第10話

46話 信頼

五右衛門の予告当日。

鬼百合家屋敷 一号邸の中庭にアーリス達と華組戦闘員全員が集合していた。

・凌霄「今日は五右衛門が蜜柑お嬢を攫うと予告してきた日だ。…………おい!!てめーら!俺ら華組も舐められたもんだなぁああ!俺らはそんなに弱そうに見えるか?!!この街をずっと守ってきたあの華組だぞ!!今日相手するのは因縁の五右衛門だ!!敵の数も強さも分からねぇ!圧倒的不利な状況に変わりはねぇ!!だがどんな敵が来ようが関係ねぇ!!力を示せ!!全てぶっ壊せ!!舐めてる奴らを片っ端からたたき潰せ!!!お嬢達に指一本でも触れさせてみろその時は腹ぁあ切る覚悟しとけよ!!!いいな!!!」

凌霄は華組全体に叱咤激励をした。

それに応えるように、

・華組「うぉぉおおおおおお!!!!!」

空気が震え町中に声が響き渡る。

・薊「それでは各自持ち場に付け!!全ての準備が整い次第、凌霄隊長の護衛の元お嬢様達を移送する!!」

華組は勢い良く走り出した。

アーリス達と華組はそれぞれの屋敷に到着し敵に備えた。

約1時間後。

カンッ!!カンッ!!カンッ!!カンッ!!

鐘の音が町中に鳴り響く。

・華組員「来たぞぉおおお!!!五右衛門一派が来たぞぉおおお!!!」

一号邸。

顔を隠した黒装束の敵が塀をよじ登って数十人やってきた。

華組はそれぞれ武器を構える。

キンッ!!キンッ!カンッ!

屋敷内の至る所で戦闘が始まる。

ガンッ!!!

塀の上に一つの影が見えた。

・凌霄「やっぱりお前が来たか!!五右衛門!!!」

影の正体は五右衛門だった。

・五右衛門「はっはっはっ!!凌霄!!決着をつけよぜ!!!」

五右衛門は凌霄に飛びかかり鉈を思いっきり振りかざした。

ガンッ!!

凌霄は十手で防ぐ。

・凌霄「てめぇは悪事を犯し過ぎた!!務所入りだけで済むと思うなよ!!!」

三号邸。

こちらも同じく数十人の敵がやってきた。戦闘が始まる。

シュッ!シュッ!シュッ!

トリカが矢を放つ。

敵が塀から落ちてゆく。

ガンッ!ゴンッ!

敵はアーリスに殴り飛ばされ壁に激突した。

トリカが遠距離から、アーリスが零れた敵を倒してゆく。

その瞬間、空がキラキラと光った。

無数の大きな針が落ちてきた。

・アーリス、トリカ「!!!!」

アーリスとトリカは咄嗟に避ける。

・戦闘員「うわぁあ」

グサッ!グサッ!

華組の戦闘員は針にやられ7人戦闘不能になった。

・アーリス「この銀は……」

アーリスは地面に刺さった針をみた。

すると空中に影ができて何者かが降って来た。

ドンッ!

正体は、乱咲 第漆輪 セネシオ シルバ だった。

・セネシオ「ハハハハ!弱ぇー!弱ぇー!!」

・セネシオ「水銀の鎖シルバー チェーン

セネシオは銀色の鎖を横に振った。

ビュン!!

アーリスとトリカは上にジャンプして交わした。

・戦闘員「うぁ!」

戦闘員6人は交わす事ができず戦闘不能になった。

桂以外の華組の戦闘員は全滅した。

・セネシオ「なんだぁ!もう終わりかよ!噛みごたえがねぇなあ!!」

・セネシオ「なぁあ?!!!アーリス!!」

・セネシオ「またお前らかよ。今日のターゲットはお前らじゃなかったんだが暇つぶしくらいにはなってくれるよなあ!!」

・アーリス「乱咲。やっぱりお前らか!凌霄さんが言ってた。五右衛門一派だけでこんな大きな事を仕掛けてくるはずないって。」

・セネシオ「まぁそうだな。五右衛門だっけ?あいつは利用させてもらったよ!ハハハハ!!」

・???「っでここにいんの?あんた!」

急に女の声が聞こえた。

・アーリス、トリカ「!!!」

声のする方を見ると塀の上には第陸輪 リン と 第伍輪 ハナキが立っていた。

・トリカ「やはりいましたか……」

・リン「あんたよ!あんた!桂!」

・アーリス、トリカ「!!!」

アーリスとトリカは桂の方を見た。

・桂「こっここには居ない。」

・リン「なーんだ。ここはハズレだったかぁ。」

リンはがっかりしていた。

・アーリス「そうなんだね……桂…やっぱり…やっぱり君が敵に情報を流していた裏切り者だったんだ。」

・桂「…………」

桂は黙って何も言わない。

3日前。作戦会議後。

・凌霄「そうだ、アーリスちょっと二人だけで話があるんだがいいか?」

・アーリス「どうしたの?凌霄さん」

・凌霄「お前さんだけに話ておきたいことがあるんだ。」

・アーリス「話しておきたいこと?」

・凌霄「実は最近五右衛門の動きが活発になっていたんだ。五右衛門とは相対す事が急に多くなった。それなのに何故か捕まえる事が出来ない。それよか何故かこちらの機密情報を知ってる事があった。そこで俺はある仮説を立てた。華組内に裏切り者がいるのではないかと。」

・アーリス「裏切り者!!」

・凌霄「そうだ。そして仮説は現実となってしまったみたいだ。」

・アーリス「いったい誰が?」

・凌霄「確証はないが根拠はある。」

・凌霄「……おそらく…………桂だ。」

・アーリス「桂!!なんで?!だって信頼ある一人じゃ!!」

・凌霄「そう。その信頼が根拠だ。俺の花言葉は「信頼」信頼できるか否かを見極める事ができる。簡単に言うと桂を信頼することが出来なくなってしまった。それもごく最近にだ。」

【花言葉 信頼】凌霄と関わった者との信頼度を測れる。測り方は対象の言動の整合性で判断する。言動とその結果にズレが生じる程、信頼度は下がってくる。これは誰もが無意識にやっている事だが凌霄の場合は考えるのではなく感覚でこれが行われる。信頼度が下がると体内にある根が疼き不快感を覚えるのだった。対象との関わった時間が長い程その感覚は敏感になる。

・アーリス「そんな……桂がなんて。オレは凌霄さんも桂も会ったばかりだから二人のことはあまりわからないけど大切に思いあってることくらいオレにでもわかる。だから……」

・凌霄「まぁ!さっきも言ったが確証がある訳じゃねぇ。信頼は出来なくなってしまったが信じたいとは思ってる。もしかしたらこの件に関係ないことかもしんないしな!」

再び現在。

・アーリス「凌霄さんは最後まで信じたいって。何かの間違いかもって……」

・桂「すまねぇ。アーリス。」

桂は一言謝った。

・リン「なにごちゃごちゃ言ってんのよ!!どうでもいいけど私達はもうここに用はないのよね。行きましょハナキ♡」

・ハナキ「……」

ハナキは振り返り無言で去って行った。

・リン「っでどうすんの?あんた。行くんでしょ?」

バッ!!

桂は塀に飛び乗りリンの隣に並んだ。

・アーリス「桂!!!」

アーリスが桂を呼び止める。

・桂「……」

・リン「じゃあねぇー」

だが桂は塀から飛び降りリンと共に行ってしまった。

・アーリス「待っ!!」

・セネシオ「待つのはてめぇだ!!!」

セネシオがアーリスの行く手阻む。

・アーリス「くっ!」

すると横から、

・トリカ「アーリスさん。アーリスさんは桂さんと乱咲を追ってください。ここは私に任せてください。」

・セネシオ「はぁあ?!!!てめぇ如きが俺の相手になるわけ…」

・トリカ「貴方たちには結構ムカついてるんですよね。」

トリカは静かに怒っていた。


47話 怒りと怒り

・セネシオ「ムカついてる?それはこっちの台詞だ!お前あん時何も出来なかった奴だろ?笑わせんなよ!」

・トリカ「あの時は。ですね。」

トリカはセネシオの目を真っ直ぐ見た。

・セネシオ「はははは!苛つくな!その目!良いだろうそんなに自信があるならやってやるよ!!ぶっ殺してやる!!アーリスその後お前も追いかけてぶっ殺す!そしてお前らの首をこの屋敷に並べてやるよ!!」

・トリカ「吠えるのはもういいですか?」

・セネシオ「なに!!!」

・トリカ「行ってください。アーリスさん。」

・アーリス「大丈夫?」

・トリカ「愚問ですね。」

トリカは笑った。

・アーリス「任せたよ。」

アーリスは乱咲と桂を追い掛けて行った。

・トリカ「さぁ。始めましょうか。」

・セネシオ「ああ!!さっさとやろう!!ぶち殺してやるよ!!」

・トリカ「ああそれから先に言っておきます。私は色技は使いません。使うのはこれだけです。」

そう言うとトリカ強く握りしめた拳をセネシオに見せつけた。

・セネシオ「おい。てめぇ。さっきから何だ?何がしてぇ。俺を怒らして何になる?」

セネシオは苛つく様子を見せて言った。

・トリカ「怒らせる?貴方が勝手に怒ってるだけでしょう?ずっと……ずっと怒ってるのはこっちだっていってんだよぉお!!!!!」

・セネシオ「!!」

セネシオは冷静だったトリカの激昂する姿に驚いた。

・セネシオ「へぇ。お前意外と熱いとこあんのな。」

・トリカ「……」

・セネシオ「いいぜ!!乗ってやるよ!!」

シュッ!

セネシオは色技で銀色の鎖を出してトリカの左手首に巻き付けた。その鎖の反対側を自らの右手首にも巻き付けた。

・セネシオ「俺もこれ以外の色技は使わねぇ。ただ後になってビビって逃げれねようにしてやった。」

・セネシオ「お前ただのムカつくやつだと思ってたけど、おもしれぇ。久々に楽しめそうだ!!あまり俺をがっかりさせるなよ!!さあ!!存分に殴りあおうや!!!」

グッ!!

セネシオは繋がれた鎖を引っ張った。

トリカは引き寄せられながら右拳をだした。

セネシオも同じく右拳をだした。

ゴスッ!!ゴスッ!!

両者は互いの頬を殴り合った。

・セネシオ「へぇ。良い拳じゃねえか。」

・トリカ「そちらもただ吠えてるだけじゃなさそうですね。」

二号邸。

・薊「他はもう始まったようですね。」

その時二度目の鐘の音が鳴り響いた。

カンッ!カンッ!カンッ!

・薊「どうやら五右衛門は一号邸にいるようですね。」

・グラジオラス「どうして分かるの?」

・薊「それは予め五右衛門がどこの屋敷に来たかを鐘の音で知らせるように決めていたからです。一度目の鐘の音は敵襲の合図、二度目が五右衛門の居場所の合図、鐘の音を三回で一号邸、四回で二号邸、五回で三号邸と決めておりました。」

・グラジオラス「なるほど。」

二号邸にも敵の姿が現れた。

・薊「こちらにも来たみたいですね。さぁ鬼が出るか蛇が出るか。」

ゴンッ!!

塀の上に勢いよく人影が現れた。

・グラジオラス、薊「!!!!!」

・薊「なっなんでお前がここに?!!!!」

人影の正体は五右衛門だった。

 

48話 裏切り者

・アーリス「待って!!桂!!」

アーリスは移動中のハナキとリンと桂に追いついていた。

ハナキとリンと桂は動きを止めた。

・リン「もう!!何してんのよセネシオは!!」

リンは怒った様子でそう言った。

・アーリス「桂。一緒に皆に謝ろう。まだ間に合うよ。」

・桂「……」

桂は震えながら唇を噛み締めた。

・桂「すまねぇ。アーリス。すまねぇ!!!でも駄目なんだ。もう俺にはこうするしか……」

・リン「はぁ。めんどくさいわね。桂、あんたこいつ相手をしてなさい。」

・桂「……」

リンは桂の耳元で囁いた。

・リン「逆らったらどうなる分かってるわよね?」

桂の表情が曇った。

・リン「行きましょ!ハナキ♡」

ハナキとリンは再び行ってしまった。

・アーリス「まっ待て!!」

ザッ!

アーリスの動きを止めるように桂は刀を構えた。

・アーリス「!!!」

・アーリス「なんで……なんで!!」

・桂「うぉおおおお!!」

桂はアーリスに刀で切かかる。

キンッ!!

アーリスは水仙の篭手ホワイト ガントレットで刀を弾き飛ばした。

そしてアーリスは思いっきり桂の頬を殴った。

ガサー!

桂は地面に倒れた。

アーリスは倒れた桂の胸ぐらを掴み言った。

・アーリス「桂!!君じゃオレには勝てない!!何度も何度も腕相撲したよね。あの時からもう既に分かってたはずだ!!!」

・桂「分かってる。分かってるよぉお!!!でもやらなきゃ!!やらなきゃ……」

桂は涙を流していた。

・アーリス「!!」

・アーリス「いったいどうしたの?あいつらに何をされてるの?」

アーリスは優しく聞いた。

・桂「乱咲に……母親を人質にされて…」

その瞬間アーリスの表情が怒りに満ちた。

一週間前。

・桂「野菜安く買えてよかったな!」

・桂母「もう!あんたが怖い顔で八百屋さんを睨みつけるから!!申し訳ないわ。ほんとに。」

・桂「ちょっと安くならないか聞いただけだぞ。」

・桂母「昔からそうなんだから!もう誰に似たのかしら!」

・桂、桂母「はははは!」

桂達はたわいもない会話をしていた。

ドスッ。

急に一緒に歩いていた母親の声が聞こえなくなった。

桂は不審に思い振り返る。

そこには気絶している母親と乱咲のリンの姿があった。

・桂「誰だ!!お前は!!!」

・リン「しぃー。静かにしなさい。この女がどうなってもいいの?」

・桂「くっ!」

・リン「安心しなさい。ただ眠ってるだけよ。用があるのはあんたの方。あんた華組でしょ。しかも結構偉い立場なんだってね。あんたに仕事を頼みたいの。何簡単な仕事よ。もちろん断らないわよね?」

リンはニヤリと笑った。

現在。

・桂「それから母さんは連れていかれた。俺は……俺は何もすることが出来なかった!!ただ言いなりになるしか!!どうすればよかった?それで大好きな華組を裏切った!!母さんを見殺しにしたらよかったのか!!!」

・アーリス「……」

・桂「アーリス!!母さんを!!母さんを助けてくれ!!!!」

・桂「うわぁああああああ」

桂は大声で泣きながらアーリスにお願いをした。

アーリスは桂の肩を強く掴んだ。

・アーリス「よく言ってくれたね。絶対!!絶対にオレが助けだすから!!!」

アーリスは立ち上がり桂を後に歩きだした。

その表情は憤怒に満ちていた。


49話 五右衛門と乱咲

一号邸 。

キンッ!カンッ!

凌霄と五右衛門の武器がぶつかり合う。

・凌霄「(何だ?この違和感は……)」

キンッ!

凌霄は五右衛門の攻撃を弾いた。

ズゴッ!!

すかさず五右衛門の喉元に十手を突き刺した。

五右衛門は飛ばされ仰向きに倒れた。

凌霄は倒れた五右衛門に十手を向けながら言った。

・凌霄「誰だ?てめぇ?弱すぎる。五右衛門じゃないな?」

その瞬間五右衛門だと思ってた者の姿がドロドロと変わって緑族の男が現れた。

油菜 菜種あぶらな なたね】五右衛門の直属の部下。変身の色技を扱う。

・油菜「ちきしょー!バレちまったか!でも時間は稼げたぜよ。あんたには勝てないからな。それではドロンぜよ!」

油菜は華組戦闘員の中に紛れ込んだ。

・油菜「異形葉性ぎそうへんしん

油菜は戦闘員の姿に変身をして逃げだした。

・油菜「(へへ!じゃーな!!)」

しかし油菜は正体を気づかれていた。

ズゴン!!!

凌霄は油菜の真上から十手で勢い良く地面に叩きつけた。

・油菜「なっなぜ分かっ……」

油菜は気絶した。

・凌霄「舐めんじゃねぇ!!俺ら華組は家族だ!!俺の家族にお前みたいなこそ泥の腑抜けは居ねぇ!!!」

凌霄は花言葉信頼で敵の正体を暴きだした。

・凌霄「ちっ!こいつが五右衛門じゃねぇってことは……二号邸がやばいな……」

二号邸。

・五右衛門「なんでお前がか!教えてくれんだよ!盗賊の勘がな!!ここにお宝があるってよぉお!!」

そう言いながら五右衛門はグラジオラスに鉈で斬りかかった。

キンッ!!

グラジオラスは刀で受け止めた。

それを見て薊が五右衛門の後ろから刀で斬り掛かる。

その瞬間。

ブワッ!!!

・五右衛門「野郎梅やろううめ 釜茹地獄かまゆでじごく

五右衛門の顔と体は真っ赤になり熱気と湯気を周りに放った。

・グラジオラス、薊「熱っ!!」

野郎梅やろううめ】五右衛門の色技。身体中を巡る色素に熱を持たせることにより。身体能力を飛躍させる。熱により体からは湯気がでて見た目が梅干しのように真っ赤になる。

・五右衛門「がっはっはっは!!この前より熱ちーだろ!!そぅらぁあ!!」

五右衛門は鉈を振り回す。

ガンッ!ガンッ!

グラジオラスと薊は刀で受けるが重い攻撃によって飛ばされる。

・グラジオラス、薊「くっ。」

戦闘中のさなかハナキとリンが二号邸に到着した。

・リン「何、遊んでんのよ!!五右衛門!」

・グラジオラス「乱咲!!」

・薊「乱咲?!あれが…」

グラジオラスと薊は驚いていた。

・五右衛門「やっと来たか!!乱咲さんよぉお!!」

・リン「目的の女はこの屋敷よ!さっさと行きなさい!!」

・五右衛門「へへっ!気の強ぇー女だな!やっぱり俺の勘は当たってたって訳な!!」

・薊「くそ!なんでばれた?!!」

・リン「ふふっ。あんたらの中にユダがいたのよ。」

リンは笑いながら言った。

・薊「こちらの情報はそちらに流れてたわけですね……」

薊は悔しそうな表情を浮かべた。

・五右衛門「なら!そろそろ仕事すっか!!俺に盗めねぇものはねぇえ!!!」

そう言うと五右衛門は縁側を守っていた戦闘員4人をなぎ払いそのまま襖を壊して屋敷の中に入って行った。

・グラジオラス「待て!!」

グラジオラスは五右衛門を追おうとした。

ズドンッ!!

・グラジオラス「!!!」

グラジオラスの上から大きな十字架が降ってきた。グラジオラスは辛うじてかわした。

・リン「行かせるわけないでしょ!!ねぇーハナキ♡」


50話 問

ガララッ!!!

五右衛門は勢いよく襖を開けた。

・五右衛門「ビンゴだ!!」

襖を開けた先には蜜柑と櫻子とアルテミシアがいた。

・蜜柑「五右衛門…」

・アルテミシア「あいつが五右衛門なの……みんなが心配なの。」

・櫻子「(グラス。……きっとグラスは来てくれる。)」

・五右衛門「盗りにきたぜ!!嬢ちゃん!!」

そう言うと五右衛門はいきなり鉈を振りかざした。

ガキンッ!!

五右衛門の攻撃を止めたのは蜜柑だった。

蜜柑の手には鉄の扇子があり五右衛門の鉈を受け止めていた。

・蜜柑「わっちを盗りにじゃと?笑わせぬのじゃ!!自分の身くらい自分で守れるのでありんす!!」

蜜柑は五右衛門の鉈を振り払った。

・蜜柑「櫻子、ねぇたま、下がっておるのじゃ。」

・五右衛門「へ〜お宝自身が自分を守るたぁね!これは驚かされたぜ!!」

・五右衛門「それにしても最近は気が強ぇえ女が多いな!まぁ、そーゆうのも結構好きだぜ!!」

二号邸 外。

・アーリス「(あの屋敷だ!!)」

アーリスは二号邸に到着した。

アーリスは勢いよく塀にジャンプして登った。

・アーリス「!!!!」

アーリスは塀から見下ろした景色に言葉を無くした。

そこには残酷な景色が広がっていた。

中庭の至る所に12本の大きな十字架が立っていた。そこには花組の戦闘員と副隊長の薊が貼り付けられていた。貼り付けられた者の体には荊棘が刺さりそこからは血が流れていた。

シュッ!!

ハナキの荊棘がグラジオラスを襲う。

ガッ!!

そこにアーリスが割り込み荊棘を掴んだ。

・グラジオラス「アーリス!」

・アーリス「大丈夫?グラス。」

・グラジオラス「ああ。何とか。でも櫻子ちゃん達が危ない。五右衛門が中に行ってしまった。」

・アーリス「なら、五右衛門はグラスに任せていい?」

・グラジオラス「ああ。分かった。」

グラジオラスはアーリスの表情を見て何かを察した。

ザッ!!

・グラジオラス「ありがとう!!アーリス!!(櫻子ちゃん!!今行くからね!!)」

グラジオラスは屋敷に入って行った。

・リン「なーんだもう追いついて来ちゃったの?本当に使えないわね。あいつ。」

・アーリス「もうそれ以上喋るな……」

・リン「はぁあ?」

・アーリス「喋るなって言ってんだよぉお!!!」

アーリスは走りだしハナキに殴りかかった。

ドゴンッ!!!

ハナキは十字架でアーリスの攻撃をガードした。

ガララ…

十字架は崩れ落ちた。

・ハナキ「処刑の荊棘鞭エクスキュート ウィップ

地面から無数の荊棘が出てきてアーリスを襲う。

アーリスは後ろに下がりながら鞭を全てかわした。

・ハナキ「……」

いつも沈黙していたハナキが口を開いた。

・ハナキ「リン。僕に力をよこせ。十字架の問イエスorノー

・リン「勿論!答えはYESよ♡」

・リン「マリアの口付けキスミークイック

リンはハナキの頬にキスをした。

するとリンの色素がハナキへと移りハナキの色素量が大幅に増えた。

十字架の問イエスorノー】ハナキの色技。対象に命令をする。対象者はYESかのNOで答えなければならない。答えがYESの場合は命じたことがどんなことであろうとその者のできる範囲で必ず実行される。NOの場合はハナキが命を落とすことになる。この技は諸刃の剣であるがリンは双子の弟であるハナキを溺愛しているため対象者がリンの場合は成功率は99%である。この色技は桂にも使用されていて、桂の場合は脅されてしたがざるおえない状況を作りだしていた。

マリアの口付けキスミークイック】リンの色技。対象にキスをする事により色素を譲渡する事ができる。

・ハナキ「処刑の荊棘鞭エクスキュート ウィップ

ハナキの足元からさっきの数倍の荊棘が生えてきた。荊棘は異様な空気を放っていた。

・アーリス「それがどうした。こいよ。」

アーリスは静かに言ったが。その言葉には怒りが溢れていた。

・アーリス「水仙の脚纏ホワイト レガース

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