゆっくりしてられない事情があるなの!!おばあちゃん賢者の霊灰エリクサーのつくりかたを教えて欲しいなの。」

・ハーブ「そうか、アルテミシアにも大切な者ができたなね。こっちに来るなね。」

集落の外れ。薪の祠。

大きな祠には煙突が付いておりそこから煙が上がっていた。

・トリカ「煙はここから上がっていたのですね。」

アルテミシア達は祠に入る。

大きな祠の中は広い空間になっており真ん中には燃える火があった。

・トリカ「あれは……」

・ハーブ「火なね。今からあれを使って賢者の霊灰エリクサーをつくるなね。」

・トリカ「魔術とやらですね。」

・ハーブ「そうなね。」

・トリカ「灰族の皆さんはいったい何者なのでしょうか?何故魔術というものを扱えるのでしょうか?それからアルテさんが本当の姿を隠していた理由は……」

・ハーブ「アルテミシアいいなね?」

アルテミシアはコクっと頷いた。

・ハーブ「少し昔話をしてあげるなね。200年以上前のことなね。一族がまだ灰族と呼ばれる前の話なね……」

ハーブは昔話を始めた。

その一族は大陸に住んでいた。ある時、落雷により自然発生した火を見つけることになる。一族はその火に魅せられ火を研究することにした。その姿に世間の目は冷たかった。なぜなら火を恐れる者が大半だったからだ。だがそんなのも顧みずに研究に没頭した。研究により分かったことは火を燃やすことによりできた灰が薬になるということ。長年研究していると一族の体に異変が起きた。それは火から発生する煙と灰を浴びることにより色素が変化するというものだった。これにより色技ではない魔術が扱えるようになり、色紋も灰色へと変色していった。

ノヤ マグワート。ハーブとアルテミシアの祖先である。彼女には魔術の才があった。ノヤは灰族の中では尊敬され称えられる存在だった。だが世間はそうではなかった。魔術という奇妙なものを扱うノヤを気味悪く思い魔女と呼んだ。そして事件は起こる。灰族を嫌う過激なもの達がノヤを殺したのであった。過激派はそこから歯止めがきかなくなり、魔女狩りと称して灰族を滅ぼそうとした。灰族はどんどん殺されていった。

何とか生き残った灰族は魔術で火を持ち出してある孤島まで逃げのびた。これが後の灰煙島である。

灰族はそこで火の研究を再開した。世間に知られぬように魔術の存在を隠しながら。

・ハーブ「これが灰族の歴史なね。」

・トリカ「そんなことが……」

・ハーブ「そして……」

・ハーブ「アルテミシアはノヤと同じ力を持って産まれたなね。灰族ではノヤの産まれ変わりではないかとも言われているなね。」

・ハーブ「アルテミシアを取り上げたのは私なね。私はノヤと同じ道を辿って欲しくなかったからアルテミシアに封印を施したなね。この封印を解くには賢者の霊灰エリクサーが必要なね。今では悪いことをしてしまったと思ってるなね。アルテミシアは強い子だからそんな必要なかったなね。すまないなね。」

・アルテミシア「ボクはおばあちゃんに感謝してるなの。」

・ハーブ「さあ、それじゃ賢者の霊灰エリクサーをつくるなね。アルテミシア、手伝ってくれなね。」

・アルテミシア「もちろんなの。」

・ハーブ「つくりかたはこうなね。長年燃やし続けた火を鎮火させその灰に魔術を流し込むなね。」

・アルテミシア「火を消す…なの?」

・ハーブ「大丈夫なね。大切な事情があるなね?」

アルテミシアは頷く。

・ハーブ「それじゃあいくなね。」

アルテミシアとハーブは火に向かって魔術を流し込んだ。


113話 因縁

アマリリスはとある丘の上にいた。

・アマリリス「ライクーン。」

ふわぁ。

・ライクーン「きゅん。」

煙の小さな狸が現れた。

アマリリスはライクーンに色素を送り込む。

するとライクーンはどんどんと大きくなった。大きさはアマリリスの五倍以上はあった。

ライクーンの姿はどんどんとはっきりしていきついには実体化した。

・ライクーン「ガルルルルルルル…」

大きな尻尾に鋭い牙と爪、その姿はまるで怪物のようだった。

ザッ!

アマリリスはライクーンに跨った。

・アマリリス「行こう。ライクーン」

ライクーンは空を走りだした。

太陽の帝国"サン・エンパイア"では国王の死により国葬が行われた。国民は皆、喪にふくしていた。

もちろんアマリリスの耳にもその情報は入っていた。

薔薇の城砦フォートローザ玉間。

ドゴーンッ!!!!!!!

アマリリスは城の屋根をぶち破って玉間に降り立った。

土煙が舞う。

・アマリリス「懐かしいな。」

アマリリスは呟いた。

・???「そろそろ来ると思っておりましたわ。アマリリス様。」

土煙が無くなりそこにはアーデルハイトの姿があった。

・アマリリス「ローズ家を殺しにきた。」

・アーデルハイト「……」

・アマリリス「ライトはどこにいる?」

・アーデルハイト「ここにはいませんわ。」

・アマリリス「やはりそうか。」

ドドドドドドドド!!

城内のものすごい音を聞きつけて激情薔薇団オーズローズスの兵達が集まってきた。

・兵「お妃様を守れー!!!!!」

ブゥワア!!

アマリリス手を横に振ると。たちまち玉間の入口は火で塞がれた。

・兵「熱っ!!!!!」

・兵「くそっ!!これでは玉間に入れない。」

兵達はどうすることも出来ないでいた。

アーデルハイトは火柱を上げた。すると天井に吊るされていた大きな鎌の紐が焼き切れ。大鎌が落ちてきた。

アーデルハイトは大鎌を手にした。それは断罪の大鎌だった。

・アマリリス「嘘吐の大鎌ライアーズサイズ

アマリリスの手には煙の大鎌が。

アマリリスが色素を流し込むとその鎌は実体化していく。

アーデルハイトの持つ大鎌とアマリリスの持つ大鎌は瓜二つであった。

・アマリリス「リコリスを殺した大鎌。お前らはこれで殺すとずっと決めていたんだよね。これを見る度に吐き気がするよ。今も尚ね。」

・アーデルハイト「悪いことをしたと思っていますわ。」

・アマリリス「悪いことをした?フフフフフ……」

・アマリリス「……フハハハハハハ!!!!!笑わせるな!!!」

アマリリスはアーデルハイトに突っ込んでいく。

ガキンッ!!!!!

大鎌と大鎌はぶつかり合う。


114話 断罪

・アーデルハイト「あなたは母親の想いを受け取らないのですか?」

・アマリリス「お前がそれを言うか!!!」

アマリリスは激昂しながら大鎌を振るう。

・アーデルハイト「この世界のためにクラスタ家には仕方なく犠牲になって貰うしかなかったのですわ。」

アーデルハイトはアマリリスの大鎌を受けながら答える。

・アマリリス「犠牲だと?!!」

・アーデルハイト「リコリス様の力は危険過ぎましたわ。」

・アマリリス「うるさい!!リコリスの名前を呼ぶな!!!」

・アーデルハイト「あの力をほおっておくとこの国の滅亡は絶対でしたの。」

・アマリリス「そんなの知るかよ!!!お前らは大切な者の為に俺の家族を殺した。なら俺は家族の無念を晴らす為にお前らが守ったものを全て壊す!!!」

・アーデルハイト「それが母親の意志に背いてるのです。あなたには幸せになる義務があるの!!全てを忘れたとしても!!」

・アマリリス「母様を語るなぁあああ!!!!」

・アマリリス「お前に何がわかる!!!」

・アーデルハイト「わかるわ!!あなたの母親は!!…………ネリネは…私の一番の親友でしたの……」

アーデルハイトは涙を流していた。

・アーデルハイト「一緒に過ごした時間ならあなたよりも多いわ。」

・アマリリス「…………」

スゥー。

玉間はいつの間にか煙で充満していた。その煙が紐のようにアーデルハイトの手足を縛り付けた。

・アーデルハイト「!!!」

アーデルハイトは動けなくなる。

アマリリスはゆっくりとアーデルハイトに近づく。

・アマリリス「それを奪ったのもおまえだろ。」

アマリリスは怒りを通り越したかのように静かに言った。

ズシャ!!!!

アマリリスの大鎌がアーデルハイトの体を大きく切り裂いた。

・アマリリス「フフフ……フハハハハハハ!!!リコリス!!仇はとったよ!!!」

・アーデルハイト「ぐふっ。」

・アマリリス「もう一度聞く。ライトはどこにいる?」

・アーデルハイト「……」

・アマリリス「まあいい。記憶に聞くから。記憶盗視メモリースニーク

アマリリスはアーデルハイトの記憶を覗いた。

・アマリリス「見つけた。」

・アマリリス「これからお前の息子を殺す。そして世界もだ。…………確かこれは断罪の大鎌とか呼ばれていたっけ?お前の最後に相応しいな。」

アマリリスは大鎌を振り上げる。

・アーデルハイト「…ご……めん……な……さい。」

・アマリリス「…………」

ザシュッ!!!

アマリリスはアーデルハイトの首を切り落とした。

薔薇の城砦フォートローザは火の海と化していた。

国民はその様子を不安そうに見ていた。

アマリリスは薔薇の城砦フォートローザの門から外に出た。

するとアマリリスは声をかけられた。

・フォルビア「アーリスさん?」

声をかけたのはフォルビアだった。

アマリリスは歩みをとめた。

・フォルビア「やっぱり!!やっぱり!!アーリスさん!!」

・エウビア「お兄ちゃん!!」

ひょこっと息子のエウビアも顔を出した。

アマリリスは二人の方を振り向いた。

・フォルビア「!!!」

フォルビアはアマリリスの姿に驚いた。それはアマリリスの体が返り血塗れだったからだ。

フォルビアは言葉を発せないでいた。

・エウビア「??」

エウビアは何も分からず頭を傾げていた。

アマリリスはしゃがみこみエウビアの頭を撫でた。

そして再び立ち上がりアマリリスは二人に何も言わずに去っていった。

アマリリスの姿は消えてゆく。


115話 選択

アマリリスは墓石の前にいた。

そこには ジュシャ ネリネ リコリス の名前が掘ってあった。

その場所はローズ家だけが知る場所であり、アマリリスはアーデルハイトの記憶からこの場所のことを知ったのだった。

・アマリリス「父様、母様、リコリス、全て終わらせてくるよ。」

アマリリスは墓石に向かって言った。

・アマリリス「記憶送伝メモリー センド

アマリリスの記憶が煙となり世界中に広がってゆく。

世界中は煙に覆われた。

世界中の者たちに煙が入っていく。

アマリリスは全てを伝えたのだった。ローズ家の真実。クラスタ家の存在。そしてこれからやろうとしている計画を。

これはアマリリスの世界への宣戦布告と力無き者たちへの猶予であった。

世界中の者たちは驚き、戸惑い、悲しみ、怒り、色々な感情が渦巻いていた。

これにより意外にも世界の反応はばらばらであった。アマリリスを止め世界を継続させようと動く者、アマリリスに同情し諦める者、太陽神の導きだと受け入れる者。

・アマリリス「行ってきます。」

アマリリスは墓石に別れを告げて、ライクーンに跨る。

バッ!

ライクーンは空を駆け出した。

とある孤島 【太陽の祭壇】これはローズ家が密かに作っていたものだった。

アマリリスは孤島に降り立ち太陽の祭壇を目指し歩きだした。

・アルテミシア「アーリス!!!」

アルテミシアとトリカ、蜜柑は先回りしてアマリリスを待っていたのだった。

・アマリリス「俺を殺しに来たのか?」

・アルテミシア「そうなの。ボクがアーリスを止めるなの。」

・アマリリス「何度も言ってるだろ。俺はアーリスじゃない。アマリリスだと。」

・アルテミシア「ボクも何度も言ってるなの。アーリス。」

・アマリリス「そうか……」

アマリリスは再び歩きだした。

・アルテミシア「待っ!!」

アルテミシアがアマリリスを呼び止めようとした時。

・ライクーン「ガルルルルルルルルル!!!」

ライクーンが立ちはだかった。

・トリカ「これは骨が折れそうですね。」

・蜜柑「なんじゃ?びびっておるのか?」

・アルテミシア「どうにか突破するなの。」

アマリリスの姿は見えなくなった。

ガッ!!

ライクーンは大きな爪で襲ってきた。

アルテミシア達は何とか回避する。

・蜜柑「ねぇたま、いつものじゃ。わっちがここを引き受けるでありんす。」

・アルテミシア「だめなの!!あの生き物はアーリスの色技で具現化されたもの。そこら辺の猛獣とは比べ物にならないなの!!みんなでやるなの!!」

・蜜柑「そんな時間はないのじゃ。ねぇたまいつも言っておるじゃろ?わっちは強い。絶対に死なぬのじゃ、絶対に。」

・アルテミシア「でもなの!!」

・蜜柑「アーリスを止めるのであろう?」

・アルテミシア「……」

・蜜柑「約束でありんす。」

ガバッ。

蜜柑はアルテミシアを強く抱きしめた。

・蜜柑「後でまたよしよししてくれるかえ?」

アルテミシアは涙を堪えながら強く頷いた。

アルテミシアとトリカは走りだした。

ライクーンはアルテミシア達に襲いかかる。

ガンッ!!!

それを蜜柑が扇子で受け止める。

・アルテミシア「(蜜柑死んだら許さないなの。)」

アルテミシアとトリカの姿は見えなくなった。

・ライクーン「ガルルルルルルル!!」

・蜜柑「(ごめんなのじゃ、ねぇたま。約束は守れなさそうなのじゃ。)」

バッ!バッ!

蜜柑は扇子を構える。

・蜜柑「来いでありんす!!狸公!!!」

蜜柑はライクーンに立ち向かう。

だが死とは呆気ないものだった。

ライクーンの大きな口には血だらけの蜜柑の姿が。

蜜柑の体をライクーンの牙が貫いていた。

ボトボトッ!!

蜜柑の血がライクーンの口から流れ落ちる。

・蜜柑「ねぇ……たま……愛……して…いる……でありん……す……」

蜜柑は息絶えた。

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