第2話 あたしと性病とおにい
「ハアアア〜・・・九!頭!龍!閃っ!」
ドガッ、ドコ、ドン、ボコ、ベコ、ガツン、ぺキッ、ポコ
「ハア・・・ハア・・・」
コツン
「やかましいわ!、ドアこわれるだろ、あ、おい、ココへこんでるだろ、あ〜あ」
「ゼエ、ハア、おにい、そこは天翔龍閃で対決してくれないと〜ノリ悪いなあ」
「だいたい九つが同時なんじゃなかったか、ぜんぜんバラバラだし、最後の方はポコとかいってたぞ」
「かよわい女子高生にはムリでちた」
「あ、ホラ、職員さんびっくりして〜、あ、大丈夫です、なんでもないんです、ハイ、すいません、気をつけますんで」
◇
「ジャジャン♪、問題です!」
「お、なんだ唐突に」
「電線にカラスが8羽います」
「おう」
「そのうち1羽を銃で撃ちます」
「コワッ、どこの国のハナシだよ」
「だまって聞いて。さあ電線に残っているカラスはなん羽でしょう〜?」
「7羽と言いたいとこだけど、アレだろ、銃声に驚いて全部、飛び去るってヤツだろ」
「ブッブーッ、ちがうもーん。答えはね、1羽残ってるんで〜す」
「メンタル強いカラスだな」
「そう、じゃなくて、そのカラスはね、剥製、つまりニセモノなの♪」
「ほう」
「・・・ニセモノはお前じゃ〜、ザクーッ!」
「コワッ、なんでフォーク!?、あ、これでドア突いてたのか」
「おにい知らないの?、つまんない」
「ハイハイ、お前ね〜女子高生がヤクザのマンガなんか読んじゃダメ、ってお前、オレの本棚あさったな、コラ」
「テヘペロ♪」
「で・・・ふう、今日は、アレだっけなお前のケツのニオ・・・」
「そうそう、おにい!」
「お、おう」
「あたしね、性病になってないかみてくれない?」
「はい!?」
◇
「そんなわけで、あたし、性病が心配なのね」
「そんなわけってなんだよ」
「いやあ、カレがさあ、オシッコするとき痛いとか、なんか先っちょからウミが出たとか言っててさあ〜、おにい、コレあたしも、ヤバい?」
「ヤバいな」
「やっぱり?、じゃあ、だいじょぶかみてよ。あたしのこと、心配でしょ」
「・・・みるって、市販の検査キットでもあるのか?」
「なあに、それ?」
「フウ・・・で、オレ、なにすればいいんだ?」
「ええとね、ネットの情報によると」
「ネットかよ」
「おにいはおじさんだから知らないかもだけど、ネットは神の図書館だよ」
「今どきの女子高生にとっては、そういうもんなのかもな」
「ええと、性病の症状その1・・・性器と、その周辺が臭う、だってさ。おにい、嗅いでみて」
「マヂかよ」
「ホラ、早く♪」
「え、なに、どう嗅いだらいいんだ。お前、パンツ脱ぐの?」
「え、なに言ってんの、引くわ、おにい、女子高生のおまんこ見たら犯罪だよ。ここの、ホラ、スカートのお股んとこに顔うずめて、クンカクンカ〜してよ」
「それも十分に犯罪ぽいけどな、ていうかなんでお前、制服なのよ」
「エヘ、制服の方が嬉しいでしょ?、ハイ、開脚〜」
「・・・お、おう、さっさとやろうか。フウ・・・」
◇
「どう?、どう?、あたしの、臭う?」
「ええっ、よくわかんねえよ。クンクン、スーハー、スーハー」
「・・・なんか変態的だね、おにい。あたし濡れてきたよ♡、えっとね・・・性病とのときはサカナの腐ったようなニオイとか、生ゴミのようなニオイがします・・・コワッ」
「うーん、ちょっと酸っぱいようなニオイと尿臭くらいだな・・・別にそういう悪臭はないと思うぞ、ん、おい、なんかブルブルふるえてるぞ」
「あ゙っ・・・なんでもないっ・・・モンっ」
「ふうん、その1は大丈夫じゃないか。まだあんのか?」
「ハアハア、その2はね、ええと、性器が腫れている場合は・・・だってさ」
「・・・見ちゃダメなんだよな。どうすんだよ?」
「うーん、ポクポクポクポク・・・チーン、よしヒラメキ。おにい、あたしのパンツの中に手ぇ入れて、さわってよ」
「ええっ、それはヤバくないか、おい」
「ヤバいってなんだよ、おにい。あたしが性病かどうか心配じゃないのかっ!、性病をほったらかしておいたら不妊症とかになって、おにいの赤ちゃんも産めなくなるかもしれないんだぞっ!」
「うわっ、なんか変なスイッチ入った。後半ナニ言ってっかわからんけど、あと、正直なところ病院行けよって言いたいけど、わかった、とりあえずさわるから」
「とりあえずってなんだっ、コレふつう援助交際とかで大金払わないとできないやつだぞ。こんなカワイイ女子高生との非日常体験をもっと大切にしろっ、ハアハア」
「わかった、わかったから落ち着け、な、ちゃんとお前の性器さわるから、な」
「・・・わかればいいよ、ハイ、じゃあどうぞ〜♪」
◇
「おにい、さわり方・・・エッチい♡」
「ええっ、ていねいにさわってるだけなんだけどな。うーん、とくにブツブツや腫れはなさそうに思えるけどなあ」
「あい〜♡」
「性器のまわりは大丈夫そうだな、じゃあ、いよいよ本丸やるか・・・いいか?」
「・・・あい」
「おっ、なんかすごい濡れてるな、お前」
「おにいのバカぁ」
「ヒダヒダをまんべんなくチェックするぞ」
「か、解説しないで、おにい♡」
「うん、こっちはスベスベだな、じゃあ、反対側つまむぞ」
「はあっ・・・フウッ、フウッ、フウッ」
「大丈夫か、息、荒くないか。お、しがみついてきた。カラダ、めっちゃ熱いな〜」
「・・・なんでもない♡」
「こっち側も異常なさそうだぞ。じゃあ、次は・・・中の方か」
「・・・おにい、指入れは厳禁でち。罰金100万円と出禁になるでち」
「お、おう、そっか。わかったよ、だったらあとはココだけだな」
「あっはあんっっ♡」
「どれ、皮むいて、根元から・・・おい、顔近いって、ちょ、吐息っ、眼ぇウルウルしてるぞっ」
「ウルルとトロロ・・・♡」
「サララじゃ・・・あ、ほっぺくっついて、ちょっと、変な気分になるから、おいっ」
「・・・トロトロ♡」
「ちょ、くちびるっ、近づいてっ、プルプルだなあ・・・って言ってる場合じゃない、ええい、しゃあねえな、キルスイッチ発動!」
「だ・・・だめえっ・・・んあああっっ!」
「・・・よし、落ちた。おお、ビクンビクンしてる」
◇
「・・・オハヨス♪」
「お、落ち着いたな・・・満足したか?、性病検査」
「ぎゅーして、おにい」
「ええっ、なんだよ急に」
「いいから、早くっ」
「・・・こんな、感じか?」
「次はね、おにいのおちんこ見せて」
「さらっとなに言ってんだお前、正気か?、強制終了でどっか回線が変になったか」
「失礼だなあ、あたしはいつでも正気だよ。カレのおちんこが性病かどうか見極めるには、正常のおちんこを知らないといけないでしょ」
「あのさ、お前のおまんこは見ちゃダメなんだろ」
「あい」
「オレのおちんこは見ていいの?」
「あい♡」
「おかしくない?」
「なんで?、男子トイレの清掃のおばさんにおちんこ見られてもだいじょぶだけど、女子トイレの清掃がおじさんでおまんこ見られたら、通報、逮捕、死刑だよ」
「うへえ、そうかもだけど、このジェンダー平等時代の女子高生とは思えない発言だなあ」
「だいたい、男子はトイレ清掃のおばさんに露出したいもんなんでしょ♪」
「いや、それは一部の変態たちの性癖」
「ハイ、早く見せちくり〜ワクワク♪」
「マヂっすか〜」
「マヂすか学園♪」
「お、お前のスマホ鳴ってるぞ、愛しのマミーじゃないのか?」
「またまた〜そうやって逃げようとしても・・・あ、鳴ってる〜しょんぼりんだあ」
「じゃあ残念だったけど、また今度な」
「プーン、次は来るなりおにいのパンツおろす決意」
「コワッ」
「じゃあまたね、いつも人生相談にのってくれて、ありがとね♡」
「お、おう、人生?、相談?」
「バイバ〜イ、あ、忘れてた、チュッ」
「・・・投げキッスするときに片足上げるのって、なんか昭和っぽいなあ」
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