第3話焼き鳥屋さん
こんばんは。DJハヅルのお届けする、オールライト・ニッポン。
毎回、その道のプロの方をお招きし、お話しを聞く番組です。
今夜は焼き鳥屋を営んでいる、クシ・ヤキタロウさんをお招きしました。
「こんばんは、クシさん」
「はい、どうも」
「クシ・ヤキタロウさんは、この道何年ですか?」
「ん〜、75年だね」
「何歳の頃からですか?」
「15だよ、15歳から」
「失礼ですが、お歳は?」
「今年で、満90歳だ」
「90歳!」
「あぁ〜、そうだよ」
「焼き鳥屋を営んで、苦労は何ですか?」
「立つのが、辛いね」
「立つ事ですね?」
「うん。もう、グルコサミン飲まなきゃダメだね」
「グルコサミンは効きますか?」
「80代以上のお年寄りに勧めたいね」
「では、焼き鳥屋さんで失礼なお客様とは?」
「あのね、串から肉を箸で剥がす女の子いるよね?ぶん殴りたくなる。串打ち8年だからね。そんなして食うなら、フライパンで焼くよ!わしは」
「居ますよね。若い女子に多いですね、他には?」
「オレをジジイって呼ぶやつがいるんだよ」
「クシさんをジジイ呼ばわりですか?」
「そうだよ!そんなヤツには、レアで出すね。もう、焼かない!」
「保健所とか大丈夫ですか?」
「業務停止命令を5回受けたね」
「5回も?経済的にキツくないですか?」
「うちはね、85のバァさんと経営してるから」
「売上はいかほどですか?失礼ですが」
「……ん〜、ざっと2億かな」
「2億!焼き鳥屋で2億ですか?」
「おまえ、わしを馬鹿にしてんのか?焼き鳥屋はキチンと焼けば客がくる。焼き鳥募金で、ずっと1億9960万円集まるんだ」
「ってことは、売上は40万円前後になりますが、1年で1億9960万円の募金で経営しているんですね」
「わしを舐めてんのか?これでも、経団連の会長御用達の店なんだ」
「クシさん、最後に一言」
「是非、わしの焼き鳥屋珍々に来て下さい。お願いします。バァさんの代わりに誰か若い人募集。焼き場も募集してます。珍々を宜しくどうぞ」
「今夜は、焼き鳥屋のクシ・ヤキタロウさんでした」
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