おまけ 恋人から皆のアイドルへ



○北海道ニセコ町、高級温泉旅館・温泉&サウナ付き特別室(夕)

    早乙女梨花と聞き手が部屋を出る前。

    梨花が聞き手を正面から抱き締めているため、①スタート。

   (SE:梨花がギュッと抱き締める音・衣擦れ音など)


①「……いや。帰りたくない」


    聞き手:でも、もうチェックアウトの時間が……。


①「チェックアウトなんかしたくない。

  東京なんかに帰りたくない」


   (SE:聞き手が梨花の頭を撫でる音・衣擦れ音など)


①「撫でても無駄だよ。

  帰りたくない気持ちは変わらないから」


   (SE:梨花が強く抱き締める音・衣擦れ音など)

    聞き手:困ったな。でも、それだけ楽しかったんだよね。


①「……うん。楽しかった。

  人の目もなくて君とのんびりできたし、沢山お話もできたから。

  でも、帰りたくないのは楽しかったからじゃないよ?」


    聞き手:じゃあ、どうして?


①「東京に帰ったらさぁ。

  また君に会えない日が多くなるじゃん?

  そんなの……嫌だよ。

  こんなに幸せな時間知っちゃったら、

  もう前みたいに一人で過ごすなんて無理でしょ。

  離れたくない。ずっと一緒にいたいッ」


    聞き手:でも。……そしたら、アイドル辞めるの?


①「……ずるい。どうしてそんな意地悪言うの?

 『アイドル辞める?』なんて、そんなこと聞かなくてもいいじゃん!」


   (バックSE:もし可能なら梨花が聞き手を軽く叩く音)※開始


①「あたしとずっと一緒にいたくないの?

  君の、あたしへの気持ちって……」


   (バックSE:もし可能なら梨花が聞き手を軽く叩く音)※終了


①「その程度、なの?」


    梨花と聞き手の間に沈黙が流れる。

   (SE:梨花が離れる音)


①「(鼻を啜る)……ぐすぅ。

  ごめん。今のはダメだ。言い過ぎた。

  こんなに優しくしてくれてるのにあたし……」


   (SE:聞き手が梨花を抱き締める音)


①「うわぁ! ビックリした。

  …………抱き締めてくれるだけじゃ嫌。

  言葉でもちゃんと言って」


    聞き手:君は……それでもアイドルを辞めるとは言わないんだね。


①「そ、それは……言えないよ。

  だって、お仕事好きだもん。

  もちろん大変なこともいっぱいあるよ?

  でも、本当に沢山のファンが応援してくれて、喜んでくれるから。

  辞めたくないし、簡単には辞められないよ」


    聞き手:そんなに好きな仕事を辞めてなんて……言えないよ。

    聞き手:君の夢も応援したいし邪魔したくない。梨花を愛してるから。

   (SE:聞き手がより強く抱き締める音・衣擦れ音など)


①「うん……うんっ。

  ごめん。あたし、分かってたのに。

  君がちゃんとあたしのこと好きでいてくれてることも。

  愛してくれてるからこそ、応援してくれてることも。

  それなのに、どうしても不安になっちゃって……

  ダメだね。あたし。君の前だと、弱くなっちゃう」


   (SE:聞き手が梨花から少し離れる音)

   (SE:聞き手がポケットに手を入れる音)

   (SE:梨花の首にネックレスを掛ける音)


①「えっ……これってネックレス?」


    聞き手:少し早いけど、誕生日おめでとう。


①「あはは。この旅行が誕プレじゃなかったの〜。

  ちゃーんと物も用意してくれたんだ」


    聞き手:レストランで祝えないし、指輪もダメだろうから。

    聞き手:どこで渡そうか考えてたら、最後になっちゃった。


①「なに〜。じゃあ、ずっとタイミング狙ってたの〜。

  ……もう。すぐにくれてもよかったのに。

  でも、嬉しい。すっっっごく嬉しい。ありがとう♪」


    聞き手:自分はこれくらいしかできないから。

    聞き手:それに梨花が辛い時、近くにいられないかもしれないし。


①「そんなに自分を卑下しないで」


   (SE:梨花がギュッと抱き締める音・衣擦れ音など)


①「すごく元気もらえた。これならまた東京でも頑張れるよ!

  ごめんね。ワガママ言っちゃって。チェックアウトしよっか」


   (SE:梨花が離れようとする音・衣擦れ音など)

    梨花が離れようとするが、聞き手が離れようとしない。


①「ん? どうしたの?」


    聞き手:また辛くなったら旅行に行こう。

    聞き手:今回みたいに人が少ないところに。


①「……もーう。君はいつもそう。

  あたしが諦めちゃうような気持ちすら、掬い上げてくれる」


   (バックSE:梨花がギュッと抱き締める音・衣擦れ音など)※開始


①「あぁ〜〜〜もう!」


    梨花が聞き手の右耳に顔を寄せるため、①から⑦。


⑦「すきすきすきすきすきすきすき♡

  えへへ。やば。めっちゃ元気でた! ありがとう♪

 (右耳にキス)チュ」


   (バックSE:梨花がギュッと抱き締める音・衣擦れ音など)※終了

   (SE:梨花が離れる音・衣擦れ音など)

    梨花が離れるため、⑦から①。


①「絶対だよ。ぜっっっったいまた旅行に行こうね! 約束だよ♪」



《終わり》

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

秘密の恋ボイス〜人気アイドルとのお忍び旅行♡〜 雪華シオン❄️🌸 @hosiuminagi1234

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画