第5話 あたしと不倫恋愛とにいさま

ドンドンドン!


「アロウズが攻めてきたぞ!、にいさま出撃だ!」


「オーライザー出たか?」


「あい。コンバンワにいさま〜」


「そこからが本番だな」


「にいさまの積みプラからダブルオーライザー作っていい?」


「ちゃんとヤスリかけてトップコート吹けよ」


「あい♪」


    ◇


「あのさあ・・・」


「なあに、にいさま♪」


「説明書読んでるとこ悪いんだけど、ここのリネンってちゃんと交換されてるのかな」


「なんで?」


「いや、ベッドがなんていうか・・・すごく女臭いんだけど」


「あたし寝てるモン♪」


「えっ?」


「この部屋、にいさまのときしか使ってないの。他の宿直のヒトはホテル待機だもん。だからあたし、放課後とか土日はここでゴロゴロしてるの」


「マヂ?、知らんかったわ」


「もともとパパと前の奥さんが住んでたとこで、だいぶ老朽化してるでしょ。にいさまは身内だからいいかなって」


「まあキッチンから風呂場まで一軒家がビルトイン状態で便利だしな」


「収納も一軒家なみだから、にいさまもご自宅に置いとけないモノ置いてるでしょ。プラモにマンガに・・・エログッズも♡」


「で、いつから出入りしてるんだ?」


「先週にいさまが帰ったあとから〜、最近ママとうまくいかなくって」


「ややこしいヒトだからな・・・まあそれはいいとして」


「なあに、にいさま」


「お前さあ、このベッドでなんかしてねえか?」


「ドキッ」


「ドキッじゃなくて。・・・悪いけどぶっちゃけオナニーしてない?」


「ドキドキッ」


「いや、ニオイでわかるから。お前のってちょっと特徴的なんだよな」


「ムッ、先生それはあたしが汗くさいってことですか!」


「お、やるじゃん」


儞已經死了ニイイチンスーラだよ」


    ◇


「にいさま、女子高生の残り香のするお布団で寝れるなんて、ふつうお金払うヤツですよ〜」


「もう1回聞くけど、オナニーしただろ」


「あい」


「何回?」


「1日1回にしてますです」


「毎日?」


「あい」


「で、リネン交換してないのな」


「あい」


「オレにお前が毎日オナニーしたベッドで寝ろと」


「やだ?」


「たいして気にはならんけどな」


「嬉しい?」


「なんだソレ」


「あたしはにいさまのニオイが嬉しかったから・・・ゴミ箱からあのティッシュも発見したし♪」


「あのって、おい」


「にいさまも、あたしのニオイのするベッドでオナニーしていいんだよ♡」


「・・・なんかシャクだな、ソファで寝るか」


「にいさま・・・あたしのニオイって・・・臭い?」


「どうしたよ」


「小学校のとき男の子に、お前、不思議なニオイするなって言われてショックで」


「へえ」


「しばらく男子はもちろん、女子とも接しにくくって。みんな実はあたしのこと臭いって思ってたのかなって・・・」


「ちょっと墨汁を感じる、オリエンタルでセクシーないい匂いだと思うぞ。臭いと思ったことはないな」


「ホント?」


「ああ」


「よかった、にいさまが好きでいてくれるんならいいや♪」


「なんだそりゃ」


    ◇


「にいさまはなんでオナニーするの?」


「なんでって・・・ネタってことか?」


「あ、いえ、どうしてってこと。奥さんとセックスすればいいのにって」


「うーん、5、6年、もっとしてないかな〜」


「いわゆるセックスレス?」


「そうだな、家には子どももいるし・・・なんというか」


「キライになっちゃったの?」


「そんなことはないけどな、結婚、出産で、家族になるとな〜」


「女としては見れなくなるの?」


「チームメイトみたいになっちゃうんだよな。性の対象ではなくなるというか、逆にセックスがなくても大切で一緒にいられるというか・・・」


「でも性欲はあるんでしょ?、だからオナニーや不倫するんでしょ、にいさま♡」


「・・・」


「にいさまは、初めて会ったときからおんなじニオイがしたの。だから不倫する男の気持ちを聞いてみたかったの♪」


「お前のカレと同じかはわからんけどな」


「うーん、カレは、奥さんにできないことを試してみたい感が強いかなあ」


「アナルもそうかもな」


「3日お風呂に入ってないおまんこを舐めさせろとか」


「なかなかだな、叶えてやったのか?」


「ムリ〜でもなんだろう、あたしが無茶を聞くと、カレは愛を感じるのかなあ」


「愛というか、それは性奴隷的な優越的充実感かもな」


「あたしは、あたしのことが好きでいてくれるヒトと一緒にいたいんだ♪」


「好きってのも、むつかしいけどな」


「にいさまの好きは、どんな好き?」


「オレ!?」


「カワイイ妹のお願いだよ、にいさまの恋愛観を教えてくださいな♡」


「・・・高校とかは惚れ込んだその娘しか見えなくなって、周りに気をつかったりできない不器用な男子だったな」


「百戦錬磨のにいさまにそんな黒歴史が」


「・・・黒歴史って、ホントは」


「月光蝶でしょ♪」


「ま、いっか、で、編み出したクールに恋愛する方法だったんだろうな、不倫スタイルが」


「フムフム」


「何人か同時に付き合うことで、好きの気持ちを分散させたんだろうな」


「投資におけるリスクの分散みたい♪」


「誰かひとりと破局してもそんなにダメージないし、ケンカしても、他の娘と遊んでいるうちにお互いアタマが冷えて解決するだろ、くらいに思えたりな」


「・・・あたしの求めるものかはわからないけど、おもしろい♪」


「ほっとくとだいたい、ごめんって言ってくるしな」


「ガツガツしないのがかえっていいんだね〜うまい仕組みだ」


「しゃべりすぎたな、恥ずかしい」


「あたしは嬉しいよ、にいさま♡」


    ◇


「にいさまと話すの、楽しいでち♪」


「そうかい」


「あたしが帰ったら、あたしの匂いのベッドでオナニーしていいからね♡」


「なんで毎日このベッドでオナニーしてるんだ?」


「へ?」


「そんなに不倫教師が恋しいのか?」


「・・・にいさまのバカ!」


「へ?」


「にいさまの寝たベッドでにいさまの匂いを嗅ぎながらするオナニーは、にいさまのことを考えてするに決まってるでしょ!」


「えっ?、だって不倫教師と・・・」


「この世にたったひとりの血の繋がった妹を大切にしろっ」


「・・・いや、血ぃ繋がってないよな」


「え!?」


「オレとお前の産みの父母って違うだろ」


「なに言ってんの?、にいさまと血の繋がったパパと、あたしと血の繋がったママが結婚したんだよ。だからパパとママの血が繋がって、にいさまとあたしの血も繋がったんだよ」


「ごめん、アタマ痛くなってきた。その引き出しからピンクのヤツ1個取ってくれ」


「にいさまにはむつかしかったかな、ハイ」


「ちょっとオレにはむつかしかったわ。ちなみにお前、生物、何点?」


「こないだのテスト?、16点だよ、エヘ」


「20点満点じゃ・・・ないよな」


「テヘペロ」


「ちょっと座れ・・・いや、オレの膝じゃなくて」


「対面座位♡」


    ◇


「マヂ、目からウロコが止まらないでつ。にいさま」


「こちらこそだよ、全く」


「じゃあなんだ・・・付き合ったり結婚したり子作りしたりよぉ、あたしなんでもやり放題ってことぉ!?」


「なぜノコギリ刀の鬼畜剣士?」


「あい、すんません。あんまり嬉ちくて♪」


「法律上は兄妹だし結婚はできないだろうな」


「ズコー!」


「おお、久しぶりに見た」


「あたしたち、血が繋がってないんだあ♪、よかった、ウルルとサララ」


「そっか」


「今晩、ちょっとでもいいからあたしのことを想ってオナニーしてね」


「なんでオナネタまで・・・あわわ、わかった、泣くな、泣き顔で帰ったらあのヒトまたおかしくなるから」


「リネン、次は替えておくね」


「お、ありがとな」


「3日あたしが使ってから交換する、そしたら3日分あたしの匂いのするお布団でにいさま寝れるでしょ」


「もうそれでいい。早く帰れ。ママが心配してるぞ」


「オヤスミにいさま、女子高生の匂いに萌えてオナニーしすぎちゃダメよ」


「おう、1回にしとくわ」


「1回するらしい♡」

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