第12話 電話で女子同士仲良くなったらダメだったんですか?

「あ、もしもし?りゅー?どしたん?何か大学で話題になっとるで?何か2階から飛び降りたらしいやん?それと謎の美少女。何?何かあったん?おしえてーな。私に!」


「……………」


「りゅー?りゅー?どしたん?通じてへんの?もしもーし!」


「アナタはダレ?」


「うわっ、ビックリしたぁ。いきなり話すのは無しやで………ってアレ?りゅーやないな?」


「りゅうたんではないですけど。」


「りゅうたん?女の声やな。誰や?りゅーの携帯にかけたはずやけど?」


「アナタこそダレ?りゅうたんのなんなの?」


「りゅうたん、りゅうたんって呼んでるヤツ見たことないけど………まぁ私は昔からの腐れ縁、まぁ幼なじみってヤツやね?」


「アナタりゅうたんのこと好きでしょ?」


「うへぇ?何でいきなりそうなるん?」


「幼なじみは幼なじみに恋をするモノでしょ。それが普通………」


「ないない!私がりゅーを好きになるなんて100ないって!」


「100?」


「何を心配してるかアナタが知りませんけど、私にはりゅーよりカッコいい彼氏サマおるから好きとかないで?」


「あ、彼氏いるんだ!なら大丈夫だ!」


「おぉ、いきなり変わったな。声も態度も。」


「私の名前は早乙女 キラリ。りゅうたんの彼女であり嫁であり生涯を共にする者だよ!」


「早乙女………あー!アンタか!いきなり現れた美少女って!てかりゅーの彼女?」


「彼女というか嫁というか生涯を共にする者というか………」


「まぁ、ひっくるめてりゅーが好きなんやな?」


「愛し過ぎて死にそうなくらい好き。」


「おぉ、ベタぼれやん?てか可愛い声やもんな。顔もさぞ可愛いんやろ?」


「そんなこと………」


「否定しーひん辺りが美人って自覚してるわな。アンタ今何処いるの?」


「え~と、汚い理科室?」


「あ~、旧校舎の理科室か。待っててや。すぐに行くから。アンタの顔みたいから!」


プツン。切れた携帯と………


「何か来るらしい。ラブラブを見せるチャンスだね!」


笑顔の彼女と青ざめる彼の姿がそこにはあった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る