新しい自分への道

翔太が、家でセーラー服を着て過ごすことに少しずつ慣れてきたある日、鏡の前に立ち、自分の姿を改めて見つめることにした。


白いセーラー服に身を包んだ自分の姿。


顔立ちは案外女性らしく見えるが、それに対して、自分の体格のごつさがどうしても気になった。


「やっぱり、体が大きすぎるよな…」


翔太は、セーラー服を着ている自分の姿を見て、違和感を覚えていた。


顔だけを見ると、確かに女性に見えるかもしれないが、筋肉質な腕や肩幅が目立ち、どうしても「女の子らしさ」から遠い自分を感じてしまう。


部活で鍛えてきた身体が、今では彼の新しい生活において障害となっていた。


奈緒美さんのもとで「娘」として過ごすことを決意した翔太にとって、外見の違和感は自分の目標に近づくための課題だった。


彼は決意を新たにし、もっと自然な女性らしい姿になれるよう、努力を始めることを決心する。


「奈緒美さん、ちょっと相談したいことがあるんだ」


夕食後、奈緒美さんがリビングでテレビを見ていると、翔太が真剣な表情で話しかけた。


「どうしたの、翔太?」


「最近、セーラー服を着て鏡を見るたびに、顔はそこまで悪くないと思うんだけど…やっぱり身体がごつくて気になってさ。もっと自然に女性らしく見えるようになりたいんだ」


翔太の言葉に、奈緒美さんは微笑みながら頷いた。


「そうね、確かにまだ少し体格がしっかりしているわ。でも、それは鍛えてきた証だから、無理に否定することじゃないわ。けど、もしもっと自然に見せたいなら、少しずつ筋肉を落として、体を柔らかくするトレーニングを取り入れてみてもいいかもしれないわね」


奈緒美さんの提案に、翔太は感謝の気持ちを覚えた。


自分を否定せずに、前向きなアドバイスをくれる彼女の姿勢に、翔太はさらにやる気を奮い立たせた。


「じゃあ、これからもっと女性らしく見えるように、運動も工夫してみるよ。奈緒美さんが手伝ってくれたら嬉しいな」


「もちろんよ、翔太。あなたが自分らしくいられるように、私も全力でサポートするわ」


それから翔太は、女性らしい体型に近づけるために、筋トレとは異なるエクササイズやヨガを始めることにした。


奈緒美さんの助言で、筋肉をつけるのではなく、筋肉を柔らかくし、体をしなやかにするトレーニングを取り入れた。


毎日のトレーニングが終わるたび、翔太はシャワーを浴び、家にいる時はウィッグをつけて生活するようになった。


坊主頭がどうしても女性らしさと合わず、ウィッグを被ることで、より自然に見せることができるようになってきた。


シャワーを浴び終わり、セーラー服に着替えた翔太は、再び鏡の前に立ち、ゆっくりと自分の姿を確認した。


ウィッグを被り、すっきりとした姿の自分。


前よりも少し女性らしく見える気がした。


「少しずつだけど、変わってきてるのかな…」


翔太は鏡越しに微笑み、内心で成長を感じ始めていた。


まだまだ道のりは長いかもしれないが、奈緒美さんのサポートを受けながら、自分の理想に近づくために努力することができると感じていた。


一方で、奈緒美さんは、翔太が自ら積極的に女性らしくなろうとしている姿を見て、その心の中にある別の感情が浮かび上がり始めていた。


彼の変化に喜びを感じながらも、彼女の望みが現実になっていく中で、無意識のうちに新たな願望が形を取り始めていたのだ。


「翔太…本当に、ここまで変わってくれるなんて…」


奈緒美さんの心の奥には、かつて娘として育てたかった夢が再び燃え上がり、次第に邪な欲望が顔を出しつつあった。

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