第5話

21話 グリフォン

・グラジオラス「石蛙ストーンフロッグの石化ごと壊すなんてスゴい破壊力だね!」

・アーリス「へへへ」

アーリスは喜んだ。

・グラジオラス「これなら結構いけるかもね…よし!じゃあグリフォンの所に行ってみよう!!」

・アーリス「今日で倒しちゃったりして!」

・グラジオラス「そんなに甘くは無いかなー ハハハ。」

・アルテミシア「気を引き締めるなの。」

アーリス達は魔物を倒しながらグリフォンのいる場所を目指した。

2時間後。

・グラジオラス「そろそろだよ。」

・アーリス「魔物を倒しながらだと時間かかっちゃうね。」

・トリカ「皆疲弊していますね。」

・アルテミシア「色素も薄くなってきてるなの。」

・グラジオラス「そう。ここまで来るだけでもかなり大変なんだ。だから今日は遠くからグリフォンを見るだけ。」

辺りは少し開けてきた。

・グラジオラス「ほらあそこに卵が見えるよね?それがグリフォンの巣なんだ。もう少しだけ近づくよ。静かにね。」

その時だった

ガサッ!

・全員「!!!!!」

多狼ヌマラスウルフが現れた。

アオーーーン!!

多狼の遠吠え。

・グラジオラス「やばっ!!!!」

突然大きな影がアーリス達を覆う。

ズドンッ!!!

・多狼「キャンっ!!」

グリフォンが空から飛んできて多狼を踏み殺した。

・アーリス「これがグリフォン…」

・グラジオラス「見つかった!みんな!!逃げろ!!!」

ドスンッ!! ドスンッ!!

全員は逃げようとした。それを遮るようにもう2匹のグリフォンが降りてきた。

・アルテミシア「1匹だけじゃないの!!」

3匹は同時に爪で攻撃してきた。

ガッ! ガッ! ガサッ!

アーリスとグラジオラスとトリカは飛ばされた。

・アーリス「くそっ!!(アルテが危ない!!)」

・アルテミシア「みんな逃げてなの!!!」

・アルテミシア「癒しのキュアヴァイオリンff+Grandioフォルテッシモ グランディオーソ

大きな光の円が広がりアーリスとトリカとグラジオラスを回復させた。

グギャー!!

グリフォンが3匹同時にアルテミシアに爪で攻撃をしてきた。

・アルテミシア「(やばいなの。)」

アルテミシアは目を閉じた。

ガンッ !ガスッ!キンッ!

アーリス、トリカ、グラジオラスはアルテミシアとグリフォンの間に滑り込みそれぞれの武器、篭手、弓、刀でグリフォンの爪を防いだ。

・アルテミシア「(色素が………)」

アルテミシアは疲弊した体に追い討ちをかけるように大技を使ったため色素が不足していた。

フラッ。

アルテミシアは倒れそうになる。

ガッ!

それをアーリスが止め、アルテミシアを抱えた。

・アーリス「逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!」

アーリスは叫んだ。

3人は真っ直ぐ全速力で走った。

それでもグリフォンは後ろから追いかけてきた。

・トリカ「行ってください!!!」

トリカは一人振り返りありったけの毒をのせて矢を3発放った。

・トリカ「致死毒の勁矢リーサル ポイズン

シュッ!シュッ!シュッ!

グリフォンは野生の勘で毒に感ずき矢を避けた。

その隙にトリカはアーリス達の元にもどった。

グリフォンは諦めた様子だった。

・アーリス「大丈夫?トリカ!」

・トリカ「ええ。私は大丈夫です。ですがアルテさんが色素枯渇を起こしています。早く宿に戻りましょう。」

・アルテミシア「はぁはぁはぁ……」

アルテミシアは苦しそうにしている。

【色素枯渇】色素を使いすぎて空になった状態。ブルームにとっては極めて危険で、死に至ることもある。

3人は黙って走り続けた。

どうしようもできない後悔が押し寄せてくる。


22話 謝

・アルテミシア「ここは……どこ…なの。」

アルテミシアは天井を眺めていた。

すると手に温もりを感じる。

見てみるとアーリスがアルテミシアの手を握って突っ伏して寝ていた。

アルテミシアが動いたことに気づきアーリスは起きた。

・アーリス「アルテ!!!!アルテ!!!良かった!本当に良かった!!おれっ!おれっ!……」

アーリスは泣きそうになりながら言った。

ガチャ!

扉からトリカとグラジオラスが入ってきた。

・トリカ「アルテさん!!」

・グラジオラス「アルテ!!」

二人ともアルテミシアの姿をみて安堵した様子だった。

・アルテミシア「みんな、もう大丈夫なの。全員無事で何よりなの。助けてくれてありがとうなの。」

・アーリス「違う!!」

・アルテミシア「!!!!」

アーリスは勢いよく立ち上がった。

そしてそのまま両膝と頭を地面につけた。

・アーリス「ごめん!!!!アルテを危険な目に合わしてしまった!守るどころか守られてしまった!グリフォンに囲まれた時怖かったと思う。それなのに、それなのに、真っ先にオレらを逃がそうと……足りなかった。覚悟が!!強さが!!だから、約束する…もっと!もっと!!強くなるって……」

・アルテミシア「…………」

・アルテミシア「そんな約束要らないの。ごめんだなんて要らないの。」

・アーリス「!!」

アーリスは頭を上げてアルテミシアの方を見た。

・アルテミシア「みんなで強くなったら良いなの。ボクはみんなが好きだからやったの。みんなが好きだから守りたいと思ったの。アーリスと気持ちは同じなの。だから一人でそんな責任を背負い込まないで欲しいなの。自分のせいだなんて思わないで欲しいなの。だってボクたち…仲間…なんだから……なの…」

・アーリス「…………」

アーリスの目を潤んでいた。

・アルテミシア「もう!!恥ずかしいの!!二度とこんな事言わないなの!!」

全員「ははははは」

全員は、一斉に笑いあった。

ガチャ。

部屋の扉が開く音が聞こえ全員がそちらをみた。

・アーリス「モンブランさん。」

扉からモンブランが入ってきた。

・モンブラン「話を聞いてしまいました。とても良い仲間ですね。」

アルテミシアは恥ずかしそうに下を向き顔を赤くしていた

・モンブラン「事情は聞いております。大変でしたね。それで一つご提案なのですが私に修行の手伝いをさせて頂けませんか?」

アーリスはきょとんとした。

・アーリス「モンブランさんは強いし、嬉しいけどなんで急に?」

・モンブラン「なに、強いて理由をあげるなら、私も貴方たちを見ていて''好き''になったみたいです。ハハハ」

アルテミシアはまた顔を赤くして小さな声で言った。

・アルテミシア「もぉ!」

部屋の中の空気が明るくなった。

・モンブラン「それでは具体的なことなのですが、先ずはアルテミシア殿には体を治すことを優先して頂きます。色素枯渇は一般的には完治まで最低一ヶ月長くて一年かかることがあります。ですがアルテミシア殿の場合、珍しく体質なのか色素の濃くなるスピードが早いです。予想では完治まで一週間ってところでしょう。」

・モンブラン「そしてその一週間アーリス殿、トリカ殿、グラジオラス殿には橋に入る事を禁止します。」

・アーリス「禁止?」

・モンブラン「左様です。私との対人戦闘訓練をひたすら行ってゆきます。もちろん色技を使ってもらって構いません。」

・アーリス「色技も?!」

・モンブラン「ええ。私は戦闘向きの色技ではないので使いませんがね。」

・アーリス「危なくない?」

・モンブラン「大丈夫です。むしろ危ないのはアーリス殿達の方です。私は手加減は一切しませんので。」

・アーリス「分かった!モンブランさんがそう言うなら従うよ!強くならなきゃだから!!」

・モンブラン「良い心掛けです。」

・モンブラン「では、早速になりますがこれから外に行って修行を開始します。」

・グラジオラス「一分一秒が惜しいもんな!!」

・トリカ「モンブランさん。よろしくお願いします。」

・アーリス「アルテ!行ってくるね!!!」

アルテミシアはニコッと笑い優しくアーリス達に手を振った。


23話 修行

宿から近くのとある森

・モンブラン「それでは早速初めてまいります。環境も世界樹の橋ユグドラシルに似ているこの森で行います。勝利条件は、そうですね…初めは私に一発入れられたら、一週間後の目標は私と組手できるようになる、でしょうかね。さぁ誰から来ますか?」

・アーリス「もちろん!オレからだ!!強いって分かってるんだから初めから飛ばしていくね!!水仙の篭手ホワイト ガントレット

・モンブラン「いつでもどうぞ。」

アーリスは飛び込んだ。拳を左右と繰り出した。

モンブランはヒラヒラと軽々交わす。

・アーリス「(なら、これならどうだ!)せーの!!白ノ衝撃ホワイト インパクト

アーリスは攻撃すると見せかけてモンブランの足元を勢いよく殴りつけた。

ゴンッ!!

地面はえぐれ衝撃で砂利や石が飛んでいく。

これを目隠しにアーリスは更に攻める。

モンブランは顔を手で守る仕草を見せた。

・アーリス「(ここだ!!)」

ヒュッ!

アーリスはいけると思った瞬間、額に石が飛んできた。

・アーリス「痛っ!!」

モンブランは飛んできた石から顔を守ったのではなく石を攻撃に使う為にキャッチし、すぐ様投げ返したのだった。

・アーリス「くっそー」

アーリスがモンブランの方を見るとモンブランは既にそこにはいなかった。

・モンブラン「余所見は禁物ですよ。」

アーリスは後ろから声が聞こえ咄嗟にカウンターを合わせようとした。

しかしそのカウンターの腕を掴まれアーリスの攻撃を利用するように投げ飛ばした。

ドンッ!

アーリスは木に激突した。

激突した瞬間モンブランの追い討ちがきた。

バキバキッ!

モンブランの拳はアーリスの腹部に突き刺さりその勢いで木はへし折れた。

・アーリス「うっ……」

アーリスはお腹を押さえぐったりしている。

・モンブラン「見た目は派手ででしたが内蔵を傷付けないように殴ったので直ぐに動けるようになりますよ。」

・モンブラン「石や砂を目隠しにするのはいい案でした。ですが相手がそれを利用する可能性も忘れないように。我々はこれを考えてから行いますが野生の生き物は反射でやってきます。魔物達も生き死にがかかっているので思いもよらない行動をしてきます。常に予測、予想をすること、予想が外れる予想もしておくことです。」

・モンブラン「さて次はどちらが?」

モンブランは振り返りトリカとグラジオラスに言った。

・トリカ「私でお願いします。」

・トリカ「紫毒の弓ヴェノム アルコ

・トリカ「安心してください。矢に毒は塗っておりませんので。」

・モンブラン「お気遣いありがとうございます。ですが当たらないのでご心配なく。」

シュッ!シュッ!

トリカは矢を放った。

ザクッ!ザクッ!

モンブランは矢を交わし矢は後ろの木に刺さった。

モンブランは距離を詰めた。

・トリカ「はやっ、」

モンブランの攻撃。

トリカは弓でかろうじてガードした。

だがどんどん押される。

・モンブラン「遠距離タイプとの戦い方のセオリーは一気に距離を詰め近接攻撃を与えること。ですが流石です。それが分かっているからこそ近接戦闘がお上手で。」

モンブランは後ろに下がる。

ダンっ!

モンブランは木を蹴りつけた。

木からはたくさんの木の葉が舞い散る。

スー。

トリカが一瞬、木の葉に目をやった隙にモンブランは森に隠れた。

トリカはすぐ様、弓を構える。

・トリカ「!!!」

・トリカ「(しまった。この場所は…)」

トリカの周りは木々が多く弓矢が扱いにくい場所であった。最初のモンブランの攻撃でここに誘い込まれていたのである。

ヒュ!

何かが飛んできてトリカの頬を切った。

・トリカ「くっ!」

それはそこら一帯をヒラヒラと舞い落ちている木の葉だった。

・モンブラン「投げているものは葉っぱですので大怪我することはありません。ですが私の色素を込めて投げております。薄皮くらいは軽く切れますよ。」

トリカは首を左右に振りモンブランを探す。

だが声がどこから聞こえているかもわからない。

シュッ!

葉っぱがとんでくる。

トリカはかろうじて交わす。だがすぐ様また飛んでくる。

シュッ!シュッ!シュッ!

どんどん飛んでくる葉の枚数は増えていき四方八方からの攻撃は交わせないでいた。

トリカは傷だらけになった。

・モンブラン「終わりですね。」

・トリカ「!!!」

声が聞こえた瞬間にはモンブランはトリカの後ろにいて首元には鋭い葉っぱが突きつけられていた。

・モンブラン「遠距離タイプは意外と遠距離タイプが苦手だったり環境に優劣が左右されやすいです。相手の分析とその場その場の環境を逆手に取る意外性さと臨機応変さを身につけるといいでしょうね。」

・モンブラン「さて、では最後ですね、グラジオラス殿。貴方は橋で一ヶ月修行を積んでますね。期待しております。」

・グラジオラス「期待は超えるものだよね!」

・グラジオラス「おいで。瑠璃」

瑠璃は空中を泳いでいる。

グラジオラスは刀を構えた。

・モンブラン「刀相手に丸腰は私でも少しきついのでこれを使わせて頂きますね。」

スッ…

モンブランは胸ポケットに指していた万年筆を取り出した。

・グラジオラス「???」

・モンブラン「これは月光鉱石ムーンブライドでできた私特製の万年筆です。強度は勿論、色素が伝わりやすくなっております。これ以上の説明は不要ですよね。」

・モンブラン「いつでもどうぞ。」

グラジオラスは刀で切りつける。

スッ スッ

モンブランは刀を交わし刀の峰打ちに万年筆で力を重く載せた。

グラジオラスはバランスを崩し転んだ。

・モンブラン「やはり良い太刀筋ですね。」

モンブランの服の端が少し切れていた。

・モンブラン「しかし影の能力は使わないのですか?」

モンブランはグラジオラスに質問した。

・グラジオラス「だってもう知ってるんでしょ。知ってる相手に使ってもそこから攻撃しますよって教えてるだけだからね。」

・モンブラン「ほぅ。」

・モンブラン「(つまりあの鯉はブラフ。鯉と自分の影に意識させ注意の分散が目的でしたか。それを色素を消費してまでも…)」

・モンブラン「やはり貴方は戦いの才がお有りみたいですね。」

ザッ!

グラジオラスは飛びかかる。

それに合わせてモンブランは万年筆を突き出した。

スカッ

・モンブラン「??!!」

・グラジオラス「(影重ね)」

モンブランが攻撃したのはグラジオラスが作り出した。影の幻影だった。

トプンッ

・グラジオラス「影沼」

グラジオラスはモンブランの影からでてきて峰打ちで切りつけようとした。

・グラジオラス「(取った!!)」

シュッ!!

その瞬間モンブランは消えグラジオラスの後ろにいた。

グラジオラスは動けないでいた。

モンブランは万年筆を突きつけていた。万年筆のペン先がキラっと光を反射させた。

・グラジオラス「くっそー!取ったと思ったのに〜」

・モンブラン「申し訳ありません。私も色技を使ってしまいました。咄嗟だったものでお許しを。」

【ノアの方舟】モンブランの色技。万年筆で印を付けた所に万年筆で印を付けた物や人物を転移させることができる。転移させるものの量や大きさで転移にかかる時間が変わってくる。

・モンブラン「まさかあの言葉自体がブラフだったとは流石ですね。グラジオラス殿はこのまま剣術に磨きをかけること瑠璃をだす持続時間を伸ばすことですね。情報は武器です。瑠璃から得られる情報をより活用できるように考えて見てください。」

モンブランは三人と手合わせをしてそれぞれに的確なアドバイスをした。

こうしてアーリス達の修行が始まった。

・モンブラン「それではアーリス殿、もう一度です。」

・アーリス「よーし!次は負けないからねー!!」


24話 再挑戦

一週間後

アーリス達が修行を行っている森。

アルテミシアは歩いてアーリスの元に向かった。

ガッ! ガッ! ドッ!

アーリスはモンブランと組手ができるまでになっていた。

・アーリス「!」

アーリスはアルテミシアに気づいた。

・アーリス「おーい!アルテー!!」

アーリスはアルテミシアの元に駆け寄った。

・アーリス「もう体は大丈夫なの?」

・アルテミシア「もうバッチリなの。ボクもずっと寝たきりだったから早く体を動かしたいの。」

・アーリス「なら良かった!元気が一番だね!」

・アルテミシア「修行は順調そうなの。」

・アーリス「うん!!こっちもバッチリだよ!!」

アーリスとトリカとグラジオラスの三人はアルテミシアに向かってガッツポーズをした。

・モンブラン「アルテミシア殿の具合も良さそうで何よりです。それでは本日からまた橋への出入りを許可します。」

・アーリス「よーし!腕がなるね!!」

・グラジオラス「待っててね!櫻子ちゃん!絶対強くなって会いに行くからね。あっでももう少し時間がかかりそうだからゆっくり休んで体調には気をつけて…………」

グラジオラスは空を見ながらブツブツと呟いている。

・トリカ「どこ見てるのですか?グラスさん。」

・アルテミシア「無駄なの。もう自分の世界なの。」

全員クスッと笑った。

・アーリス「みんな聞いて欲しいんだ。」

全員アーリスの方を見る

・アーリス「これからまた世界樹の橋ユグドラシルに入るけどグリフォンに挑むのは一ヶ月後にしようとおもうんだ。」

・アルテミシア「ずいぶん慎重なの。」

・アーリス「うん。慎重なのもあるけど、もっと野生に触れたいんだ。何か変われる気がして。」

・モンブラン「良い判断です。アーリス殿。野生の勘、生存本能そのようなものを身近に感じることにより戦闘技術の成長だけでなく色素量が増え濃くなることも期待できるでしょう。」

・アルテミシア「分かったなの。異論はないなの。」

・アーリス「それじゃあ行こう!」

世界樹の橋ユグドラシル入口

・アーリス「行ってくるね!モンブランさん!」

・モンブラン「今の貴方達なら心配ないでしょう。ご検討をお祈りしております。」

モンブランは少しニコッと微笑んだ。

ゴゴゴゴゴ!

世界樹の橋ユグドラシルの入口が開く。

アーリス達は入っていった。

数分後

魔物との遭遇。大きな角を持つ鹿だった。

・グラジオラス「あれは角鹿アントラディアだね」

・アーリス「オレがやるよ。」

角鹿はアーリス目掛けて突進してきた。

アーリスはいなす様に角を掴みその勢いのまま投げ飛ばした。

ドンッ!

角鹿は近くの木に激突した。

角鹿はよろよろと立ち上がろうとする。

アーリスの追い討ち。アーリスは角鹿の背中に飛び乗り首を絞め落とした。

角鹿は抵抗し少し暴れたが直ぐに気を失って倒れた。

・アルテミシア「強くなってるなの。色技も使わないで……なの。」

・アーリス「へへへ」

アーリスは嬉しそうだった。

その後アーリス達はたくさんの魔物と戦った。

そして一ヶ月後。

・アーリス「みんなー準備できたー?」

・アルテミシア「OKなの。」

・トリカ「問題ありません。」

・グラジオラス「待っててね櫻子ちゃん…………」

各々返事をした。

・アーリス「それじゃあ!!リベンジマッチだ!!!」


25話 通行証

・トリカ「グリフォンの巣までも疲れずに行けるようになりましたね。」

・アーリス「うん!確実におれら強くなってる!」

・グラジオラス「そろそろだよ。」

アーリス達は巣の近くの茂みにしゃがみ込んだ。

・グラジオラス「ほらっあそこいるよ。やっぱり3匹だ。」

ヒソヒソと話す。

・アルテミシア「どうするなの?作戦はあるなの?」

・アーリス、トリカ、グラジオラス「………………」

ザッ!!!

三人は勢いよく立ち上がった。

・アルテミシア「!!」

・アーリス「もちろん!!真っ向勝負だ!!!」

そういうと三人は巣の方へと堂々と歩きだした。

・アーリス「アルテ、下がってて。オレら絶対に負けないから!!」

グリフォンはこちらに気がつく。

グアァ!!!

巣に近づくアーリス達に怒っている様子だ。

・アーリス「水仙の篭手ホワイト ガントレット

・トリカ「紫毒の弓ヴェノム アルコ

・グラジオラス「おいで。瑠璃。」

三人は構えた。

ザッ!

三人は同時に別方向に走り出しグリフォンを一匹ずつ引き付けた。

グリフォンは爪を立ててアーリスに突進した。

・アーリス「へへっ 効かないね。」

アーリスは足を掴み攻撃を止めた。そのまま空中にグリフォンを投げ飛ばした。

シュッ!

トリカは矢を放った。

グリフォンはひらりと矢を交わし反撃してきた。

グリフォンが羽ばたくと無数の羽が刃のように飛んできた。

トリカは矢を五本一気に放ち、飛んでくる羽に当てて撃ち落とした。

グアァ!!

グリフォンはグラジオラス目掛けて嘴で突進してきた。

キンッ!

グラジオラスは刀で受け流した。

グリフォンはそのまま空中に戻った。

アーリスは投げ飛ばされたグリフォンの元にジャンプした。

フワァァ。

トリカの弓の形が変形し大きくなった。トリカは力強く弓を引っ張る

・グラジオラス「影沼」

グラジオラスは空中にいるグリフォンの影に移動した。

・アーリス「白ノ衝撃 砕ホワイトブレイク

・トリカ「猛毒槍ポイゾナス スピア

・グラジオラス「影断かげたち

ズゴンッ!!!

アーリスは力強くグリフォンを殴りつけた。グリフォンはくの字にまがり勢い良く落ちていった。

ズワッ!!!

トリカは槍のように大きな毒矢を放った。毒矢はグリフォンを貫通してグリフォンには大きな風穴があいた。

シュパッ!!!

グラジオラスは空中でグリフォンの首を切り落とした。グリフォンの首と体は真っ二つになり落ちていく。

グリフォンの討伐に成功。

三人は同時に拳を空へと突き上げた。

それを見てアルテミシアが三人の元に駆け寄る。

・アルテミシア「すごいなの!やったなの!!」

アルテミシアは興奮気味に言った。

・アーリス「みんな!やったね!!」

四人は嬉しそうに目を見合って。

全員「イエーイ!!」

四人でハイタッチをした。

アーリス達はレッドエッジに戻り役所に向かった。

・アーリス「見て!モンブランさん!じゃーん!!」

アーリスはモンブランにグリフォンの羽を見せた。

・アーリス「ほら!ちゃんと黒いよ!」

・モンブラン「おめでとうございます。貴方たちならできると信じておりました。」

・モンブラン「それでは通行証を発行します。明日には出来ますのでそれまでは体を休めてください。」

・アーリス「やったねー……」

アーリス達は喜びあっている。

・モンブラン「ところでアーリス殿、少し相談があるのですが……」

・アーリス「どうしたの?」

・モンブラン「アーリス殿達に、わたくしもついて行ってもよろしいでしょうか??」

・アーリス「えっ!いいよ!いいよ!…でもどうしてなの?」

・モンブラン「実はライト様にお使いを頼まれておりまして。アーリス殿達とは行先が同じになります。なので如何かと。」

・アーリス「ライト?ライト…ライト……あっ!王子様か!!うん!それなら一緒に行こう!!」

・アーリス「それじゃあ改めてよろしくね!モンブランさん!!」

・モンブラン「よろしくお願いします。」

アーリスとモンブランは握手をした。

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