第10話 クズ男に引っ掛かり続ける彼女に同情したらダメだったんですか?

「さっ、クラスに行こうか。皆心配してるよ?あんな窓から飛び降りて、めっ!だよ!」


「いや、その…………クラスに行く前にですね。」


「何?」


「ちょっと聞きたいことがありまして……」


「うん!聞いて!聞いて!」


「あの~………元カレの方………」


「あ~、リオくんね。」


「あ~、そのリオくんはもういいんですか?」


「うん!もういい!」


おぉ………素晴らしい位清々しい位ハッキリとした うん! だったな。


「いや、でも、でもですよ?一応彼氏だった訳じゃないですか?それに死のうとまで考えた人、そんな簡単に忘れられま」


「忘れられるよ。」


暗黒微笑を浮かべる。


「そ、それは何で?」


「クズだったからね。リオくんにも最初ちゃんと約束したんだよ。浮気はダメだよ?って。それなのにお金貸して~って、何処行くの?って言ったらちょっとゴルフにとこ言ってその金で女と遊んで、カードも作ってあげたら上限マックスまで使って後は私にお任せ。めちゃくちゃクズだったから。別れ方も私のことブロックして家にも言ったけど110番されて私が悪者みたいにされて終わり。ね?もう好きになる要素ないでしょ?」


「それが………1回ですか………?」


「ううん。何回も。何回も。私は騙されてきてお金を取られてきた。私には何も誰もしてくれないのに。だけど君は違った。りゅうたんは違った。見ず知らずの私の命を助けてくれてしかも愚痴まで聞いてくれた、そんなことされたことなかった。」


「……………」


「だからこれは運命なんだよ。私がりゅうたんと出会えたのは神様からのプレゼントなんだよ!」


「……………」


あ、ヤッベェ奴ってこと改めて分かって改めて救ったわ。どうしよう。キャッチ&リリース出来ないかな?

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