第8話
彼女は、詳しくは言えないけど何か重要なことに携わっていたらしい。
いま降り続いている大雪も、彼女の功績だという。たしかに今日の予報は晴れだったし、雲もなかった。
何を聞かされても、正直、うわのそらだった。まだそこに。真っ赤になった雪と、彼女がさっきまでうつぶせていた場所。さっきまでそこに彼女は、いたのに。
「彼女が、好きだったのに」
状況を説明している、たぶん偉いであろうひとに。
「彼女のことを、引き留められませんでした」
なぜか、謝罪する自分。浅ましい。この期に及んで保身かよ。
まだ雪は。止みそうにない。
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