第3話 ごめん、ちょっと意味が分かりません

「お兄ちゃん、ほのかで興奮しちゃいましたか? しちゃいましたかあ~。もっと起っきしてもいいんですよ? ほりほり☆うやうや☆」

「やめて?! こないだの訳の分からん罰ゲームおっぱいパン当てゲームからこんなんばっかじゃないか! お兄ちゃんは君達をそんな風に育てた覚え、ありませんよ!」


 そうだよ。ほのかが言い出した罰ゲームが全ての始まりだった。あれからダブルハニートラップの圧が半端なく増したんだ。


「それなら、お兄ちゃんのお兄ちゃんを育てたのは私達だよ?」

「ごめん、ちょっと意味が分かりません」

「むー」

「というか僕に平穏な生活を! お兄ちゃんはこういう展開、ラノベとゲームの世界で存分に楽しみたい派なのお! 現実では全く耐性持ってないの知ってるくせに!」


 彼女いない歴=年齢だってわかってるでしょ?! 


「寝てる時はあんなにすごい事するのに?」

「誰か! 通訳と援軍を!」

「ほのかだってお兄ちゃんとにゅっぽにゅっぽじゅぷじゅぷあんあんべっしんべっしんぴゅるぴゅる『性活』頑張るもん♪」

「その『せいかつ』、僕が言った漢字と絶対違う!」

「もういっちゃったの? お兄ちゃん可愛い!」

らちが明かねえ!」


 くう……ほのかのペースに巻き込まれていく。何とか喋りつづけて抵抗はしているものの、お尻の密着とエロトークでモヤモヤ感は増すばかり。


 しかもほのかの太ももはしっかりと僕の腕を両側から挟み込んでいるから身動きも取れない。どうしよう。どうすんだこれ!


 落ち着け! 取りあえず深呼吸でこのムラムラ感を……!


 すううううう。

 くう! ほのか、何でこんなにいい匂いなんだ?!


 は、ああああ。

 あかん、息苦しい。深呼吸さえツラくなってきた。


「お兄ちゃん、一生懸命深呼吸してるけど無駄無駄無駄無駄ぁ! ほのかのターンは続くのっ!」

「ズルいぞほのか! お兄ちゃんにもターンを寄こしなさい!」

「だめえ~☆コツコツがグリグリになってきてるもん! ほのかの柔らかお尻はそんなに気持ちいいのかなあ~?」


 何でお尻をずり下げていく!

 ぎゃああ、追い打ちをかけるなあ!

 

 生々しい!

 やたらと温かい!


「うっふ……ほのかヤバいかも、ん、ふ。それにこれは大チャンス。びゅるびゅるさせれば夢オチでごまかせるし☆」

「びゅるびゅるとかイヤらしい言い方やめなさい! それに夢オチってこの状況で寝れる訳ないでしょ! 早くどいてえ!」

「あん! 動いたら、だっめっ、あっ、やんっ」

「押し付けたらダメえ!」


 こ、こすれて……気持ちい……いやいやいやいや!


 漢文、仏語、童謡、百人一首……!

 集中しろ、集中しろ、集中しろ!


 これは夢、夢だ夢夢夢夢!

 こんなん起きたら悲しい洗濯物と遭遇だぞ!


 お。

 何かいい感じ。


 目が覚めたらほのかと葛が軽蔑の眼差しで僕を見てるかもしれない。もうお兄ちゃんって呼んでもらえなくなるどころか、変態キモオタイカ野郎とか言われちゃったら……。


 おお、一気に静まった。それはそうだろ。ずっと僕を大切にしてくれる可愛い妹分に愛想を尽かされるくらいなら、いくらでも我慢できる。

 

 ……ふう。 

 よしよし、心も体もいい感じに落ち着いて来た。

  

 お兄ちゃんはハプニングにも対処できるのだ、ふふふ。


「んしょ……よいしょっと」


 全く、ほのかといい葛といい……よいしょ?


「見て見て! ほのかのお豆さんこんなにぷっく」

「どっせえいいいいい!」

「ひょわあああああああ?!」


 

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