第25話「償い」
ヤマトがミキオを殺してから少しした後、ヤマトに鎖鎌が飛んでくる。
刀で何とか防いだものの、鎖が刀に絡みつき反撃ができない状態に。
「何黄昏てんだよクソ野郎」
毒の鎖鎌使いで、爆師ハナビの部隊に所属している毒虫イバラが、ものすごい剣幕でヤマトに問い詰める。
「…イバラ」
ヤマトは、剣が使えないこの緊迫した状況よりも、かつての仲間に、仲間を殺したところを見られたという罪悪感と虚無感、そして何か人間として大切なものを失ってしまったという喪失感が苦しかった。
「君…バカな奴だとは思ってたけど、まさかここまでバカだったとはね… ホント… 笑えないよ!!!」
次の瞬間、イバラが鎖鎌を引き、ヤマトから剣を取り上げる。
ヤマトはそれを受け入れているかのような表情で、一切抵抗しなかった。
そして、もう一度鎖鎌をヤマトに投げ、ヤマトの太ももを切り裂く。あっという間に毒が回り、ヤマトは意識を失った。
ミキオの前で祈りを捧げ、追悼したイバラは、複雑な表情でヤマトを抱きかかえてソウスイの所へと向かった。
殉職した守護警察将軍「戦国ゲンスイ」の息子、ソウスイはこの作戦の指揮官であり、現守護警察将軍を務めている。この作戦の目的は、鬼の世界へと向かった4人の英雄たちを一度人間の世界へと連れ戻し、体勢を立て直してから守護警察の全勢力をもって鬼の世界へと宣戦布告するというものだったが、英雄の1人であるヤマトの裏切りという予想外の事態に、ソウスイたちは驚きを隠せなかった。
「将軍…」
「…!話せ… 何があった…」
気絶したヤマトを抱きかかえながら愁いを帯びた表情でソウスイに報告するイバラを心配したソウスイは、優しくそう言った。
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