第2話 転生したらマリオになっていた。#初陣1-1

 初代マリオが発売されたのは新年号「平成」が訪れる四年前である。

 ポピュラーで明るい地上の音楽が僕は好きだった。

「……?」

 僕は起きて、空を見上げた。どれくらい眠っていたのだろう。次の瞬間、僕はあり得ないものを見てしまった。

「これは……」

 それはマリオの地上ステージの空だった。


       *


「あれ」自分で動けるぞ、と思いながら僕は歩き始めた。

 しばらく歩いていると茶色い巨体にぶつかった。

「何やってんねん!」

 あまりの痛みに、僕は頭を抱える。

 見上げると、さっきの空だった。「あと四百秒!」と声がとぶ。僕はまた歩き始めた。茶色い巨体——クリボーを踏んでかわす。

 しばらく歩いて、また、僕は空を見上げた。

 ——ジャンプ! 僕は成長した。

 になった僕は、意気揚々と土管の4つ目に到達した。コインを集めても良いけど、確かこの先に1UPキノコとファイアーフラワーがあるんだっけ。0機になったら、僕は、多分

「それは嫌だよ!」

 僕は空を仰いで叫んだ。

「残り250秒!」と声がとんだ。そういえばさっきBダッシュを使って火の玉と残機を回収したから、もう一秒でタイマーが2減っちゃうんだった。

「まずい」僕はいった。(まずいよぉ)

 スターを取った。バンザイ、バンザイ。ちょっと待て!

 ——Bダッシュ直後に左を向いて、僕は野球の打者のような体制になった。なおんないのかな、これ?——

 ちょっと待て! 落ちるじゃないか。

 階段の間に隙間があった。軽く飛んでかわす。土管とコインの入った「?」ブロック。(このドカンはさっきのコイン回収ルートの出口だよな)僕は思い出した。難易度は断然僕のルートの方が高い。僕は笑ってやり過ごすことにした。僕が掴んだ旗の向こうに400という文字がみえた。

 なんだ——。もう3dじゃないか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る