第11話

51話 十字架

シュッ!シュッ!シュッ!

無数の荊棘の鞭がアーリスを襲う。

サッ!サッ!

アーリスは全ての鞭を交わしていた。

・ハナキ「(速いな…なら…)」

ハナキは手を振り下ろす動作をした。するとアーリスの上から大きな十字架が降ってきた。

アーリスは十字架に合わせるよう拳をだした。

ガゴンッ!!

十字架は割れて飛び散った。

間髪入れずに3つの十字架が落ちてくる。

・アーリス「!!!」

・アーリス「(こんなにも武器を具現化できるなんて…)」

アーリスはまたしても交わす。十字架は地面に突き刺さった。その十字架を足場にしてアーリスは勢いよくハナキの前まで飛びハナキの目の前に着地した。

・ハナキ「!!」

アーリスはハナキに避ける隙を与えず腹を蹴りあげた。

・ハナキ「ぐっ!」

ハナキは遠くまで飛ばされた。

・リン「ハナキ!!!」

リンは急いでハナキの元に駆け寄る。

・リン「大丈夫?!!大丈夫?!!ハナキ!!」

ハナキは苦しそうにしていた。

・アーリス「立てよ!!桂の心の痛みはこんなもんじゃないぞ!!!」

・リン「どうして、どうして、なんで、なんで、なんで!!ハナキにこんなことするの!!てめぇえええ!!アーリスーーーー!!!」

リンは激怒した。

ハナキは苦しそうに腹を抑えながら体を起こした。

・リン「ハナキ!痛いよね!苦しいよね!お姉ちゃんが変わってあげるから。ハナキは美しいハナキのままでいて!!ね。」

・リン「ウィトルウィウス的人ダ・ヴィンチ体図」

リンはハナキの手を両手で力強く握った。

・リン「グフゥッ」

リンは吐血した。

リンはハナキのダメージを肩代わりしたのだった。

ウィトルウィウス的人ダ・ヴィンチ体図】リンのハナキのみに対象を絞った色技。ハナキの身体や感覚の黄金比を保つために傷や痛み苦しみなどの余計なものを自らに肩代わりさせる。根の代償で肩代わりするものの重さが倍になる。

ハナキは何事もなかったように立ち上がった。

・リン「フフフフフ!!ハナキ♡ハナキ♡」

リンはお腹を抑え口から血を流しながら不気味に笑っていた。

・ハナキ「……」

ハナキはリンの方を見向きもしない。

・アーリス「おい……仲間じゃないのか?ましてやその様子だと姉弟なんじゃ……」

アーリスは戸惑っていた。

シュッ!!

またしても荊棘鞭の攻撃。

アーリスは交わす。

・アーリス「……その攻撃はもう当たんないよ。」

・ハナキ「……」

・アーリス「ムカつくけどお前たち乱咲のおかげで少し強くなれたよ。世界樹の橋ユグドラシルの戦いでの経験が身体に記憶として染み付いている。この水仙の脚纏ホワイト レガースはその記憶を元に編み出した色技なんだ。」

・ハナキ「……」

ハナキは手を前に振りかざす。

アーリスの真正面から十字架が飛んでくる。

・アーリス「だからそれはもう…!!!」

アーリスの後ろの地面から荊棘の鞭が出てきて足に巻きついていた。

アーリスは動けない。

・アーリス「白ノ衝撃 砕ホワイト ブレイク

アーリスは前から飛んでくる十字架を砕いた。

十字架は割れて鋭い破片となりハナキに跳ね返った。

・ハナキ「十字架の問イエスorノー

・ハナキ「リン。守れ。」

・リン「YES♡」

リンはハナキの前に飛び出した。

グサッ!!!

破片はリンのお腹を貫通した。

・アーリス「!!!!」

・アーリス「なっ!んで…」

・アーリス「くそ!くそ!くそ!くそ!」

アーリスは感情がぐちゃぐちゃになりながら走りだした。

巻きついていた荊棘鞭は引きちぎれた。

ゴスッ!!!

アーリスは思いっきりハナキを殴った。


52話 お人形

ハナキは飛ばされ倒れ気絶した。

・アーリス「はぁはぁはぁ…」

アーリスは混乱していた。桂の仇である敵を殴り飛ばしたのにもやもやしたままであることに。

・リン「ア…アーリス…」

・アーリス「!」

アーリスはリンの方を見た。

・リン「あたし……達の負けよ。」

・リン「……一つお願いが…あるの。あたしを…ハナキの横まで…連れてってくれない?」

リンは自分の命がもう長くないのを分かってる様子だった。

アーリスは無言でリンを抱き抱えた。

・リン「ありが……とう。許してとは言わないわ。でも…ハナキがああなったのはあたしのせいなの……」

ハナキ、リン幼少期。

ハナキとリンは捨て子だった。唯一分かっていたのは名前と双子だということ。二人はスラム街で育った。

・ハナキ「リン〜みて〜僕がゴミ捨て場で拾ったんだ!!」

ハナキの手には女の子の人形があった。

・リン「うわ〜お人形さんだ〜!!可愛いね〜!!」

・ハナキ「リンにあげるよ!!」

・リン「いいの!!ありがとう!ハナキ!(嗚呼なんて優しいのあたしの弟♡)」

リンはその人形を気に入りずっと持ち歩くようになった。

ハナキとリンは何をするのも常に一緒だった。だが月日が流れハナキが一人で行動することが多くなった。

・リン「(あれ?今日もハナキがいない。)」

空には雨雲がかかっていた。

・リン「(雨も降りそうだし。)」

リンはハナキを探した。

・リン「(あっいた!!……うん?!!あれは?)」

リンはハナキを見つけた。そこにはハナキと知らない女の子がいてハナキと楽しそうに話をしていた。

・ハナキ「じゃあねー!!また明日!またここで!!」

ハナキは話終わったようで女の子と別れた。ハナキの顔は嬉しそうでリンが見たことない表情であった。

その瞬間リンの中で何かが壊れた。

・リン「ハナキ。」

リンは後ろからハナキに声をかけた。

ハナキは振り返った。

・ハナキ「リンか。何?」

・リン「さっきの女の子は誰?」

・ハナキ「別に誰でもいいだろ!!お前には関係ねぇよ!!」

・リン「関係あるよ!!それに!そんな汚い言葉使わないで!!そんなのハナキじゃないよ!!」

・ハナキ「そんなん俺のかってだろ!!もう俺に付きまとうなよ!!それによぉ!」

ハナキはリンから人形を取り上げた。

・ハナキ「いつまでこんな汚ぇもんもってんだよ!!」

ハナキはそう言うと人形の首を引きちぎりリンに投げつけた。

・リン「……」

リンは何も言えずに両膝から崩れ落ちた。

ポツポツ。

雨が降ってきた。

リンは顔に流れた雨で泣いた様に見えた。いや実際に雨で混ざって分からなかったが涙を流していたのだった。

ハナキはそのまま何も言わずにどこかに言ってしまった。

・リン「こんなのハナキじゃない……あたしが知ってるハナキじゃない……あたしのハナキじゃない……」

ピカッ!ドゴーン!!

どこかで雷が落ちた。

この時リンの色素が濃くなった。

その日の夜。

リンは寝ているハナキに色技をかけた。

リンはハナキの手を握ったその場はリンの色技で怪しく光った。ウィトルウィウス的人ダ・ヴィンチ体図 リンが初めて覚えた色技であった。

・リン「余計なものはあたしが全部貰ってあげる♡」

ウィトルウィウス的人ダ・ヴィンチ体図 にはもう一つの能力があったそれは対象の体、感情、成長の仕方までの黄金比を設定するというもの。その初期設定でリンが余計と思う感情を全て肩代わりし、ハナキが自ら自身を大切にするように、そのためならリンさえも犠牲にするように設定した。

ハナキは目を覚まし体を起こした。

・ハナキ「……」

・リン「おはよう。あたしの可愛い可愛いお人形さん♡」

リンはハナキを抱きしめて頭を撫でながら言った。

次の日。

ハナキと待ち合わせをしていた女の子の元にリンがやってきた。

・女の子「あなたは?」

・リン「ハナキはもう来ないわ。」

・女の子「!えっ。」

・リン「二度とハナキには近づかないでね。次あたしのハナキに近づいたら殺すから。」

そう一方的に告げてからリンは帰って行った。

現在。

アーリスはリンをハナキの横に優しく下ろした。

・リン「ありがとう。」

リンはアーリスにお礼を言った。

・リン「ハナキ……ごめんね。」

リンはそう言いながらハナキの頭を撫でた。

そしてリンはアーリスの方を見て頭を下げて土下座した。

・リン「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。あたしはあなたにも桂にも酷いことをしたわ。何人も殺した。何人もの大切な人を奪った。謝った所で許される訳は無いわ。きっと地獄に落ちてそこで永遠に苦しみ続けると思う。だからなんだって話しよね。最後だけ謝って卑怯な女よね。それでも言わせて、ごめんなさい。そしてどうかハナキだけはハナキだけは許してあげて欲しいの。」

・アーリス「……」

アーリスは言葉を失っていた。

するとハナキが目を覚まして体を起こした。

ハナキはリンとアーリスを交互にみた。

・ハナキ「十字架の問イエスorノー

・ハナキ「リン、こいつを殺せ。」

ハナキはリンに命令をした。

・リン「……」

リンは涙を流しながら言った。

・リン「ごめんねハナキ。NOよ。」

ドクンッ!!

ハナキの心臓は止まりハナキは倒れた。

・リン「地獄でハナキの罪は全部あたしが貰うから。なんて、これも虫のいい話よね。」

リンはハナキの頭を撫でながら言った。

リンはアーリスの方を向いて

・リン「アーリス止めてくれてありがとう。」

リンは再びハナキを見ながら

・リン「大好きだったよ。ハナキ。」

そう言うとリンは糸が切れたようにハナキの横に倒れた。

 

53話数 天狗

三号邸。

セネシオとトリカの拳が両者の頬を突く。

お互いが仰け反る。

セネシオの右拳が飛んでくる。トリカは鎖を掴み下に引っ張った。セネシオはバランスを崩した。それに合わせるようにトリカは左脚で顔面に蹴りを入れた。

セネシオはよろけた。がその蹴りの勢いものせるように左拳を突き上げた。

トリカは顎に直撃し後ろに仰け反る。

しかし両者はどちらもまだ倒れない。

・トリカ セネシオ「はぁはぁはぁはぁ」

・セネシオ「やるじゃねえか!!トリカ!!いいぞ!!高まってきた!!!こんなに高ぶってるのはリーダーにボコボコにされて以来だ!!」

・トリカ「なら今日でボコボコになるのは2回目ですね」

セネシオ「へっ!本当に口の減らねぇやつだな!!」

セネシオが殴りかかった。

二号邸 屋敷内。

・蜜柑「麗鬼の舞れいきのまい

ガッ!ガッ!ガッ!

蜜柑は鉄の扇子で舞うように五右衛門に攻撃した。

五右衛門は鉈で辛うじて受ける。

・五右衛門「おいおい!穣ちゃん!ちと強すぎねえか!」

・蜜柑「当たり前じゃ!わっちが今までぬくぬくと温室で育てられたとでも思うたか!わっちは齢4歳の時からずっと鍛えておるわ!!全てはこの時のためじゃ!!」

・五右衛門「う〜ん。ならば……まさかこれを使わないといけないとはな。天狗梅てんぐうめ

五右衛門の顔と体は赤黒くなった。

・五右衛門「八手団扇やつでうちわ

ボンッ!

五右衛門の手には大きなヤツデの団扇がでてきた。

・五右衛門「よいしょぉおおお!!!」

五右衛門は団扇を大きく一振した。

・蜜柑「櫻子!!ねぇたま!!」

蜜柑は二人を庇おうとするが五右衛門が振った団扇からわ強風が巻き上がり三人を飛ばした。

その瞬間二つの影が強風のなかに飛び込んできた。

正体はグラジオラスと凌霄だった。

グラジオラスは櫻子を凌霄は蜜柑とアルテミシアをしっかりと抱き抱え強風を回避した。

ズゴーーーン!!!

五右衛門の放った風は屋敷を半壊させた。

・グラジオラス「助けに来たよ。櫻子ちゃん。」

・櫻子「グラス!!」


54話 不覚

三号邸。

・セネシオ「はぁはぁしつけぇなぁあ!!」

・トリカ「はぁはぁ貴方にだけは絶対に負けません!」

セネシオの前蹴りでトリカは仰け反る。セネシオはすかさず鎖を引っ張り戻ってきたトリカの顔面にエルボーを食らわした。

ボトボト…

トリカは口から流血していた。

・トリカ「はぁはぁ、私は……」

・セネシオ「ぁあ?」

・トリカ「私は!!絶対に負けられない!!もうあんな思いはしたくない!だれかが傷付けられるのを黙って見てるだけなんて!!」

・トリカ「私は私を許せない!!だから越えさせて貰います!!今ここで!!!」

・セネシオ「知らねぇよ!!勝手にやってろ!!」

セネシオは右拳でトリカの頬を殴った。

ドスッ!!

トリカは避けなかった。ノーガードでわざと拳を受けたのだった。

・セネシオ「!!!」

トリカの反撃。トリカは思っいきりセネシオの頬を殴りつけた。

セネシオは地面に叩きつけられ気絶した。

・トリカ「うぉおおし!!!!」

トリカは見たかと言わんばかりにガッツポーズをした。

手首に繋がれていた鎖は砕けて消えて無くなった。

トリカは力尽きたように仰向けに倒れた。

・トリカ「(勝ちましたよ。アーリスさん。)」

二号邸。

凌霄は抱えていたアルテミシアと蜜柑をそっとおろした。

・アルテミシア「ありがとうなの。」

・蜜柑「助かったのじゃ。凌霄よ。」

・凌霄「いえ。遅くなり申し訳ありません。お嬢。」

・櫻子「グラス!!余は必ず来てくれると信じてたぞ!」

・櫻子「だっ、だが恥ずかしいからおろしてくれぬか。」

櫻子は顔を赤くしていた。

グラジオラスは櫻子を優しくおろした。

・グラジオラス「櫻子ちゃんさがってて今あいつをやっつけるから!!」

・グラジオラス「おい。五右衛門。櫻子ちゃんが怪我したらどうしてくれるんだ。お前は絶対に許さない。」

スゥー。

そう言いながらグラジオラスは刀を抜いた。

・グラジオラス「おいで。瑠璃。」

瑠璃は優雅に空中を泳いでいる。

・グラジオラス「影弄かげろう。」

ズズズズ……

グラジオラスの刀に影がまとわりつく。

ザッ!

グラジオラスは一気に間合いを詰め五右衛門に斬り掛かる

スカッ。

五右衛門はグラジオラスの刀を交わした。

タラー。

しかし五右衛門の腕からは流血が見られた。

・五右衛門「俺、今ちゃんとかわしたよな?……なるほどな。その影で太刀筋を分かりづらくしてるのか。」

・五右衛門「なら近づかせ無ければいいだけ!八手うち……」

五右衛門は大きな団扇を振りかぶった。

だがその瞬間、

・凌霄「菊一文字きくいちもんじ

ズゴン!!

凌霄は十手で五右衛門に攻撃した。

・五右衛門「ぐぅあ!」

五右衛門は勢い良く吹き飛ばされた。

・凌霄「そんな大技させるわけないだろ!!」

五右衛門は立ち上がりながら

・五右衛門「流石に二人相手はきつい……痛っ!!」

五右衛門の腕からは刀が貫通していた。

グラジオラスが影沼を使って五右衛門の後ろをとっていたのだった。

・五右衛門「ちきしょー!!釜茹地獄かまゆでじごく

ブワー!!

五右衛門は熱気を放った。

・グラジオラス「おぼろ

グラジオラスは影で自分の幻影を出していた。五右衛門の熱気でグラジオラス幻影は消えていった。

・グラジオラス「その技三度目だぞ。芸がないな。」

・五右衛門「芸がないだと。俺様は藤の国に名を轟かせた。大盗賊だぞ!!舐めるな!!俺に盗めないものはない!!」

気づくとあたり全体は湯けむりに包まれていた。

・グラジオラス、凌霄「???」

その瞬間

・櫻子「きゃー!!」

櫻子の悲鳴が聞こえた。

グラジオラスと凌霄は後ろを振り返った。

するとそこには羽交い締めにされた櫻子と乱咲 第二輪 縁紅 弁慶の姿があった。

さらにその後ろには大きな武器庫の扉が開いていた。


55話 真実

・グラジオラス「櫻子ちゃん!!!」

・蜜柑「櫻子!!!!」

・弁慶「おおっと。動かない事をお勧めしますよ。この娘の綺麗な首が赤く染まるのを見たいのであれば別ですが。」

弁慶は櫻子の首に刀を突きつけていた。

その場の全員動けないでいた。

・弁慶「五右衛門殿、お見事です。我があなたの盗みを完成させましょう。」

・五右衛門「がっはっはっはっは!!!凌霄!!俺が知らないとでも思ったか?!!!最初から俺の狙いは桜間 櫻子 だったんだよ!!!!」

・グラジオラス、アルテミシア「!!!!」

グラジオラスとアルテミシアは訳が分からないでいた。

・凌霄「くそ!!何故お前が知っている!!」

・五右衛門「そんな事どうだっていいだろう?これで俺の盗みも終わりだな。俺はもう動けねぇ。最後にでけぇ宝を盗めて満足だ!!!早く行きな!!弁慶の旦那!!」

・弁慶「それではそうさせて頂きましょう。」

ズズズズズズ……

弁慶は櫻子を連れて武器庫の暗闇に吸い込まれて行く。

・櫻子「助けて!!グラス!!蜜柑!!」

・グラジオラス「櫻子ちゃん!!!!!」

・蜜柑「櫻子!!櫻子!!いや!!いや!!待つのじゃ!!待ってくれなのじゃ!!!!!」

グラジオラスと蜜柑の叫びも虚しく櫻子は弁慶に連れ去らてしまった。

ギィイイ!バタンッ!!!

武器庫の扉は嘲笑うかのように大きな音をたてて閉まった。

蜜柑は地面に泣き崩れる。

アルテミシアは蜜柑の元に寄り添った。

・アルテミシア「いったいどういう……」

蜜柑はアルテミシアにしがみつき泣きじゃくった。

・蜜柑「わっちが!!わっちが!!櫻子を守らないと!!守らないといけないのに!!!」

アルテミシアは戸惑いながら蜜柑の頭をさすった。

グラジオラスは鬼の形相で五右衛門の胸ぐらを掴んだ。

・グラジオラス「どういうことだ!!!何故櫻子ちゃんを攫った!!!!」

・五右衛門「おいおい。怒んなよ。俺なんかより詳しいやつがそこにいるだろう。なぁ?凌霄!!」

・グラジオラス「くそぉお!!!」

グラジオラスは思いっきり五右衛門を殴った。

・グラジオラス「お前は取り敢えず動くな。」

・五右衛門「へっ。もう抵抗しねぇよ。」

グラジオラスは五右衛門を縄で縛った。

・グラジオラス「凌霄さん、説明してください。」

・凌霄「ああ。勿論だ。まずは隠していてすまない。」

・凌霄「……櫻子お嬢が攫われた理由は……実は陽炎石の力をもっていたのは蜜柑お嬢ではなくて、櫻子お嬢だったんだ。」

・グラジオラス、アルテミシア「!!!!」

・凌霄「この事を知っているのはこの国でも極僅かの者だけだ。」

・アルテミシア「じゃあどうして最初蜜柑が狙われてたなの?」

・凌霄「それは……蜜柑お嬢が櫻子お嬢の影武者だからだ。」

・アルテミシア「かげ……」

・蜜柑「わっちが!!櫻子を守るって!そうやって今までずっと生きて来たのに!なのに!肝心な時にわっちは!!わっちは!!わぁあああーーん!!!」

蜜柑はアルテミシアの胸で泣きじゃくる。

・アルテミシア「大丈夫なの。まだ大丈夫なの!!連れ去られたということは利用価値があるということなの。だからきっと櫻子は無事なの。今は一刻も早くどこに連れ去られたかを知ることが先決なの。ボク達で必ず助けに行くなの!!」

・蜜柑「!!ほんとうか?!!櫻子は助かるのか?!!」

・アルテミシア「絶対なの!!ボクの仲間はとっても強いなの!!アーリスも!トリカも!そうでしょ?!!グラス!!」

・グラジオラス「ああ。絶対に櫻子ちゃんは俺が助けだす!!!」

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