第8話 ライムの連絡先消さないとダメだったんですか?

「いや~!付き合ってくれるんだ!ハッピー!めちゃくちゃハッピー!ハッピー!ハッピー!」


「はい…………」


「私のこと、可愛いんだ!キュートなんだ!綺麗なんだ!一目惚れなんだ!」


「はい……………」


「よっしゃ~!遂に運命の王子様みーつけた!クズばっかりの男運が遂に切れたぞ~!」


あの~その王子様、罠にかかって見つかりましたけど大丈夫でしょうか?

あぁ、こうなれば仕方ない。今はこの人の恋愛に付き合ってるフリをすればいいだけ。だからだいじょ……


「あ、恋人になったらの条件があるんだ!言わなきゃ!」


「条件?」


「1、1日30通は連絡する。」


「さ、30?」


「え、少ない?50にする?」


「いやいや!多い!多いですから!めちゃくちゃ多いでしょ!」


「えー普通でしょ?」


1個目から不穏なんだが。


「2、電話は最低1時間!」


「で、電話?」


「通話しよーね!今日の夜!よろしく!私からかけるから!」


「………………」


「で、3…………」


「いや、もうお腹いっぱい………」


「いやいや、まだまだ!たくさんルールはあるよ!」


「ルールって言った………」


「守らないと死刑だよ?」


「罰が重い…………」


「私も死ぬなら大丈夫!」


「愛も重い……………」


「じゃあ、3、ライムと電話の女子の連絡先全部消す。」


「え?」


「はい。今早く!」


「いや、ちょっと待ってください。流石にそれは無理ですよ………」


「何で?」


「いや、連絡取らないといけない先輩方とかいますし…………」


「見て。」


「うん?へ?」


そこには母と俺、龍しかないライムがあった。


「私は消したよ。もうだいぶ前に。上司だろうが取引先だろうが社長だろうが全部消した。何故なら男だから。」


イカれてる…………


「私が消せるんだもんね?りゅうたん、簡単だよね?」

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