6.かつて美しかったもの(前編)

ヤーイン太子は「消えて」なくなった。




計画に携わった人達だけでなく、メイラン市に対しても、太子の目的や、消えた顛末については、ほぼありのままを話した。ただし、レイホーンの件は伏せておいた。ここで明らかにすると、次に進めなくなるからだ。


魔法に縁遠い、一般のチューヤ人には、にわかに信じ難い話だったろうが、メイラン警察の署長を始め、市の要人は、太子がメイランに来た時、一度は対面していた。その顔と、事件の時に描かれた似顔絵、シントン達の証言を合わせると、俺たちの言うことを信じる気になった。


似顔絵の段階で、警察署長あたりは気づいて良いはずだが、ユーノによると、


「あの時はどう転ぶかわからなかったから、部下に任せて、深入りしなかったんでしょう。」


と言うことだ。


ユーノは、レイホーンが太子の恋人だった、という話しは、噂としては知っていた。彼は、春に昇格研修で、セートゥに一月ほど行っていた。その時、いきなりレイホーンの使いが会いに来た。研修の警官は三人いて、ユーノは前の事件の被害者と親しかったので、選ばれたらしい。断れないので承知したら、シャランとナンを「紹介」された。


レイホーンは、ユーノに以下の説明をしていた。


「太子とは、彼がメイラン行くときに、付き添って行ったのを最後の語らいに、きっちり別れたのだが、妄想癖が激しいので、話が全く通じていない。なんとか中央に戻れば、よりを戻せる、と一方的に考えている。


そのため、手段を選らばず資金稼ぎを始めた。


前回、あれだけ騒ぎを起こしたのに、まだ諦めていない。また、もしも全てが明るみに出たら、姉の四位だけではなく、今の婚約者候補を紹介してくれた二位様にも、二位様の上太子にも、迷惑がかかる。二位様の立場が悪くなれば、三位様の太子が浮上するが、三位様ご本人も、その太子も、『性質が良くない。』ので、皇帝陛下も悩んでいる。


自分にとっても迷惑なので、もう「おしまい」にしたい。」


俺はこれを聞いた時、


「そうなったら、二位夫人が四位夫人を『切り捨て』れば良いだけではないか。」


と思った。婚約はまだ成立していないのだから、二位夫人が共倒れを選ぶ理由はないからだ。前回の展開を考慮すると、太子の真の動機は、皇帝には「見当がついている」と思う。まだ無関係で済ませて、ごまかせると思っているのは、レイホーンだけではないだろうか。死刑になった連中の家族が、金と引き換えに引き下がったのは、相手が皇族で、背後に皇帝がいたから、と見るのが妥当だ。レイホーンは個人の都合を、公の事のようにポーズをつけて言っているだけに見える。


ユーノは、俺に、自分も同じ疑問を持ったし、レイホーンを信用した訳ではないが、この際だから、利用させて貰うことにした、と言った。少なくとも、「人身売買」自体には、レイホーンが関わってはいない、と考えたからだ。


そして、公の話としては、


「コーデラから暗魔法の調査に来た、王室直属の部下(俺達の事だ)が、呪術の正体を見破り、太子の側に探している呪術師がいるのでは、と考えた。『皇族と精神を入れ換える術』なら、皇帝に仇成す動きだと考えられるので、地元が『全面協力』した。」


となり、事後に警察署長と、無理矢理に口裏を合わせた。




このため、俺達は、セートゥに召還された。ただし、ナンとシャランは、屋敷を出たあと、速攻で、ポゥコデラからコーデラに脱出させた。


彼等は、前払いで全額受け取っているため、仕事の後は、レイホーンに会う必要はなかったし、レイホーンには、こちらが「裏」に気づいている事を悟られたくなかったからだ。


俺達は、二手に分かれてセートゥ入りした。一組目はハバンロ、レイーラ、ファイスだ。かつての勇者パーティの武闘家サヤンの息子ハバンロに、神官のレイーラ、土地勘のあるファイスは、表の顔として宮廷に行く。ハバンロの道場から、支部の最高責任者である、タロト師も付き添う事になった。


二組目はユーノ、フーロン、カッシー、俺だ。「裏」から、直接、レイホーンに会いに行く。


ファイスと俺は、最初は逆の予定だった。カッシー曰く、「いかにも騎士」の俺は、表の方が自然だからだ。だが、ファイスは仕事で宮廷に出入りしていたので、顔が知られている。裏に回ると、レイホーンが警戒するかもしれないので、俺と交換になった。


俺達の目的は鉱石だ。レイーラやハバンロは、真相の究明にこだわっていたが、こちらも立場がある以上、『最後まで』付き合うことは出来ない。ユーノ達も、レイホーンを許す気はないようだが、公に処分を求めることは諦めたようだ。ただ、鉱石の件に関して、レイホーンに都合の悪い事実は出てくるだろう。


仲間では、この辺りの機微を承知しているのは、俺とカッシーだけだけかもしれない。


確かに、レイホーンが野放しになるのは釈然としない。だが、反面、コーデラに、つまりグラナドの所に、早く戻りたかった。


せめて連絡だけでも、と思い、セートゥに行けば通信装置を使えるので、期待はしていたが、裏ルートに回った俺は話す機会がなかった。


打ち合わせのために、ハバンロ達の宿舎にこっそり行った時も、俺達が行く前に、通信は終わっていた。ハバンロからは、俺達も話せるようにと、来てから通信する予定だったが、向こうの都合が急に変わって、早めの連絡になった、と聞かされた。


グラナド達も俺達と話したがっていた、とも聞いた。


ファイスは、口には出さなかったが、フーロンを気にして(彼に太子が入ったことにして、レイホーンに面会を申し出ているので)、表裏の交代には、気が進まないようにも見えた。彼は意外に子供好きなようなので、そのせいだと思ったが、ユーノがそれとなく尋ねると、


「娘と同じ名前なので、気になっていた。」


と、さらりと爆弾発言が返ってきた。


「フーロン」は花の名前で、ソウエンでは女性名としてのほうが一般的らしいが、シーチューヤでは、男性名に多かった。


ファイスには、他に息子もいた、と聞いたが、


「せっかくチューヤに来たのに、連絡しなくていいのか?」


と尋ねたら、


「妻も子供達も、もう何年も前に死んでしまったから。」


と返事がかえって来た。


どうやら、彼は、何回か体を入れ換えているらしかった。俺はある程度わかるが、他はぴんと来ないだろうから、ファイスの説明は決して詳しくはなかった。娘の方は「嫁に行く年」になてから死んだらしい。チューヤには、もともと、結婚には、年齢制限がなかった。人身売買の隠れ蓑にされるのを防ぐため、今のシーチューヤでは男女共に、15歳と制限がある。ソウエンもだいたいそのくらいの筈だ。だが、婚約の年齢には制限がないため、婚約を結婚の確定と見なして、同居する場合もある、と聞いている。仮にファイスが15位で子供を作っていたら、あり得る話だが、


「地方に嫁に出したが、トラブルがあって、行方不明になった。探しに行って、シュクシンでようやく見つけたが、体を壊していて、間もなく死んだ。」


と言っていた。さらに、妻と息子は、その前に死んでいた、と続けた。今のファイスの見かけの年齢からすると、微妙なところだが、年が合わない。


だが、誰かが細かい計算をする前に、その話を聞いたフーロンが、自分の話をしだした。


「俺の母親は、俺を産んだ後で、追い出された。理由はわかんないけど、男の子を産んだ後は、用なしだからって、祖母さんに追い出されたって、街の人が、ちらっと言ってた。きついんで、有名な祖母さんだったらしい。


父と祖母さんが死んだ時、孤児院に行く前に、市から母の実家に、引き取れと打診したらしいが、もう別の家に嫁いってしまったから、と、断られた、と聞いてる。


まあどうせ、両親も祖母さんも、顔なんて知らないけどさ。育ててくれたのは、ドナと、グレーネの祖父さんだから。」


ドナは、遠いが、父方の親戚にあたるらしい。


ユーノも、その話を受けて、自分の話をした。


「僕の母は、ドナの店で働いてました。父が死んだからコーデラから流れてきた、と言っていたそうですが、コーデラの言葉はあまりできなかったですね。あまり覚えてませんが。


グレーネの両親は早くに事故で死んで、彼女の祖父は、仕事に行く間、ドナの所に、彼女を預けてました。だから、いつも三人一緒でした。」


彼等が、真相にこだわる理由は理解できた。ただ、明らかにできても、彼らの希望に添うかわからないが。




こうして、表ルートで、ハバンロ達が皇帝に面会している間に、俺達は、裏ルートで元凶と対峙することになった。




ユーノが対面前に、予備知識として、皇帝の回りの人物関係をざっくり説明してくれた。


チューヤの四国の王家・豪族は、いわゆる「一夫多妻制」である(一般市民は、余程の金持ちでないかぎり、妻は一人だった。)が、シーチューヤとソウエンは、正確には「一人の正妻と、多数の側室」である。側室には序列が存在した。


シーチューヤでは、皇帝の場合は、「何位様」と数値の位で呼ばれる、上位の側室がだいたい五~三十人くらいいるのが一般的だが、今の皇帝は「少なめ」で、九位まで置いていた。七位はヤーインの母で、故人だが、寵愛が厚かったため、「欠番」になっている。


皇后は大豪族(大貴族)の娘で、年齢は皇帝と同じ、即位と同時に結婚した。娘が一人いたが、五年前に病死した。他に子供はいなかった。以来、めっきり落ち込み、皇后は伏せ勝ちである。


二位夫人は皇后と皇帝とは子供の頃からの付き合いで、皇后と同時に側室に選出された。父親はソウエンとの戦いで死亡した、勇猛で評判の軍人だった。


彼女には息子が一人いて、上太子に選ばれている。彼の妻は、皇后の親戚の娘で、先日結婚したばかりだ。


三位夫人も、側室になるのは早かったが、田舎の富裕な農民の出で、もとは皇太后に侍女として仕えていた。息子が一人と、娘が一人いた。娘は豪族に嫁いで宮廷を出ていた。息子は上太子より一つ下だが、結婚は早く、皇太后の紹介で、地方官の娘と結婚していた。昨年、女の子が生まれた。


この三位夫人までが、「古株」となる。二位夫人と三位夫人は不仲だったが、立場上、二人とも皇后を補佐する事が多かった。


四位夫人は宝石商の娘、五位夫人は私立歌劇場(伝統的な古典劇を行う国立劇場とは違い、大衆的な歌芝居を上演)の支配人の娘、六位夫人は下級官僚の未亡人だった。この三人はセートゥ出身で、皇帝とは偶然出会った。特に六位夫人は、夫の遺産の事で裁判所に来ていたのを、視察中の皇帝の目に止まる、という、普段ならあり得ない状況で出会った。


彼女たちには男子が無く、四位夫人には一人、五位夫人と六位夫人には娘が二人ずついた。六位夫人には前夫との間に息子が一人いて、皇帝の養子になっているが、当然継承権はない。


今の五位夫人は二代目で、一代目は双子の太子を産んだが、直ぐに死亡した。双子は皇太后が養育していたが、他の兄弟姉妹にくらべ、二人とも体が弱いということで、後継者争いに関しては、名乗りは上げていなかった。


ヤーインの母の七位夫人は、トエン系のサハ族の族長の娘だった。父親の共をして都に来たとき、皇帝に出会い、一目惚れされた。美貌で有名で、寵愛は一番厚かったが、驚くほど野心がなく、生前、権力闘争に関わる事は一切なかった。


八位夫人は、「博士」と呼ばれる学者の娘、九位夫人は金融業者の娘で、二人とも、皇后に侍女として仕えていた。八位夫人は上昇志向が強く、七位夫人、六位夫人に継ぐ美貌と評判で、器量自慢、というやつだった。九位夫人は、読書好きの教養のある女性で、見た目は地味だった。「親が逆」と揶揄されることもあった。この二人には、太子が二人ずついたが、四人とも、十歳にもなっていない。大人しい性格の九位夫人は、息子達は太子ではあっても、上太子に使える者、として扱っていた。だが、八位夫人は、上太子は無理にしても、少しでもいい地位を築こうとていた。このため、よく似た三位夫人と衝突することが増えていた。


四位~六位夫人は、太子がいないこともあって、直接はこの手の争いには加わっていない。


側室の序列は、仮に息子が上太子になったとしても固定である。息子が皇帝になった時は、「皇母」という特別な地位が与えられるが、公式には皇帝の母親は正室だった「皇太后」になるため、実質、具体的な権力はあまりない。ただ、「皇太后」が死亡した場合は、「皇母」が「皇太后」になる。


「皇后陛下がご病気ということもあって、次の『皇太后』は二位夫人で決まりと見なされてる。実際、上太子はもう決定だし、皇后陛下を除けば、二位夫人のご実家が、一番金持ちで、地位が高い。他の側室も一応はそれで納得してる、と言われてたんだけど。」


皇后が倒れてから、二位夫人の比重が上がるに従い、皇后の実家と二位夫人の実家、二位夫人と三位夫人の仲、上太子と三位夫人の太子の仲が、しっくり行かなくなってきた。皇帝は、「背景」のないヤーイン太子への継承も一時考えた、という噂があった。だが、「背景」がないということは「味方」もないということだ。しかも、即位したら、かつての競争相手たちの「背景」も込みで戦わなくてはならない。結果、それは噂だけで終わった。


「そういう噂が流れたのも、三位夫人が急に、二位夫人と張り合うような言動が増えたからなんだ。二位夫人の父親に与えられた土地は鉱山地帯で、広くはないけど、貴重な鉱石がいっぱい取れてた。だけど、そこから都会までの流通ルートは、三位夫人の実家の領地だった。それでバランスが取れてたんだけど、西との交易の関係で、四位夫人の実家の宝石商が力をつけてきた。四位夫人は娘しかいないし、太子争いには関わらないけど、彼女が二位夫人寄りだと、三位夫人の立場に影響がある。


今はあくまでも夫人同士の話だけだが、皇后陛下の健康状態次第では、表面化も時間の問題だと思う。メイラン辺りでは、まだ噂話程度としてしか知られてない。僕はまあ、警官なんかやってると、色々と。


で、三位夫人は、謙虚な人と言われてたんだけど、そんなこんなで、この数年で、人が変わったみたいだ。彼女の長男の太子は、やや軽薄な質で、浮いた話が多かった。人気はあったし、今まで問題にされた事はないけど、上太子を狙ってる、という話が出てるから、そこを批判される事が増えた。


レイホーンが、『三位夫人親子には皇帝も悩んでいる』って言ってたのは、ここから来てる。」

「あら、じゃあ、あながち、でたらめって訳じゃないのね。一応は、説得力のある話だったの。」


カッシーが不思議そうに言った。俺たちは、四位夫人の「控えの間」というところに通され、長くレイホーンを待っていた。そういう場所で、話すにしては、ディープな内容だが、盗聴されている気配もない。


フーロンは何か言いたげだったが、一応、役を被って黙っていた。


「どっちかというと、八位夫人の方が『頭痛』かな。僕だとしたらね。彼女の父親、民族学者のオタ博士って、偉い先生なんだけど、『これ以上、お前が分を弁えないようなら、親子の縁を切る』と言ったらしい。


九位夫人の親は反対に、ポストを要求しては、娘にたしなめられているそうだよ。ラッシルに、『父親の心が正しいほど、娘は自惚れてダメになる。』って諺があるらしいけど、そんな感じだ。」


あったかな、そんな諺。実録として、父親が立派なのにダメだった息子の話はあるけど、と、ユーノに聞き返そうとした時だ。


ようやく、奥への扉が開いた。


女性の甲高い声が、チューヤ語で何か言っていた。が、出てきたのは男性だった。


「トルクン様。」


とユーノが呼び掛けた。


「レイホーン様はおいでにはならないのですか。」


しかし、トルクンと呼ばれた緑の髭(髭の先を染めていた。)の男性は、重い袋を差し出した。恐らく、中身は金だろう。


「これで何分の始末をつけろ。」


と憮然として言った。


「…書状にはっきり書かなかったのもあるでしょうが、レイホーン様にお会いできないと、彼が元に戻りません。」


ユーノの説明に、フーロンが肩を震わせた。彼は、魔法で押さえてある、という設定だったので、何も反応しないようにはしていたが。


「閣下は、興味も関心もない。関係がない。」


トルクンは重い袋を剣で押し出した。閣下とはレイホーンの事だろう。姉の顔か、何か大層な役職についているらしい。


「恐れながら、ご依頼はもともと、レイホーン様より、『二位様と四位様、果ては皇帝陛下のために、誰かがやらなくてはならない、必要な事であった。』と『一応は』聞いています。ご興味やご関心はともかく、責任はおありでしょう。」


ユーノの口調には、嫌みや皮肉に該当するものはなかった。だが、正論を言えば嫌みになる場合がある。これがそうだ。トルクンは目に見えて気分を害していた。


俺はそっと、剣に手をかけた。レイホーンが自分で来ないのは予想外だったが(他人を間に立てるには微妙な用件のため。)、もし出てくるとすれば、戦闘は覚悟していた。一応、表ルートとは別とはいえ、コーデラの王族の使いである俺達に、レイホーンが何かするとは思えないが、俺とカッシーの目的は鉱石の密輸事件、ユーノとフーロンの目的はグレーネの事件の真相、どちらもレイホーンは隠しておきたい物だろう。有無を言わさず始末、というのは最低の予想だが、外国の王家の家臣(ということになっている)の俺達がいなかったら、どうだったか。


トルクンは俺の所作を見て、驚いたのか、急に穏やかな口調になり、


「明日、同じ時間に改めて。迎えを出すから、場所を変えて。」


と、さらに金の袋を上乗せして、「平和的に」追い返しにかかった。


屋敷を出た後、道中で、ユーノに、待たされた挙げ句、引き下がった事に対して、フーロンがようやく文句を言っていた。


「レイホーンは、隣の部屋にいたわね。壁のガラス絵が不自然だった。」


と、カッシーが、細かいやり取りを始めた、フーロンとユーノに、仲裁するように話し掛けた。


「何で、出てこなかったんだ?わざわざ明日にする理由もわからないよ。」


とフーロンが問い返した。


「あのトルクンや、身分の高い、彼のお姉さんには、自分が『そそのかした』事が原因だ、とは話してないんでしょう。たぶん、最初にユーノに話した『責任逃れの言い訳』で押し通してるんだと思う。対面したら、『修羅場』になって、自分の責任が、明らかになるでしょ。


本当に太子と添い遂げるつもりだったにしても、太子に成り代わるつもりだったにしても、完全にばれたら、身内の姉でも庇うかどうか。


それか、完全に『罪悪感』が抜け落ちた性格で、『被害者の自分が直接体面してやる義務はない』と思い込んでるのかもしれない。まあ、それにしては、出来すぎた嘘をついてるけど。


次があるとしたら、レイホーン一人で来るかもしれない。」


「あるとしたらって?」


カッシーはフーロンの問いには答えず、剣を抜いた。俺もだ。


脇の薄暗い道から、男が五人、飛び出して来た。剣を持っている。カッシーが二人、俺が二人倒した。ユーノとフーロンで一人捕まえた。口実を与えてやる気はないので、大怪我はさせないようにした。



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